モロッコの治安は注意が必要?観光や旅行で危険な場所を紹介
アフリカ大陸に位置するモロッコは、日本から遠くなかなか行ける国ではありません。しかし、9つの世界遺産があるモロッコには興味が尽きないものでしょう。モロッコを安全に観光するために、モロッコの治安や危険情報について紹介します。治安を意識した観光を徹底しましょう。
目次
モロッコへ旅行する前に知っておきたい治安状況
サハラ砂漠、古都メクネス、ヴォルビリス古代遺跡など名所が多々あるモロッコは、日本にいては体験できないことができる国です。バックパッカーにも人気があり、訪れた人の心に印象を深く刻みこむのがモロッコです。
モロッコは、新都市化などの経済発展や観光客数を増やす動きも見られ、多くの人に注目されています。しかし、日本人観光客が少ない国であることも知られています。
そのため、モロッコ旅行を計画したいと思っても治安などへの心配が出てくるでしょう。今回は、モロッコの治安や危険情報、安全に観光する秘訣などについて紹介します。
モロッコとはどんな国?
「モロッコ王国」が正式名称です。隣接国は西サハラ、アルジェリア、スペインです。アフリカ大陸の左上に位置し、ヨーロッパが近いことからヨーロッパとの交流が古くから行われています。
首都はラバト、最大都市はカサブランカです。人口は3.500万人を超えます。イスラム教が国教で国民のほとんどがイスラム教徒です。しかし、キリスト教やユダヤ教の信仰も許されています。
日本よりも面積が広く、壮大なサバクを持ち、世界遺産も2019年現在9つあります。建物や家の作り、インテリアなども注目され、日本でも「モロッコ風ネイル」や「モロッコ風家具」などが人気です。
モロッコの言語
モロッコの公用語は、アラビア語とベルベル語です。過去にフランスの保護領だったためにフランス語が話せる人もいます。教育はアラビア語とフランス語が使われることが多いでしょう。
また、スペインが近いためスペイン語が通じることが多々あります。日本語はほぼ通じませんが、都市部や一部の観光地では英語が通じます。観光地以外は英語も通じなくなるので言語に苦労することもあるでしょう。
ありがとうの「バーラッカッラーフィーク」や、値段を聞くときの「カムヘダ?」、OKを意味する「ワッハ」、さようならの「ビッサラーマ」などは覚えておくと便利です。
モロッコの通貨
「モロッコディルハム」という通貨が使われており、2019年11月現在、1モロッコディルハムは約11円です。アメリカドルやユーロは一部の高級ホテルでしか使えません。
そのため、モロッコディルハムへの両替は必須です。ただ、日本国内での両替は現在のところ行われていません。モロッコに到着したら空港で両替しておきましょう。
空港以外となると、銀行やホテル、両替所での両替が可能です。できるだけ到着したら早めに両替しておくと便利でしょう。
外務省発表によるモロッコの危険度
2019年11月現在、全域において危険レベル1がついています。モロッコでは、スリや恐喝の被害が出ているほか、テロの脅威があります。また、治安部隊との衝突やデモが行われることもあります。
モロッコの隣国アルジェリアや西サハラ、は一部危険レベル4があり、いずれもモロッコ側ではないにしろ治安が悪い国が隣にあるということには注意はしておくべきでしょう。
感染症の報告は現在ありませんが、はしかや風疹などには注意してください。また、アメーバ赤痢や腸チフス、狂犬病などの可能性もあるので、予防接種をして渡航することをおすすめします。
モロッコの治安が悪い危険な地域
モロッコの治安は、どこでも注意しなければならないのが基本です。全土に危険レベル1があることを忘れてはいけません。しかし、危険レベル1の中でもより治安が危険で注意が必要な場所もあります。
モロッコ旅行に行くと、観光として訪れたい場所も危険や注意を呼びかけられています。どのエリアの治安が危険なのか紹介します。
マラケシュ旧市街
旧市街地と新市街地に分かれるマラケシュは、旧市街地が世界遺産に登録されています。観光客も多く、クトゥビーヤモスクやバイーヤ宮殿などがあり見どころたっぷりの街です。
