ミニシアターとは?東京都内で映画を楽しめるおすすめのミニシアターを紹介
大規模映画館やシネマコンプレックスなど、映画館は形態が多様化しています。その中で独自の進化を遂げているのがミニシアタ-です。東京にはミニシアターがたくさんあり、またそこでしか見られない映画もあります。東京都内のおすすめのミニシアターを紹介します。
目次
「ミニシアター」について紹介!
今、密かなブームになっているのが、ミニシアターです。映画館は時代と共に進化してきましたが、一番進んだ形態がミニシアターです。どのようなものなのか紹介しましょう。
ミニシアターとは?シネコン(複合映画館)との違い
ミニシアターというのは、いわゆる客席数が少ないという意味が本来の意味ではありません。そこで上映される作品が、大手の映画会社の直接の影響下におかれていないという意味です。古くは「単館系」とも言われました。
つまり、その映画館が独自に発掘した映画を上映するということです。これに対してシネマコンプレックス(シネコン:複合映画館)というのは一つの映画館の中に複数の客室があり、大手配給会社の映画を上映するものを指します。
ミニシアターは客席数が100席以下程度の規模のものが多いですが、シネコンも80席程度の小規模のものもあります。また、スクリーンの数は7つから12程度です。
シネコンのスクリーンの数は多ければ多いほど良さそうに思えますが、日本の場合主要な映画配給チェーンが13しかないために、やたら多くしても無駄になります。
また、シネコンはショッピングセンターのテナントか、スーパーマーケットに併設されていることが多いです。その理由は、ショッピングセンターなどの駐車場を利用して、車での来客者を取り込むためです。
ミニシアターの歴史
日本最初のミニシアターは、1974年に開設された東京の岩波ホールのエキプ・ド・シネマです。ここではロードショー公開されないながら良質の映画を世界中から見つけてきて上映しました。
エキプ・ド・シネマというのは、フランス語で「映画の仲間」という意味です。興行的には必ずしも成功しなくても、見た人にしっかりと感動を伝えられる良作を上映するという運動を始めたのです。
このような運動は全国に波及していきます。例えば東京の日本橋三越では1973年11月に名画座・三越映画劇場を作り、チェーン化していきました。
1980年代にはミニシアターで「ニュー・シネマ・パラダイス」や「ベルリン・天使の詩」などのヨーロッパ映画が上映されて、ミニシアターブームが巻き起こりました。
東京都内でおすすめのミニシアター
ミニシアターブームの追い風に乗って、東京にはたくさんのミニシアターができました。それらの中からおすすめのミニシアターを紹介します。
幅広い作品を上映「新宿武蔵野館」
新宿武蔵野館は1920年6月30日会館ですので、今年で100周年になる伝統ある東京の映画館です。当初は座席数600席の大映画館として、邦画や洋画の配給物を上映していました。
1994年10月4日には武蔵野ビル3階にミニシアターの「シネマ・カリテ1・2・3」がオープンしました。これらはいずれも座席数が84席です。
2003年9月30日には3階にあるミニシアターを「新宿武蔵野館1・2・3」として、現在に至ります。
最終的には座席数の増減があり、武蔵野館1が133席、2が83席、3が85席となりました。
住所 | 東京都新宿区新宿3-27-10 武蔵野ビル3階 |
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電話番号 | 03-3354-5670 |
料金 | 一般:1900円 学生:1500円(学生証提示) 中・高校生(学生証提示) 1000円 幼児(3歳以上)・小学生: 800円 |
アクセス | JR新宿駅中央東口 より徒歩2分 |
公式URL | 新宿武蔵野館 |
過去の名作を2本立てで上映「早稲田松竹」
早稲田松竹は今では珍しくなった名画座として、ロードショーが終了した映画や、過去の名作の中から厳選した作品を2本立てで上映しています。
座席数は153席で、スクリーンサイズは620cm×320cmとなっています。また、映写設備は35mm映写機が2台、DLPが1台です。音響設備は「D」、「SR」、「SRD」(ドルビーデジタル対応)です。
なお、2019年6月8日からは敷地内全面禁煙となり、喫煙所もありません。
住所 | 東京都新宿区高田馬場1-5-16 |
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電話番号 | 03-3200-8968 |
料金 | 大人:1300円 学生:1100円 シニア・小学生: 900円 すべて2本立て |
アクセス | JR山手線・西武新宿線 「高田馬場」 早稲田口から徒歩7分 東西線「高田馬場」 7番出口から徒歩2分 |
公式URL | 早稲田松竹 |
ギャラリーやレストランを併設した「アップリンク渋谷」
アップリンク渋谷は渋谷の奥にある小さなカルチャーセンターを標榜しています。スクリーンは3つあり、映画の上映を始めとして、その他にも各種イベントが催されています。
