エドヒガン桜の開花時期は?特徴やおすすめスポットについても紹介
春と言えば満開の桜が見所となりますが、エドヒガンという品種の桜をご存知でしょうか?品種が多い桜の中でもエドヒガンは特に美しく、日本三大桜の1つに数えられています。今回はエドヒガンが見られる桜のおすすめスポットや、開花時期などの特徴を紹介します。
目次
日本三大桜の1つ「エドヒガン」について紹介!
桜が満開になると川沿いや公園の風景が一変し、景色も明るくなるので春から明るいスタートを切れそうです。それだけ桜は未来への象徴とも言える強い存在感を出しています。
桜の品種として最も有名なのがソメイヨシノですが、エドヒガンも評価が高いです。ただし、明治時代中期から全国的に植えられたソメイヨシノに対し、エドヒガンを見られる機会はあまりありません。
今回はエドヒガンの特徴や名前の由来、開花時期やおすすめスポットなどの情報を詳しく紹介していきます。エドヒガンとはどのような桜なのか、実際に花見に訪れる際の参考にして下さい。
エドヒガンの特徴
エドヒガン最大の特徴は葉が出る前に開花する事と、木に出ている枝から同時に多くの花を咲かせているという点です。木を全体で見ると見事な姿なので、ふっくらとした印象を持つ人も多いでしょう。
もう1つの特徴として寿命が長い事が挙げられており、樹齢2000年を超える神代桜などが有名な品種です。毎年の開花時期になるとその美しさから桜の写真集が出る程の人気ぶりです。
葉と花が同時に出る山桜は、葉が花より大きいので鑑賞用に向きませんが、エドヒガンは長寿なので枝が幾重にも張り出し、全ての枝から開花時期になると同時に開花します。そのため鑑賞用に適した山桜と言えます。
エドヒガンの名前の由来
エドヒガンザクラは漢字だと「江戸彼岸」と書きます。その由来は江戸時代、お彼岸の頃に花が咲くからだと言われています。古くから日本の野や山に自生した野生種のエドヒガンは、現代と同じく鑑賞用として日本人に愛されてきた桜です。
江戸の町が出てくる時代劇などを見ていると、春の風景の中には山野の芽が吹き始めた木々と一緒にエドヒガンの姿も確認できる事が多いです。それだけ古くから日本と密着してきた山桜の一種と言えるでしょう。
またエドヒガンはソメイヨシノの品種改良元、つまり母親に当たる品種の桜です。花びらが5枚で一重、薄紅色から白い色の花、花が多く咲き後から葉が出るなどの特徴はエドヒガンからソメイヨシノに受け継がれています。
エドヒガンの開花時期について
エドヒガンの開花時期は春のお彼岸頃であり、具体的な日数は多種より1週間から10日程早く開花時期が来ると言われています。春のお彼岸というと3月中旬頃ですが、暖冬の時期や地域によって多少の違いがあるので注意が必要です。
エドヒガンは日本三大桜の1つに数えられ、開花時期によっては多くの観光客が集まる事が予想されます。写真集まで出る程の人気がある桜なので、開花情報を見ながら混み合わないうちに花見に行きましょう。
エドヒガンの開花時期も九州・四国・本州と分布範囲が広く、桜の開花時期に合わせて南から北に追いかけている人もいる事でしょう。開花時期による時間の差もエドヒガンの魅力なので、観光としても楽しめるかもしれません。
エドヒガンの名所・おすすめスポット
続いてはエドヒガンの名所やおすすめスポットを紹介します。現在では見かける機会が少なくなりましたが、日本中にはエドヒガンの名所やおすすめスポットとされる場所は今なお多いです。
樹齢年数の高い桜の木ほど枝が折れる心配がある一方、市や町できちんと管理しているので安心して見られるのがエドヒガンの特徴です。地元の人はもちろん、遠くから観光で来る人の期待に応えるように丁寧に世話しています。
エドヒガンの特徴として元は野生種である事も挙げられており、周りが畑や野原といった自然溢れる環境も見所です。写真撮影も360度のパノラマとなるので、角度によっては印象が変わったりと、見学者を毎回楽しませています。
昼間におすすめ!
