モルゲンロートとは?登山用語の意味や現象がみられるスポットを紹介
モルゲンロートはドイツ語で、数ある登山用語の一つです。これから登山を始めようとする人にとっては、ぜひとも知っておいていただきたいおすすめの用語です。そんなモルゲンロートの意味や語源、モルゲンロートが見られるおすすめの人気スポットをご紹介致します。
目次
モルゲンロートとは何?意味や語源を解説!
「モルゲンロート」という言葉を聞いたことがありますか。日常では耳にする機会があまりありませんね。しかし、登山に興味がある人にとっては、すでにおなじみの言葉です。
この記事では、モルゲンロートの意味や語源、モルゲンロートが見られるおすすめの人気スポットなどをご紹介していきます。
モルゲンロートとは?
知っている人にとっては決して珍しくないモルゲンロート。しかし、知らない人にとってはあまり耳慣れない言葉です。モルゲンロートはいったいどのようなことを意味するのでしょうか。
登山用語の一つ
普段あまり耳にしないはそれもそのはず。モルゲンロートは数ある登山用語の一つです。山に興味がある人や、これから登山を始めようとする人にとっては、あらかじめ知っておいていただきたいおすすめの用語です。
山の絶景の瞬間
モルゲンロートは、山が最も美しく見える情景の一つです。これから夜が開けようとする早朝に、東の空から太陽の光が赤く山肌を照らして、山脈や雲を赤く染める現象です。
その色はピンクがかった明るい赤い色をしていて、まるで美しい絵画を見ているかのような感動の瞬間を堪能できます。
一度でもその瞬間を味わってしまえば、多くの人がモルゲンロートのとりこになります。きっとあなたのその中に1人に仲間入りできるでしょう。
モルゲンロートの語源
モルゲンロートはドイツ語の「Morgenrot」で、直訳すると「朝」を意味する「Morgen」と「赤」を意味する「rot」が合わさった言葉です。
また、モルゲンロートは山脈が真っ赤に燃えるよう見えることから、「アルペングリューエン」とも呼ぶ人がいます。
アルペングリューエンもモルゲンロートと同じドイツ語で「Alpengluehen」という綴りになります。「アルプス」を意味する「Alpen」と、「燃える」を意味する「gluehen」が合わさってできた言葉です。
モルゲンロートが見られる場所①穂高岳のビュースポット
穂高岳のモルゲンロートが見られるおすすめ人気ビュースポットを3つご紹介致します。
人気の山小屋「涸沢ヒュッテ」
「涸沢ヒュッテ」は、上高地から登山で約6時間のところにある人気の山小屋です。槍ヶ岳のなどに向かうルートと分岐する横尾からは、3〜4時間ほどのところに位置し、山小屋とは言ってもとても大きくて立派な建物です。
氷河が押し出したモレーンの上に建つ涸沢ヒュッテは、穂高連峰のアクセスの要となる場所にあることで多くの登山者で賑わいます。涸沢ヒュッテがある場所は雪崩が多いため、営業シーズンは4月下旬~11月上旬頃以外の冬場は完全に閉鎖されています。
涸沢ヒュッテは規模が大きな山小屋のため、約180名の宿泊が可能です。個室が無く基本的には相部屋で、3名から12名が一つの部屋で寝泊まりします。消灯は21時ですが、混雑しているときにはなかなか寝付けないこともあるようです。
もし大部屋での寝泊まりが苦手な人は、レンタルテントがおすすめです。利用期間は7月中旬~10月11日までで、利用の際には事前の予約が必要です。
夏季の休日や紅葉シーズンはかなり混雑が予想され、良い場所からすぐに埋まってしまいます。涸沢の地面は石が多くゴツゴツしているので、早めに出かけることをおすすめします。涸沢にテントの花が咲く様子は、紅葉に負けず劣らずの美しい光景です。
涸沢ヒュッテに着いたら指定地にテント設営場所を確保します。そして、午後2時頃~5時まで、テント場中央にある受付へキャンプ届を提出してください。幕営料は、1人あたり一泊1000円です。
涸沢ヒュッテに宿泊したら早起きをして、穂高連峰が美しい赤に染まるモルゲンロートを堪能しましょう。徐々に朝日が昇り山を赤く染めていくその光景は、まるで大自然の壮大なショーを見ているかのようです。
