コルドバ(スペイン)のおすすめ観光スポット！人気スポットやホテルも紹介

スペイン、アンダルシア州のコルドバは、8〜11世紀にかけてスペイン中南部を支配したイスラム王朝後ウマイヤ朝の首都でした。イスラム政権のもとで花開いた華麗な宮廷文化は、キリスト教徒によるスペイン奪還の後も維持され、現在でも両方の文化が入り混じったエキゾチックな雰囲気が保たれています。

スペインでも人気の観光都市コルドバで、歴史を体感しましょう。

コルドバには数多くの歴史的建造物があり、観光客を魅了続けています。ここでは、その中でも特に人気の観光スポットを6つご紹介します。

後ウマイヤ朝のアブド・アッラフマーン1世によって785年に建設された大モスクは、スペインのキリスト教徒による奪還（レコンキスタ）を経て、キリスト教の大聖堂に改築されました。

現在でもモスクだった頃の装飾がそこかしこに残っていて、2つの文化が混じり合うコルドバの象徴的な観光スポットとして人気です。

コルドバのそばを流れるグアダルキビール川にかかるローマ橋とその門であるカラオラの塔も、コルドバの多層的な歴史を知る上で重要な建造物です。

ローマ橋は、古代ローマがイベリア半島に進出した紀元前1世紀にかけられた橋です。現在の橋の大部分は、その後イスラム教支配の時代にかけかえられたものですが、それでも8世紀に遡ります。この橋に、12世紀ごろムワッヒド朝の君主によってカラオラの塔が加えられました。

塔は現在博物館になっています。

コルドバのアルカサルは後ウマイヤ朝の王宮として、8世紀から11世紀にわたって華麗な宮廷文化の中心でした。美しい庭園や洗練された大図書館が、1236年にキリスト教徒に奪還されるまで維持されました。

その後、スペインにおける最後のイスラム王朝であるナスル朝の最後の王ボアブディルが幽閉されたり、近代には刑務所として使用されるなど、歴史に翻弄されたアルカサルですが、現在ではメスキータと並ぶグラナダの人気観光スポットになっています。

アルモドバル門は市内西部にある14世紀に建設された門で、古くはユダヤ人街と旧市街を隔てる門でした。ユダヤ人はムスリム政権下で商人として重要視され、保護下に置かれていましたが、キリスト教の支配のもとでは迫害されるなど、歴史に翻弄されました。

また、コルドバ出身で第5代ローマ皇帝ネロの家庭教師でもあった哲学者セネカの銅像もあり、人気のフォトスポットとなっています。

プエンテ門はローマ橋を渡りきった場所にある、市内への正面玄関にあたる門です。コルドバの歴史建造物の中では比較的新しい建物ですが、それでも16世紀のルネサンス様式で、歴史を感じさせる風格です。

すぐ北のメスキータがイスラム時代の面影を残すムデハル様式なのに対し、プエンテ門は完全に西洋風の柱やアーチで構成されていて、コルドバの文化の変遷を一目で感じることができるおすすめのスポットです。

先ほどご紹介したアルモドバル門の少し南にあるのがコルドバのシナゴーグ（ユダヤ教の教会堂）です。中世の建物が保存されているシナゴーグはスペインでも数が少なく、貴重な存在です。

こちらの建物もイスラム文化の影響が色濃いムデハル様式で建てられていて、壁一面のレース細工のような装飾はため息が出るほどです。

1492年にスペインでユダヤ人追放令が出された後は、キリスト教の教会として使用されていましたが、現在では文化遺産として手厚く保護され、コルドバでも特に人気の観光スポットになっています。

重層的な発展を遂げてきたコルドバの町には、人気の観光スポット以外にも見所が数多くあります。ここでは、有名な観光名所とはちょっと違う、隠れた穴場スポットをご紹介します。

シナゴーグのすぐ東、同じ旧ユダヤ人地区にあるサン・バルトロメ教会は、14世紀にユダヤ教から改宗したこの地区の人々のために建設されました。

15世紀に増築された部分は、ムデハル様式（イスラムの影響を受けたキリスト教建築）の代表的な作例です。内部は幾何学模様の繊細な彩色タイルで装飾されていて、ユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教という複層的なコルドバの文化を体現する場所でもあります。