昼間に見るのがおすすめなエドヒガンの有名スポットを6つ紹介します。日本で最古・最大と言われるものや天然記念物に指定されているものなど、歴史的にも価値の高い木々が多いのも特徴です。
場所によっては信じられない立ち方をしていたり、見る人を圧倒する程の威圧感なので、一見の価値があります。昼だとエドヒガンの特徴である薄紅色の花もよく見えるので、花見の際は大いに盛り上がるでしょう。
【山梨県】山高神代桜
神代桜(じんだいざくら)は樹齢2000年を誇る、山梨県北杜市にある日蓮宗のお寺「実相寺」の境内にある日本三大桜の1つです。2000年間休む事なく桜の花を見せ続けているので、花見にはおすすめのスポットです。
枝が折れないように竹で支えており、それも神代桜と一体になって風情のある景色となっています。お寺の参拝客から神代桜の見学者まで多く訪れ、開花時期には非常に賑やかになるスポットです。
住所 | 山梨県北杜市武川町山高2763 |
電話番号 | 0551-42-1414 |
営業時間・定休日 | 4月上旬 |
アクセス | 【電車】JR日野春駅から車で約15分 【車】中央道須玉ICから約15分、中央道韮崎ICから約25分 |
駐車場の有無 | 有料(普通車400~500円、中型バス1000円、大型バス2000円) |
公式URL | https://hokuto-kanko.jp/ |
【岐阜県】淡墨桜
淡墨桜(うすすみざくら)は樹齢1500年以上を誇る日本三大桜の1つであり、現在は天然記念物に指定されています。薄墨公園内にある一本桜ですが、樹高が16.3m、幹の周囲が9.9mもあるエドヒガン桜の大木なので抜群の存在感です。
樹木は老朽化して幹が空洞化していますが、保護の甲斐あって現在では元気に花を咲かせています。淡いピンクのつぼみから満開になれば白に、そして散り際には淡い墨色になるのが特徴です。
住所 | 岐阜県本巣市根尾板所995 |
電話番号 | 0581-34-3988 (本巣市観光協会) |
営業時間・定休日 | 24時間営業 |
アクセス | 【電車】樽見鉄道「樽見駅」下車、徒歩15分 【車】東海環状自動車道「大野神戸IC」から約40分 名神高速道路「羽島IC」から約70分 |
駐車場の有無 | 大型バス: 30台 普通乗用車: 700台 |
公式URL | http://www.city.motosu.lg.jp/sight/usuzumi/ |
【富山県】向野のエドヒガン
向野のエドヒガンは富山県南砺市にある 、樹齢100年を超える大木です。以前は3本あったようですが、戦後になってから2本が伐採され、現在は1本だけが残っています。
田園風景の中に1本だけ立つ姿が美しい風景を作り、山田川の川面に映る光景も楽しめるのが特徴です。開花時期を迎えると夜にはライトアップされ、幻想的な桜と暗闇に映る逆さ桜を一度に楽しめるのが特徴です。
住所 | 富山県南砺市中尾 |
電話番号 | 0763-23-2016(南砺市農林課林政係) |
営業時間・定休日 | 4月上旬~中旬 |
アクセス | 城端線「城端駅」から車で約5分 |
駐車場の有無 | なし |
公式URL | http://www.pref.toyama.jp/ |
【福島県】石部桜
福島県会津若松市の石部桜は、樹齢650年を誇るエドヒガン桜です。大河ドラマ『八重の桜』オープニングで登場して以来、全国から多くの観光客が訪れるようになりました。
開花の平均時期は4月上旬から5月上旬までとされ、周りが田んぼに覆われた絶景の中で楽しめます。樹木全体は10本の幹からなり、枝張りは20mにもなる見事な桜です。
住所 | 福島県会津若松市一箕町八幡石部 |
電話番号 | 0242-39-1251(会津若松市観光課) |
営業時間・定休日 | (営業時間)8:30~18:00 (定休日)年中無休 |
アクセス | 飯盛山市営駐車場より徒歩で約15分 |
駐車場の有無 | 飯盛山市営駐車場 |
公式URL | https://www.aizukanko.com/spot/628 |
【福島県】三春滝桜
福島県田村郡三春町にある樹齢1000年の三春滝桜は、別名「紅枝垂桜」とも呼ばれる日本三大桜の1つです。枝垂桜の姿が絶景となる高台の丘で大切に保護され、観光客をいつも楽しませています。
開花時期には四方に伸びた枝から薄紅色の小さな花を無数に咲かせ、まるで流れ落ちる滝のようです。その様子から「滝桜」と呼ばれるようになったとも言われています。
住所 | 福島県田村郡三春町大字滝字桜久保296番地 |
電話番号 | 0247-62-3960 (商工観光グループ) |
営業時間・定休日 | 4月中旬~下旬 |
アクセス | 【電車】JR三春駅から車で約20分 【車】磐越自動車道船引三春ICから約20分 磐越自動車道郡山東ICから約30分 |
駐車場の有無 | 滝桜大駐車場に850台(大型駐車可)の駐車が可能 【駐車料金】無料 |
公式URL | http://miharukoma.com/experience/183 |
【広島】森湯谷のエドヒガン
森湯谷のエドヒガンは広島の東城三本桜の1つであり、樹高約25mの天然記念物に指定されています。水田のあぜ道を進むと、山の斜面から森湯谷のエドヒガンが見えてきます。
開花時期になると夜にはライトアップされ、美しい夜桜を楽しめるのが特徴です。また水を張ったばかりの水田に見える逆さ桜も人気があります。
住所 | 広島県庄原市東城町森520-1 |
電話番号 | 0824-75-0173 |
営業時間・定休日 | 24時間営業 |
アクセス | 備後八幡駅から徒歩で40分 |
駐車場の有無 | 無料駐車場あり、15台まで駐車可能 |
公式URL | https://shobara-info.com/234 |
夜におすすめ!
