双体道祖神の意味や由来は?散策におすすめの観光スポットも紹介
路傍の神様として古くから親しまれている道祖神。単体で祀られていることが多いのですが、地域によっては、対になった「双体道祖神」が祀られています。双体道祖神とはいったい何なのでしょうか。双体道祖神の意味や由来、散策におすすめの観光スポットもご紹介します。
双体道祖神について解説!
一般的には単体で祀られる道祖神ですが、男女がペアになった双体道祖神もあります。2016年に大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』にも登場し、密かなブームとなっている双体道祖神。
一体どんな神様なのでしょうか。双体道祖神について、その意味や由来、特徴など詳しく解説していきます。双体道祖神を探しながらの散策にぴったりの、おすすめスポットもご紹介します。
双体道祖神とは?
双体道祖神という言葉を聞いたことはありませんか?双体道祖神は、「そうたいどうそじん」または、「そうたいどうそしん」と読みます。読んで字のごとく、男女がペアになった道祖神のことです。
道祖神は単体の神様と思われがちですが、中部から関東地方の長野、山梨、群馬、静岡あたるに多く分布し、神奈川や東北地方でも多数見られます。見かけるとちょっと嬉しくなる、双体道祖神について、その意味や由来をご紹介します。
そもそも道祖神とは?
双体道祖神の意味や由来を解説する前に、そもそも道祖神とは何なのかを、ご説明しておきます。道祖神とは、峠や辻、村境、三叉路などに祀られ、悪運や疫病を防ぎ、人々を守るとされている民間信仰の神様です。その歴史は平安時代にまで遡り、江戸時代から明治時代にかけて、最盛期を迎えました。
「塞の神(さえのかみ)」「道の神」とも呼ばれ、村や人々の暮らしを守る神様として、昔から親しまれてきた道祖神。のちには、交通安全、縁結び、安産の神様としても崇められるようになりました。形状は、自然のままの石であったり、石像であったり、石板であったりといろいろです。
双体道祖神の意味
では、双体道祖神とは、いったい何なのでしょうか。双体道祖神は、男女がペアになった二対の道祖神のことです。双体道祖神もまたほかの道祖神と同じように、道端に立ち、悪運や疫病を防ぐ神様ですが、男女が寄り添う姿から、やがて縁結びや安産の神様として信仰を集めるようになりました。
双体道祖神の歴史と由来
双体道祖神の発祥がいつだったか、詳しくはわかっていません。日本最古とされる双体道祖神が長野にあり、1500年代の年号が彫られていますが、実際にはもっと後の時代に作られたと考えられています。
双体道祖神は、「夫婦の仲がよければ、村は栄え、生活も安定する」という考えから、江戸時代に自然発生的に広まっていったようです。そして、そこにはモチーフとして天鈿女命(アメノウズメノミコト)と猿田彦命(サルタヒコノミコト)の夫婦がイメージされています。
双体道祖神の種類
道祖神は決まった形があるわけではなく、その形状は実にさまざまです。双体道祖神もまた、双体道祖神の数だけバリエーションがあるといっても過言ではないほどいろいろなパターンがあります。
双体道祖神の種類をいくつかご紹介しますが、このほかにも男が女の懐に手を入れているものや、キスをしているもの、いちゃついているものなど、エロティックな双体道祖神もたくさんあります。
型 | 特徴 |
添立型 | 男女が寄り添って立っている |
対面型 | 男女が向かい合っている |
並立型 | 男女が離れて立っている |
座型 | 女がひざまづいて男に寄り添っている |
合掌型 | 男女ともに合掌している |
握手型 | 男女が手を握り合っている |
肩組型 | 男女が肩を組んでいる |
抱擁型 | 男女が抱き合っている |
双体道祖神が見られるおすすめ観光スポット
ちょっとユーモラスで親しみやすい双体道祖神。双体道祖神巡りを趣味にしている人もいるほどです。双体道祖神を見てみたいと、興味が湧いた人のために、散策にもおすすめの、双体道祖神は見られる観光スポットをご紹介します。
長野県辰野町
日本最古とされる双体道祖神がある長野県辰野町。双体道祖神だけでなく、道祖神もたくさんあるので、道祖神探しの散策にはぴったりです。
長野県諏訪市
長野県諏訪町は、いろいろな種類の双体道祖神が見られるおすすめスポットです。徳利と盃を持った祝言型や、共に神職の衣装を身に着けた珍しい双体道祖神もあります。
長野県安曇野市
長野県の中でもとりわけ道祖神がたくさんある安曇野市。とにかくまとめてたくさん道祖神や双体道祖神が見たいという人におすすめのスポットです。
歴史ある観光スポットで双体道祖神めぐりを楽しもう!
最近では双体道祖神人気にあやかって、観光のためのにわか双体道祖神がいくつも見られますが、人々の信仰によって祀られた双体道祖神は、やっぱり一味違います。ぜひ、本物の双体道祖神を見つけに、歴史ある街や街道を訪ねてみてください。