尾瀬ヶ原(群馬)は標高1400mの高層湿原!日帰りハイキングを楽しもう
高層湿原が広がる尾瀬ヶ原は、群馬を代表する観光スポットとして長年愛されています。日帰りハイキングでも十分に楽しめる自然豊かな尾瀬ヶ原では、癒しを求める観光客が毎年集まっているのです。今回は、そんな尾瀬ヶ原のハイキングにすいて詳しく取り上げましょう。
目次
群馬県・尾瀬ヶ原で日帰りハイキングを楽しもう!
利根川が流れる群馬県は、豊かな自然が残る海に面していない希少な地域です。そんな群馬には、燧ケ岳の噴火によって噴火約1万年前に出現したとされる広大な湿原「尾瀬ヶ原」があります。
世界的にも貴重なこの湿原は、国立公園として保護されており、湿原から望める素晴らしい景色は多くの観光客を魅了し続けています。今回は、そんな尾瀬ヶ原を日帰りで楽しみたい人におすすめのハイキングルートを、紹介していきましょう。
尾瀬ヶ原周辺の観光スポットも取り上げるので、尾瀬ヶ原観光に関心がある人はぜひ参考にしてみてください。
標高1400mの高層湿原
尾瀬ヶ原は、世界的にも珍しい標高約1,400mの高さにある高層湿原です。そのため、湿原に設置されている木道からは、清々しい景色や希少な高山植物などを見て楽しむことができます。
新潟県と福島県にも属している尾瀬ヶ原では、900種類もの植物と出会える癒しの場所です。湿原を流れている小さな小川では、ヤマメやメダカといった今では生息数が少なく案ってしまった魚も観察できます。
尾瀬ヶ原コースは往復6時間30分程度
尾瀬ヶ原を日帰りで堪能したい場合は、往復約6時間30分のハイキングルートを辿ることをおすすめします。
ブナ林が広がる鳩待峠から牛首分岐の木道を進み、休憩スポットである竜宮十字路とスリリングなヨッピ吊橋、山の鼻を経由して木道に戻るコースが特に人気です。歩きやすい木道が続くルートなので、子供や年配の方と一緒でも尾瀬ヶ原の魅力を堪能できるでしょう。
また、このルートは臨機応変に全体の長さを変えることができ、コース途中に休憩できる場所が豊富にあるため、体力に自信が無い人にもおすすめです。さらに、尾瀬ヶ原の植物を間近でじっくり眺められるので、植物好きな人にもぴったりなコースと言えるでしょう。
尾瀬ヶ原日帰りハイキングの見どころ5選!
尾瀬ヶ原での日帰りハイキングでは、道中に気分をより盛り上げてくれる魅力的なスポットが多くあります。以下では、日帰りでの尾瀬ヶ原ハイキングで、ぜひ立ち寄りたいおすすめスポットを5つ紹介しましょう。
尾瀬ヶ原で注目すべきスポットを抑えておきたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
①鳩待峠
鳩待峠は、約1,600mの高さにある景色が素晴らしい峠で、尾瀬ヶ原のハイキングのスタート地点として最もよく利用されています。売店や駐車場、休憩所やレストラン、お土産店などの施設が充実しているため、常に多くの観光客が集まっているのえす。
レストランや売店では、キノコがたっぷり入った温かい絶品そばや、トウモロコシの優しい甘味が美味しいオリジナル饅頭などが人気です。
駐車場は広く入り口も整備されています。しかし、シーズン中には一般観光客のマイカーの駐車は不可能になるため、尾瀬戸倉から運行しているシャトルバスを利用しましょう。
住所 | 群馬県利根郡片品村戸倉字中原山898-25 |
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アクセス | 関越沼田ICから戸倉まで 戸倉からシャトルバスで約20分 総合移動時間約1時間30分 |
②山ノ鼻ビジターセンター
尾瀬ヶ原のハイキングコースの西に位置する「山ノ鼻」にある「山の鼻ビジターセンター」は、主に尾瀬ヶ原の自然の保護や情報発信などを行う施設です。館内ではスタッフから観光ルートの情報や観光のアドバイスなどを貰えます。
さらに、館内では展示にも力を入れており、尾瀬ヶ原の動物や植物たちだけでなく、希少や環境なども分かりやすく学ぶことができる楽しい展示品が並んでいるのです。
他にもスライドショーや尾瀬ヶ原を回る自然観察会なども頻繁に開催されているので、尾瀬ヶ原の自然について深く学べるでしょう。午前7時から午後6時まで営業しており、シーズン中は無休です。ただし、11月から5月中旬までは閉館しています。
住所 | 群馬県片品村戸倉中原山898-9 |
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アクセス | 鳩待峠から徒歩で約50分 |