続いては夜におすすめなエドヒガンのスポットを4つ紹介します。エドヒガンも含めて桜は春の日差しの中だと美しく見えますが、夜にライトアップされたエドヒガンもおすすめです。
満開時期にはふんわりとしたエドヒガンの花びらが暗い背景に浮き出し、幻想的な風景を楽しめます。満開時期の見頃となる短い期間に、エドヒガンの精一杯咲こうとするパワーに圧倒されるでしょう。
【岩手県】石割桜
石割桜は樹齢350年を超えるエドヒガン桜です。幹の周囲が4.2mあり、花崗岩を割って生えてきたように見える姿から「石割桜」と名付けられました。
落雷で割れた岩の間に種が入り込んだと推測されており、1923年に天然記念物に指定されました。24時間桜を楽しめるおすすめスポットなので、ライトアップは行われていません。
住所 | 岩手県盛岡市内丸9-1 盛岡地方裁判所敷地内 |
電話番号 | 019-604-3305 |
営業時間・定休日 | 24時間営業 |
アクセス | 盛岡駅から徒歩で20分 |
駐車場の有無 | なし |
公式URL | http://www.odette.or.jp |
【山梨県】わに塚のサクラ
山梨県韮崎市 にあるわに塚のサクラは、塚の中央にある1本のエドヒガン桜です。樹齢300年を誇るこのエドヒガン桜は、日本武尊の王子である武田王のお墓という説があります。
郵政省「さくらメール」のポスターや、『桜咲くまで』というテレビドラマのタイトルバックにも使われた有名なスポットです。満開時期にはライトアップされて幻想的な夜桜も楽しめます。
住所 | 山梨県韮崎市神山町北宮地624 |
電話番号 | 0551-22-1111 |
営業時間・定休日 | 24時間営業 |
アクセス | JR中央本線韮崎駅からタクシーで15分 |
駐車場の有無 | 駐車無料、桜の期間により臨時駐車場が100台あります。 |
公式URL | http://www.nirasaki-kankou.jp/ |
【三重県】春谷寺エドヒガン桜
三重県の春谷寺にあるエドヒガン桜は、樹齢500年近くと推定される立派な樹木です。地元の保存会によって保護され、天然記念物に指定されています。
平均的な満開時期は3月下旬から4月上旬とされており、ライトアップもこの時期に楽しめます。昼夜問わずエドヒガンの美しさを楽しめるおすすめスポットです。
住所 | 三重県松阪市飯南町向粥見 |
電話番号 | 0598-32-2511 |
営業時間・定休日 | 3月下旬~4月上旬 |
アクセス | 松阪駅からバスで40分 |
駐車場の有無 | あり |
公式URL | https://hanami.walkerplus.com/detail/ar0624e60354/ |
【徳島県】吉良のエドヒガン
吉良のエドヒガンは、樹齢400年の丘に立つ立派な桜です。徳島県では最大級の桜とされ、県の天然記念物にも指定されています。薄紅色の花が咲く様子は「女神が宿っている」と言われる程に美しいです。
ライトアップは日没から23時まで続き、夜空に浮かぶエドヒガンが見所です。丘の緩やかな斜面に立っているので、ライトアップ時には下から見上げると、夜空との美しいコラボレーションも楽しめます。
住所 | 徳島県美馬郡つるぎ町貞光字吉良679 |
電話番号 | 0883-62-3114 |
営業時間・定休日 | 3月下旬から4月上旬 |
アクセス | 徳島自動車道美馬ICから約25分 |
駐車場の有無 | なし |
公式URL | https://www.town.tokushima-tsurugi.lg.jp/docs/3454.html |
フォトスポットとしてもおすすめなエドヒガン
エドヒガンが花を咲かせる様子は実に美しく、フォトスポットとしてもおすすめです。エドヒガンが満開時期を迎えそうになった時は、是非足を運んで下さい。
花を咲かせてから散るまでは短い時間ですが、画像や写真として残せば一生の思い出になります。春には写真撮影も兼ねて、エドヒガンの観光に行きましょう。
エドヒガンにちなんだ名物和菓子を紹介!
春に人気の和菓子と言えば、エドヒガンなど桜をイメージした桜餅です。実は桜餅の味付けは、関東風と関西風の2種類がある事をご存知でしょうか?その違いを簡単に説明しましょう。
関東風ではもち米をそのまま使うのに対し、関西風では「道明寺粉」というもち米を挽いたもので作っています。そのため関西風の桜餅は「道明寺餅」とも呼ばれているようです。
エドヒガンを見に行く際は、桜餅を花見のお伴として購入するのがおすすめです。2種類の桜餅を購入し、食べ比べてもいいかもしれません。
今年の春にはエドヒガンを探してみよう
エドヒガン桜の特徴や名前の由来、開花時期やおすすめスポットについて紹介してきました。エドヒガンは野生種なので見かける機会は少ないですが、ソメイヨシノなど養殖種にはない美しさが特徴です。
エドヒガンを探す際は木に葉だけだと目立ちにくいので、満開時期を狙って探してみて下さい。ライトアップ時は昼とは違う魅力があり、エドヒガンの奥深さに気付くかもしれません。今年の春はエドヒガンを見つけ、素敵な思い出として残しましょう。