セゴビア(スペイン)の観光地！世界遺産などおすすめスポットも紹介

スペイン中部の街セゴビアは、長い歴史の中で数多くの民族の支配を受け、さまざまな文化の影響を色濃く残す歴史の街です。セゴビア旧市街地とセゴビアの水道橋は、世界遺産に登録されています。

セゴビアは、カスティーリャ・イ・レオン州セゴビア県の県都で、首都マドリードの北西に位置し、マドリードからは日帰り観光ができるため、スペインでも屈指の人気観光地となっています。

歴史の街セゴビアは、世界遺産を始めいくつもの観光名所が目白押し。そんなセゴビアで、ここだけは絶対に外せない、定番中の定番、必見の観光スポットをご紹介します。

セゴビアのローマ水道橋（Acueducto Romano）は、紀元前1世紀頃のローマ帝国時代に造られた、スペインでもっとも巨大な水道橋です。この水道橋は、セゴビアの都市整備の一環であるとともに、ローマ帝国の権勢と支配の象徴として建築されました。

花崗岩を積み上げて造られたこの水道橋には、ローマ帝国の技術の粋が集まっています。橋脚部分はおろか、125か所もあるアーチ部分にも釘や接着剤は一切使われていません。

この水道橋は、幅は基礎部分でも2.4mしかないにもかかわらず、長さは728ｍ、地上からの高さが30ｍもあり、その高さから「悪魔の橋」とも呼ばれています。

セゴビアの水道橋は、ローマ帝国後のイスラム王国時代には、一部が破壊されてしまい使用ができなくなりましたが、スペインの黄金期を築いた女王、イサベル1世の命により修理され、20世紀にいたるまで長く使用されました。

1985年には世界文化遺産に登録され、現在はセゴビア観光の目玉として世界中から多くの観光客が訪れています。

ドレスの裾を広げた貴婦人のように、優美で気品ある佇まいから「大聖堂の貴婦人」ともよ呼ばれる「セゴビア大聖堂（Catedral de Segovia）」。かつてあった大聖堂が戦乱で破壊された後、1525年からおよそ250年の年月をかけて建築されたスペインで最後のゴシック様式の大聖堂です。

内部には、戦乱による破壊を免れ、旧大聖堂から移築された聖歌隊席やステンドグラス、中世ルネッサンスやカトリックの芸術品などが数多く残されています。中でも、フランシスコ・エランスの「聖母マリアのステンドグラス」は必見です。

セゴビア大聖堂は、セゴビアの中心地「プラザ・マジョール」に位置し、セゴビアでもっとも高台にあります。セゴビア大聖堂は尖塔に登ることもできるので、外観だけでなく、塔の上からのセルビアの街の眺めを楽むのもおすすめです。

ディズニー映画「白雪姫」に登場するお城のモデルとして有名な「アルカサル城（Alcazar de Segovia）」。高さ100メートルほどの天然の要塞ともいえる断崖の上に建てられています。

イスラム教徒が基礎を築いた要塞をもとに、12世紀にアルフォンソ6世によって改築されたアルカサル城は、表向きは跳ね橋以外に出入り口はありませんが、地下には秘密の通路があり、優美な外観とは裏腹に、敵の攻撃を避けるための入念な設計がそこここになされています。

豪華絢爛な内部では、さまざまな時代の多岐に渡る展示品を見ることができ、その華やかさは息をのむほどです。とくに「諸王の広間」は必見。

2012年には「世界の名城25選」にも選ばれたアルカサル城。見どころ、おすすめはたくさんありますが、美しい壁装飾で有名な、高さ80mのホアン2世の塔から眺める景色は圧巻です。

大定番の観光スポットのあとは、セゴビアの名所をご紹介します。ローマ水道橋や大聖堂、アルカサルなどの超有名観光スポットに押されて、後回しになりがちですが、こちらもセルビア観光ではぜひ訪れておきたいおすすめスポットです。

マヨール広場といえばマドリードが有名ですが、セゴビアにもマヨール広場があります。「Mayor」とはスペイン語で「大きい」という意味で、セゴビアに同じ名前の広場があっても不思議はありません。

セゴビア旧市街地の中心部にあるマヨール広場は、周囲に市庁舎やたくさんの飲食店が立ち並ぶ、セルビア市民の憩いの場です。スペインを統一に導き、スペインに繁栄をもたらした偉大な女王イサベラ1世が、即位を宣言した歴史的な場所でもあります。

有名なお菓子屋さんや、名物の子豚の丸焼きの専門店もあり、観光客がお土産を探すのにもおすすめの場所です。セゴビア大聖堂のすぐそばにあるので、絶好のフォトスポットとしても人気があります。

大聖堂やローマ水道の影に隠れて見過ごされがちですが、世界遺産の一角を担うサン・マルティン教会は、12世紀に建てられた美しい教会で、今も現役です。太陽の角度によって趣が変わるので、天気のいい日にはぜひ訪れてほしい、おすすめのスポットです。

中世の雰囲気が残る、教会前のサン・マルティン広場からは、セゴビア大聖堂を望むことができます。

「ラ・ベラ・クルス教会（Iglesia de la Vera Cruz）」は、1208年にテンプル騎士団によって建てられたと伝えられているロマネスク様式の教会で、12角形の珍しい建築様式が特徴的です。