ギャラリーやDVD、書籍等を販売するマーケットも併設されているのです。さらに1階のスペースには「タベラ」というカフェレストランがあり、ここは打ち合わせや歓談に使われています。
イベントは落語やトークショーなどが随時行われており、ミニシアターとしての映画館だけではなく、文化の発信にも力を入れています。
スクリーン1は座席数58席で、150インチシネマスコープスクリーンを設置しています。シネマ2は45席で、150インチシネスコサウンドスクリーンです。また、スクリーン3は41席で、140インチシネスコサウンドスクリーンとなっています。
住所 | 東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1階2階 |
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電話番号 | 03-6825-5503 |
料金 | 一般:1800円 シニア(60歳以上):1200円 ユース(19~22歳):1100円 アンダー18(16~18歳):1000円 ジュニア(15歳以下):800円 |
アクセス | 渋谷駅から文化村通りで 東急本店を越して 神山町東交差点手前 |
公式URL | アップリンク渋谷 |
話題性のある作品を多く上映「ユーロスペース」
ユーロスペースはKINOHAUSビルの3階にありますが、4階には「シネマヴェーラ渋谷」という名画座があり、2階にはライブホールの「ユーロライブ」があります。
ユーロスペースの代表は日本映画のプロデューサーであり、東京芸術大学の名誉教授でもあります。オープン当時は「ある道化師」を上演しました。
さらに当時日本での知名度が低かったレオス・カラックスやアッバス・キアロスタミなどの作品を紹介しました。これ以外にも話題性のある作品を上演してきたことで有名です。
住所 | 東京都渋谷区円山町1-5 |
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電話番号 | 03-3461-0211 |
料金 | 一般:1800円 大学・専門学校生: 1400円 会員・シニア:1200円 高校生:800円 |
アクセス | 「渋谷駅」から マークシティ内通路を通り抜け 「道玄坂上交番前」信号を渡る 「セブンイレブン」の左側の道 を下ると150m先左側 |
公式URL | ユーロスペース |
音響が良い「新文芸坐」
新文芸座は2000年の12月12日に開館しました。運営は株式会社マルハンが行っており、マルハン池袋ビルの3階にあります。
もともと1956年に発足しましたが、一旦1997年3月6日に閉館しました。その後跡地をマルハンが借り受けてビルを建て、2000年12月12日に「新文芸座」がテナントとして入ったものです。
旧文芸座時代から落語やお笑いトークライブの会場として利用され、さらに映画監督や俳優のトークショーなどの催しも行われています。
座席は264席と比較的多く、うち車椅子が2席あります。スクリーンは縦4.2m、横10mとかなり大きいほうです。さらに映写設備は35mmと16mmフィルム映写機に加え、デジタルシネマプロジェクター(クリスティ社製)を設置しています。
音響設備はDolby SRD-EXであり、音響が良いことで知られています。
住所 | 東京都豊島区東池袋1-43-5 マルハン池袋ビル3階 |
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電話番号 | 03-3971-9422 |
料金 | 一般:1450円 学生:1350円 シニア・小学生以下(3歳以上): 1200円 |
アクセス | 池袋駅東口 徒歩3分 |
公式URL | 新文芸座 |
全国のミニシアターが閉館の危機?
ミニシアターブームはいくつか紆余曲折を経ながらも2000年代までは、作品にも恵まれて続いてきました。ところが2010年代に入ると、若者達のミニシアター離れが進行したせいか、経営が振るわなくなったミニシアターが増えて来ました。
中には経営不振から閉館に追い込まれるミニシアターも出ました。もちろん、色々な工夫をしながらファンをつなぎ止めているミニシアターもありますが、残念ながら全国的に下降傾向なのは否めません。
ミニシアターは大手配給会社にはない良作を上映するところもたくさんありますので、閉館の危機を乗り越えて、これからも世界の良い映画を紹介してもらいたいものです。
ミニシアターで映画を楽しもう!
ミニシアターではロードショー館のような派手さはありませんが、映画好きの人ならば良さがわかる味わい深い映画が上映される可能性が多いです。しかも座席もゆったりとしており、音響設備も整っています。
本当に映画好きの人が定期的に鑑賞するなら、ミニシアターが向いているでしょう。まだ日本では知られていない名作を鑑賞できたら、ウンチクを語ることもできます。ミニシアターに行って心から映画を楽しんでみましょう。