しかし、観光客を狙ってスリや置き引き、しつこい物売りの被害があります。2011年にはカフェの爆発事件も起きています。また、治安が悪い地域に行くと昼夜問わずに酔っ払いやシンナーをしている人がいて危険です。
フナ広場やマジョレル庭園、ムハンマド6世通りなどの治安が比較的良いエリアを観光してください。リヤドでの宿泊は料金が高くても治安が良いエリアで行いましょう。
プランス通り
マラケシュにある「プランス通り」ですが、フナ広場に繋がっている通りです。ここでは、刃物を持っている危険人物が潜んでいると言われています。刃物で狙われるのは主にスマートフォンです。
スマートフォンを出していると、刃物で脅されて盗まれることがあります。地元の人でさえ、この通りには注意しているため安易な気持ちで行かないようにしてください。
夜間のみではなく、昼間も治安に気をつけるようにしましょう。
メッラー
メッラーは、旧ユダヤ地区と呼ばれています。一番治安が悪い街と言われることもあり注意が必要です。ただ、ガイドブックなどにもメッラーのお店が紹介されているので訪れる人は多いでしょう。
気をつけるのは人が多い場所でのスリやひったくりです。中にはナイフで荷物を切って盗む人もいます。また、メッラーの住宅街は雰囲気も悪く治安も悪い場所です。
さらに、夜間のメッラーは歩かないほうがいいほど治安が悪くなるエリアです。アルコール中毒者や犯罪に手を染めようとしている人物が多くなり危険です。
モロッコでの観光客を狙った犯罪
日本人はどこの国にもいると思うのが日本人の感覚です。実は、モロッコではとても珍しいのが日本人です。そのため、思っている以上に目立ちます。そもそも、アジア人が目立つとも言われています。
さらに、日本人はお金を持っていながら平和な心があるため警戒心が少ないという考え方をされがちです。モロッコで犯罪をする人にとっては、狙いやすいと思ってください。
モロッコでは、観光客がどんな被害に遭いやすいのかまとめました。どこに注意すべきかも見ていきましょう。
スリ・置き引き
観光客が増えてきているモロッコでは、スリや置き引きが増えています。特に、観光地では狙われることが多く、外国人観光客をターゲットにスリや置き引きを繰り返している人がいます。
時には、刃物を使った窃盗もあり非常に危険です。モロッコを観光した日本人には、スリや窃盗、刃物を使われた経験をした人もいます。モロッコ国内では貧富の差がとても大きく問題になっています。
観光地以外でも、低所得層エリアが近い場所ではスリや置き引きの確率が高くなるでしょう。
ひったくり・強盗
歩いているとバイクで荷物をひったくられるという事件もあります。ひったくりは、日本人観光客が被害に遭っている犯罪の中でも非常に多い犯罪の1つです。観光地でも観光地を外れた場所でも起きています。
また、移動中に寝ていると荷物が盗られた事件もあります。さらには、現地の人に話しかけられ、無理矢理荷物を盗まれるという強盗も起きています。強盗事件では、被害者が骨折などを負う被害までに発展することもあります。
近年では、ナイフを持ち歩く強盗犯も多く、意識がなくなるまで暴行されて荷物を奪われるなど、危険度が増しています。
女性へのつきまとい行為
女性へのつきまといは、かなりしつこく行われるケースが多発しています。同じ人物から何度も声をかけられたり、宿泊先までつきまとわれたり、つきまといの結果強盗される事件もあります。
また、しつこいつきまといの結果、身体を触られる性被害にまで及ぶこともあります。このつきまといは、日本人女性が狙われやすく最初は優しく声をかけてくるところから始まります。
無視しても、とてもしつこく追いかけてくるのが一般的なので、大声を出すとか周りに助けを求める、きっぱりとした態度ではっきり断るなど意思表示をしてください。
詐欺
「食事をご馳走する」と声かけをされ、結果全ての支払いをさせられたという詐欺があります。また、「ガイド料はいらない」と言いながらお土産屋に連れていかれ多額の商品を買わされる詐欺もあります。
この場合は、お土産屋とグルになっているため必死で商品を勧めてくるでしょう。買わない場合は、「さっきのガイド料を払え」と要求されます。