こじんまりとした教会ながら、壁のモザイク装飾がよく保存されていて、じっくり見ても飽きない美しさです。

メスキータのすぐ北にある「花の小道（Calleja de las Flores）」は、コルドバの旧市街の中でも最も美しい場所といわれています。大聖堂の裏のベラスケス・ボスコ通りを入って少し行ったところを右に曲がると花の小道です。行き止まりまで進むと、小さな噴水とお土産屋さんもあります。

家々のバルコニーには花が咲き乱れ、温暖なアンダルシア地方らしさを感じることができます。きた道を引き返すときが最も注目のポイントです。狭い路地の間に、先ほど通ってきたメスキータの鐘楼が見え、絶好の写真撮影スポットです。

イスラム王朝時代の邸宅がそのまま残る「カサ･アンダルシ」は、中世コルドバの雰囲気を感じられる人気のスポットです。12世紀に建てられたこの住宅は、イスラム教徒の邸宅を再現したもの。中庭を中心にしたイスラム教徒の暮らしを知ることができます。

内部には、イスラム圏からコルドバにもたらされた先進的な製紙法や、イスラム風書道についての展示をみることができる展示室につづき、中世の時代からそのまま保存されている壁のある中庭、毎日新鮮な花びらが浮かべられる美しい浴室と、視覚でも嗅覚でも楽しめる仕掛けがたくさんです。

ヨーロッパにいながらイスラムの魅力にも触れられる、コルドバならではの人気スポットです。

複雑な文化の重なりを楽しめるコルドバへの旅ですが、心配なのは治安や言葉の壁です。ここでは、治安がよく英語もOKで、しかも雰囲気の良い、おすすめのホテルを3つご紹介します。

メスキータのすぐ東にある「ユーロスターズ コンキスタドール」は、伝統的なパティオ（中庭）とモダンな内装を同時に楽しめる魅力的なホテルです。一部の部屋からはメスキータの外壁が見え、またホテル内には古いモスクの遺跡ををガラス越しに見学できるスペースがあり、夜にもプチ観光気分を楽しめます。

部屋にバスタブがあるのも、日本人には嬉しいポイントです。

「オテル オスペス パラシオ デル バイリオ」は、コルドバ市内の北部にある、16世紀に建てられた宮殿を利用した5つ星ホテルです。近くにはメルセー庭園などがある閑静な地区で、初めての滞在でも安心です。

コルドバの邸宅に典型的な、緑の美しい中庭では、毎晩コンサートが行われ、滞在期間中貴族のような優雅な雰囲気に浸ることができます。朝食でもスペインのおいしい料理を味わえます。

ちょっとリッチな旅をしたい方におすすめのホテルです。

コルドバの町の中心、テンディリャス広場に面した「コルドバ セントロ ホテル」は、どの観光スポットにも便利な立地の良さが魅力のホテルです。お値段も手頃で、近代的な内装も清潔感があって安心です。

観光地の中心にあるので、スタッフも外国人観光客に慣れていて、サービスや英語もバッチリです。便利でスマートな旅をしたい方におすすめのホテルです。

日本からコルドバに向かうのに一番便利なのは、マドリッドまで直通便を利用して行くルートです。マドリッドからコルドバまでは、鉄道でアクセスできます。

マドリッドからは、主要駅「マドリード・プエルタ・デ・アトーチャ駅Estación de Madrid-Puerta de Atocha」でスペイン国鉄RENFEの高速鉄道AVEに乗車し、「コルドバ駅Estación de　Cordoba」で下車します。約2時間で到着です。

地中海に面したアンダルシア地方にあるコルドバは、夏はカラッとしていて、冬の寒さも穏やかです。特におすすめのシーズンは、花が咲き乱れ、服装も軽装ですむ5月から9月です。冬は日本と比較しても寒さが穏やかですが、雨が降りやすいので観光がしづらい場合もあります。

アンダルシアの古都コルドバでは、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教それぞれの文化が混じり合い、今も共存しています。コルドバに数多く残る歴史的建造物で、スペインの文化の多層性を感じてみてください。