③山小屋 尾瀬ロッジ
鳩待峠からハイキングをしていると、約1時間後に到着する「山小屋 尾瀬ロッジ」は、尾瀬国立公園の中にある至仏山の登山客からも長年愛されている宿泊施設です。全ての部屋から尾瀬ヶ原の清らかな景色を眺めることができます。
ロッジの目の前には、尾瀬ヶ原に生息する草花のほとんどが集まっている研究見本園があり、尾瀬の植物ファンからも人気です。木の匂いが漂うモダンで優しい雰囲気の館内では、地元産の鮎やマイタケなどを使った食事が楽しめます。
住所 | 群馬県利根郡片品村東小川540-1 |
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アクセス | 山ノ鼻ビジターセンターから徒歩2分 |
④牛首分岐の木道
山の鼻エリアからしばらく木道を進むと、尾瀬ヶ原で有名な分岐地点「牛首分岐」に到着します。龍軍分岐とヨッピ分岐に繋がる重要な分岐点で、看板の前で後ろの山を見返すと、山の形が牛の首の様に見えることから「牛首」という名がつきました。
可愛い木製の看板の横には、ベンチが整備されているためゆったりと休憩できます。幅約40cmという木道が続く尾瀬ヶ原の湿原には、座って休める場所が少ないので、貴重な休憩スポットとしても観光客から人気です。
住所 | 群馬県利根郡片品村 |
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アクセス | 山小屋尾瀬ロッジから徒歩約40分 |
⑤竜宮現象
尾瀬ヶ原の湿原の神秘性がよく現れている「竜宮現象」が起こる尾瀬の池も、ぜひじっくり観察したいスポットです。
3つの部分から水が流れ込んでいますが、どこにも池の水が流れていく部分が無い不思議なスポットで、そのミステリアスさと美しさから「竜宮現象」と呼ばれるようになりました。
水は地中に染みて流れ出ており、泥炭がたっぷり含まれている土によって綺麗にろ過された水は、反対側から湧き水となって出ているそうです。雪解け水がたっぷりと溜まる時期には、渦を作りながら水が地中に吸い込まれていく様子を見ることもできます。
池の近くにはベンチや小屋があり、その小屋はこの竜宮現象から「竜宮小屋」と名付けられました。小屋からは至仏山や燧ケ岳 といった雄々しい山の景色も楽しめるでしょう。
住所 | 群馬県利根郡片品村戸倉652 |
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アクセス | 牛首分岐から徒歩約45分 |
尾瀬ヶ原ハイキングでは尾瀬自然解説ガイドが人気!
尾瀬ヶ原のハイキングに挑戦する時には、広大な尾瀬ヶ原の湿原の自然がよく理解できる自然解説ガイドの活用をおすすめします。
ガイドには、尾瀬ヶ原の貴重な湿原を守る活動に長年取り組んできたベテランのボランティアスタッフが同行します。実際に6つのコースを歩きながら、自然に関する知識を深めることができるのです。
以下では、尾瀬ヶ原ハイキングをより思い出深いものとしてくれる自然観察ガイドの、具体的な申し込み方法や基本情報について、詳しく紹介しましょう。
ガイド実施日と料金
積雪量が多い湿原の尾瀬ヶ原の自然観察ガイドは、安全面を考慮し毎年残雪が減る5月の下旬から10月の中旬まで行われています。ガイドが行われない時期には、湿原内に多くの雪があり、冬季には吹雪になることもあるのです。
そのため、湿原での移動に慣れていない人には、ガイドが開催されている時期に尾瀬ヶ原に足を運ぶことをおすすめします。また、シーズン中は木道での混雑を緩和するため、祝日と週末もガイドは行われていません。
さらに、ガイド料金はコースによって微妙に異なりますが、大人1人の片道でのガイドの平均料金は約900円です。往復の場合は約1,200円となります。小学生以下の子供は無料なので、ぜひ親子で利用してみてください。
申し込み方法は?
- 尾添ヶ原の自然ガイドを利用するには、事前の予約が必要です。メールや申込用紙の郵送、ファックスなどで申し込むことができるでしょう。申し込みが完了した後には、確認の書類が代表者に郵送されるので、しっかり保管しておくことをおすすめします。
- ガイド料金は会津沼田街道の傍と山の鼻エリアにある2カ所のビジターセンターで、当日払いとなります。申し込み期限はガイド実施日から約20日前までとされているため、時間には余裕をもって申し込むようにしましょう。
- また、ガイドの開始時刻は午前7時30分から午前11時までの間です。
尾瀬ヶ原は水芭蕉や紅葉が見れるシーズンは?