買い物中やレストラン、タクシーでのぼったくり被害も多発しています。
モロッコ旅行を安全にするための注意点
危険情報を取り入れ、注意した観光をすることは、モロッコでの旅行を成功させる秘訣です。モロッコは本来ならとても魅力に溢れた国です。
その魅力を実感するためにも、モロッコ旅行を安全に行えるよう自ら注意していきましょう。モロッコが最高の国だったと言う旅行者もいるのです。
安全な旅行を心掛けるための注意点を紹介します。
人気のない場所へは行かない
観光地と言われる街でも、人気がない場所では一気に治安が悪くなります。犯罪が多発していたり、アルコール中毒者やシンナー中毒者もいます。
また、子供でも犯罪をすることがあるので気をつけてください。人気がない場所は夜間はもちろんのこと、昼間であっても行かないことです。
現地の人でさえ近づかない場所もあるので、ホテルの人やツアーリストに予め人が少ない危険なエリアを聞いておくといいでしょう。
荷物から目を離さない
貴重品は分散して持ち歩き、多くの現金を持たないことや信用できるホテルのセーフティボックスを利用することも大事です。荷物を持ち歩くときは、絶対に荷物から目を離さないでください。
荷物を持っての移動時はワイヤーロックを使用したり身体の一部と荷物を繋げる工夫をしてください。貴重品を持ち歩くときは、常に身体に荷物を密着させることがポイントです。
ショルダーバッグをかけたらバッグの上から一枚洋服を重ねるなどのように、バッグそのものが見えないようにすると良いでしょう。
歩きスマホはしない
スマホが狙われる犯罪が多発しています。スマホを持っていることが分かるとナイフを持った人物に強盗される可能性やスリの被害に遭う可能性も高まります。
また、歩きスマホをしていると、ひったくりの被害にも遭いやすいでしょう。荷物に対する集中力が薄れている証拠です。
スマホは、必要以上に触らないことや、バッグにすぐしまうことが大事です。場合によっては持ち歩かないようにしたり、海外旅行専用のスマホを持つようにしましょう。
露出の多い服は着ない
イスラム教のモロッコでは、女性は肌の露出が少ないと考えてください。カラフルなファッションのイメージもありますが、夏場であっても現地の女性は肌を露出していません。
露出をすることで行けない観光スポットもあるでしょう。また、露出をするだけで目立ち、つきまといのターゲットになることもあります。
派手な服装よりも、シンプルで動きやすい服装や、現地の女性に馴染むような服装を心がけてください。
親し気に近づく人に注意
親しげに話しかけてくる人は、詐欺で金品を巻き上げようと考えている可能性があります。また、女性に対してはつきまとい、身体を触る目的で近づいてくる人物もいます。
親しげに話しかけられたときは、冷静な態度をとり最初から距離を保つようにしてください。自分は話しかけられてもついていかないというアピールをするのが大切です。
曖昧な態度や、笑顔で心を許したような態度はとってはいけません。モロッコで親しげに話しかけてくる人は、とてもしつこいので一度受け入れると目的を果たすまで追いかけられると思いましょう。
ATMを利用する際は周りに注意
現地のATMを使用したときに、いつのまにか暗証番号を見られ、その後多額の現金を下ろされていたという事件があります。カードを次に使おうとしたところ使用できなかったことから事件が発覚しています。
現金は第三国で引き出されていたり、不正使用の形跡があったりと、いつの間にか行われるケースが多いため、すぐに気づくことができない犯罪でもあります。
ATMを使用するときは、必ず周囲を警戒し、安易に利用しないようにしてください。
モロッコを安全に楽しもう!
モロッコでは、一番警戒されているのがテロです。モロッコからシリアやイラクに行った人物が、モロッコに帰国したときにテロを起こすことも可能性としてあります。
そのため、テロ情報は常に見ておくべきです。また、スリや置き引き、強盗、ひったくりにおいては相手が刃物を持っていることが多くなっているため非常に危険です。
危険情報を把握し、安全性を高めたモロッコ旅行にしてください。モロッコは安全に旅行できる可能性がある国です。