「真の十字架」という意味を持つこの教会は、エルサレムの聖ヨハネ騎士団によって建てられたという説もあり、エルサレムの岩のドームと聖墳墓教会を模したのではないかとも言われています。派手さはありませんが、荒野にポツンと佇む教会は、凛とした美しさを称え、一見の価値があります。

美食の国スペイン。セゴビアにも美味しいものがたくさんあります。スペイン全土で食べられている、名物料理子豚の丸焼きもセゴビアが発祥。有名なお菓子屋さんもあるセゴビアは、グルメも楽しめるおすすめの観光地です。

人気のお店はたくさんありますが、地元でも評判が高い、とくにおすすめのお店はこちらです。

落ちついた雰囲気のレストランバー「バー・エル・シティオ（Bar Restaurante El Sitio）」。バーレストランですが、一日中混んでいて、人気のほどがうかがえます。料理はボリューム満点で、ステーキは一人では食べきれなほど。値段もリーズナブルで、地元の人にも人気のレストランです。

生後3週間の子豚を丸焼きにした「コチニージョ（cochinillo Asado）」は、スペインの名物料理ですが、セゴビアが発祥で、専門店もたくさんあります。ローマ水道橋のすぐわきにある「メソン・デ・カンディド（Meson de Candido）」は、コチニージョの老舗で、著名人も通う人気店です。

屋根には風見鶏ならぬ「風見豚」が飾られているので、こちらにも注目してみてください。

度にお土産はつきもの。あれこれ頭を悩ませるのも楽しみの一つです。世界遺産の街セゴビアには、たくさんのお土産が溢れていますが、セゴビアならではの、とくにおすすめの3品をご紹介します。

セゴビアでは、セゴビア名物の子豚の丸焼きにちなんで、子豚グッズがお土産として大人気です。とくに子豚のキーホルダーはバリエーションが豊富で観光客に大人気。日本のものとは一味違う、ユーモラスでキュートな子豚のキーホルダーは、誰にでも喜ばれること請け合いです。

ローマ水道橋は、何といってもセゴビア観光の目玉。ポストカードにキーホルダー、ハンカチ、メモ帳と、ローマ水道橋をモチーフにしたお土産グッズはいくらでもあります。定番といえば定番ですが、セゴビア土産にこれ以上ふさわしい物はありません。

世界中のワイン好きの注目を集めるスペインワインですが、セゴビアは実は隠れたワインの名産地で、ワイン通をうならせる名品をいくつも産んでいます。まだまだ知名度は低いですが、美味しいセゴビア産ワインは、ワインが好きな人へのお土産には最適です。

マドリードからの日帰り観光客も多いセゴビア。見どころ満載のセゴビアを効率よく観光するには、綿密な計画が欠かせません。せっかくのセルビア観光、見落とし、見逃しが無いようにしたいものです。

とはいえ、セゴビアはそれほど大きな街ではないので、午前中にアルカサル、ラ・ベラ・クルス教会を観光しつつ大聖堂、水道橋を見学し、午後はのんびりと旧市街地を散策するのがおすすめ。個人での観光が不安な人は、ツアーが一番です。ツアーなら、見どころ、おすすめスポットを余すことなく観光することができます。

最後に大事なことを一つ。セゴビアは起伏の激しい街なので、観光には歩きやすい履き慣れた靴が不可欠です。

マドリードとセゴビアはおよそ100kmの道のり。鉄道利用の場合は、マドリードの「チャマルティン（Madirid Chamartin）」駅からセゴビア アヴェ（Segovia Av）駅まで約30分です。駅から観光スポットまではバスを利用します。

バスの場合は、モンクロアバスターミナル（Moncloa）から長距離バスに乗車。セゴビアバスターミナル（Estación de Autobuses de Segovia）まで1時間半～2時間です。セゴビアバスターミナルからローマ水道橋までは徒歩約7分なので、セゴビア到着後すぐに観光したい人にはおすすめです。

かつては治安が悪く、公園に使用済みの注射器が散乱していたスペインですが、近年は安定しつつあります。セゴビアは、首都マドリードに比べると治安もよく、のんびりとした印象。もちろん観光地ゆえ、観光客を狙ったスリや置き引きは少なくありませんが、ほかの観光地に比べてとりわけ治安が悪いということはありません。

セゴビアもそうですが、長い歴史を誇るスペインは、ほかにも見どころがたくさんあります。あれもこれもと欲張っていると帰国が困難になるほどです。でも、せっかく来たからには、スペインの魅力を余すところなく堪能したいというのが本音です。セゴビアと並び世界遺産の街トレド。どちらも捨てがたい、スペインの観光名所です。

マドリードからのアクセスはどちらも悪くないのですが、個人旅行で両方行くのは至難の業。セゴビアとトレド、両方観光するなら、ツアーを利用するのがおすすめです。

マドリードから日帰りで行けるセゴビアは、ロマンティックなお城や大聖堂など、美しい建造物を現代に伝える人気のあ観光地です。それにとどまらず、セゴビアは、現代のスペインと中世を繫ぐ、歴史の舞台でもあります。

古代ローマ時代から現代まで、スペインの繁栄と発展を肌で感じることができるできるでセゴビア。歴史あるセゴビアで、悠久のときに思いを馳せてみませんか。