多くの美しく貴重な草花と出会える尾瀬ヶ原では、毎年5月と9月に観光シーズンを迎えます。それぞれのシーズン中には、水芭蕉やニッコウキスゲ、荘厳な紅葉などが楽しめるのです。
以下では、高山植物のパラダイスである湿原「尾瀬ヶ原」の、観光シーズンについて詳しく紹介しましょう。尾瀬ヶ原の観光シーズンをしっかり把握しておきたい人は、ぜひ注目してください。
水芭蕉(5月~6月上旬)
尾瀬ヶ原の周辺の山々でも山開きが始まる5月中旬頃から、6月上旬までは尾瀬ヶ原にも国内外からの観光客が押し寄せます。湿原の雪解けのタイミングに合わせてシーズンが始まるため、降雪の状況によって毎年シーズン開始時期は微妙に異なるようです。
5月から6月にかけてのシーズン中の尾瀬ヶ原では、尾瀬をテーマにした有名な歌謡曲「夏の思い出」の歌詞にも登場する水芭蕉が湿原一面に咲き誇ります。寒さに強く、綺麗な水がある場所にしか咲かない貴重な花です。
実は、中心部分にある薄緑色の棒状の部分が仏炎苞と呼ばれる花であり、白い花びらと思われやすい部分は葉の一部とされています。
紅葉(9月下旬~10月上旬)
尾瀬ヶ原では、9月下旬から10月上旬にも観光シーズンを迎えます。鮮やかな赤と黄色に色づく草木たちによって、湿原は華やかな景色に変わるのです。 燧ケ岳と至仏山のダイナミックな紅葉も、思い出に残る景色となるでしょう。
この時期には、尾瀬ヶ原の湿原一面のエゾリンドウも開花し、木道周辺も鮮やかな紫色に変化します。エゾリンドウは日光に当たり温かくなると開花し、さらに華やかさ増すのです。
9月から10月のシーズン中のハイキングでは、ぜひ時折足元にも注目しながら紅葉を眺めてくてみださい。
尾瀬ヶ原へのアクセス方法・駐車場について
観光シーズン中は自家用車が規制される尾瀬ヶ原には、バスや電車でのアクセスをおすすめします。尾瀬ヶ原のハイキングの始点となる鳥待峠には、上越新幹線で「上毛高原駅」に向かい、路線バスに乗り換えるか、JR「沼田駅」からバスに乗る方法でアクセスできます。
- ただ、関東地域から尾瀬ヶ原に向かいたい場合は、JR高崎駅から鳥待峠バス停行きのバスに乗り換えるとよりスムーズに到着できるでしょう。
確実に日帰りで楽しみたい場合は、予約可能なバス尾瀬ライナーに上毛高原駅から乗り換えることをおすすめします。往復料金は約5,000円です。
- 鳥待峠には駐車場が完備されており、シーズンオフ中は自家用車も1日約2,500円で駐車することができます。車で尾瀬ヶ原に行く場合は関越自動車道を通り、沼田ICで一般道に降りましょう。尾瀬戸倉方面にまっすぐ進めば鳥待峠に到着します。
- シーズン中は戸倉の駐車場を活用し、戸倉から出ている鳥待峠行きシャトルバスを利用してください。
尾瀬ヶ原では日帰りだけではなく宿泊ツアーもおすすめ!
尾瀬ヶ原を時間をかけて散策したくなった人には、宿泊ツアーへの参加をおすすめします。
尾瀬ヶ原のハイキングルートの途中にある小屋やロッジに泊まり、尾瀬ヶ原の星空や早朝の爽やかで美味しい空気を味わえる宿泊ツアーでは、感動的な思い出が作れるでしょう。
お弁当提供サービスを行っている小屋が多いので、出立する日にも散策する時間をたっぷり作れます。ぜひ宿泊ツアーも体験してみてください。
尾瀬ヶ原の自然で日帰りハイキングを楽しもう!
希少な高所に位置する広大な湿原「尾瀬ヶ原」では、日帰りでのハイキングでも十分植物たちから癒されることができるでしょう。湿原がパノラマのように広がる光景を眺めれば、非日常的で不思議な感覚を楽しめます。
尾瀬ヶ原の大自然に興味がある人は、ぜひ今回紹介した情報を参考にして日帰りハイキングを体験してみてください。