小屋の周辺ではあちらこちらから歓声が上がり、美しいモルゲンロートをカメラにおさめるシャッターの音が聞こえます。日の出の時間は山小屋の人に聞けが教えてくれるので、あらかじめ確認しておきましょう。
住所 | 長野県松本市安曇4469-1 |
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電話番号 | 090-9002-2534 |
アクセス | 上高地から徒歩約6時間 |
公式URL | 涸沢ヒュッテ |
絶景の有名スポット「涸沢カール」
「涸沢カール」は、氷河によって削り取られてU字型をした深い谷を形成する、絶景の人気スポットです。両側から山が迫り来る光景は、圧倒的な迫力に満ちあふれています。
涸沢ヒュッテと同じく上高地から横尾へと向かい、涸沢ヒュッテに向かう途中にあります。涸沢カールを進んでいくと、前方には穂高連邦と涸沢ヒュッテが小さく見えてきます。
涸沢カールは、夏の穂高連峰への登山のベースとしても人気があるポイントです。登山のシーズンを迎えると多くの登山者で賑わいます。
標高約2300mに位置する涸沢カールには、夏にはシナノキンバイ、ハクサンフウロ、チングルマなどの珍しい高山植物に彩られ、まるで雲上の楽園にでもやって来たような美しい草花に包まれます。
秋にはナナカマドやダケカンバの紅葉が素晴らしく、まるで色とりどりの絵の具を散りばめたかのような、見事な光景が広がります。そして雪がある時期には真っ白な斜面に太陽光が反射し、あたかも光のトンネルの中を歩いているようです。
涸沢カールでは、穂高連峰をピンクのような明るい赤色に染める見事なモルゲンロートを目の当たりにできます。上高地からの登山道は整備され、それほどきつい傾斜はありません。そのため、健康な人なら誰でも気軽に登山が楽しめます。
しかし、きつくないとはいえ2300mもの高山へと出かけるので、あらかじめさまざまな情報を仕入れて、十分な装備と健康に気をつけることは言うまでもありません。
住所 | 長野県松本市安曇上高地 |
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電話番号 | ーーー |
アクセス | 上高地から徒歩約6時間 |
公式URL | 涸沢カール |
山頂の景色は圧巻!「北穂高岳山頂」
「北穂高岳山頂」は、北アルプスの南に位置する穂高連峰の最も北に位置する山です。標高3106mの険しい岩峰です。懐には、先ほどご紹介した涸沢カールを抱いています。
北穂高岳山頂へは上高地からは涸沢カールを抜けて、ハシゴやクサリなどの険しい道が続く場面にも遭遇します。したがって、初めて山を登ると言う人にはあまりおすすめできません。
美しいモルゲンロートを見るには、涸沢カールにある涸沢ヒュッテや涸沢小屋、北穂高岳山頂にある北穂高小屋に宿泊することをおすすめします。北穂高岳山頂からは、穂高連峰を赤く染めるモルゲンロートの圧巻の景色が堪能できます。
住所 | 岐阜県高山市安曇上高地 |
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電話番号 | ーーー |
アクセス | 上高地から徒歩約9時間 |
公式URL | 北穂高岳山頂 |
モルゲンロートが見られる場所②槍ヶ岳のビュースポット
モルゲンロートが見られる槍ヶ岳のおすすめ人気ビュースポットを2つご紹介いたします。
迫力満点の景色「常念岳山頂」
「常念岳山頂」は、北アルプス南部の常念山脈にある、標高2,857mのピラミッド型が特徴的な山です。日本百名山の一つに数えられ、晴れた日の常念岳山頂からは、槍が岳や穂高連峰などを望める360度の雄大なパノラマが広がります。
一ノ沢登山口からのルートは道幅が狭く、谷川には多くの草が生えていて見にくいので、滑落に注意しながら進んでいきましょう。一の沢登山口からなら、片道約5時間40分ほどなので、日帰りでも登山が楽しめます。
常念岳山頂でモルゲンロートを見るのに利用したい人気の山小屋をご紹介します。常念小屋は、日本百名山の一つの常念岳と横通岳の鞍部である常念乗越(のっこし)に建つ、大正8年創業の歴史ある山小屋です。
収容人数は200名と大きな山小屋で、常念岳へのアクセスはもちろん、常念岳での縦走の拠点としても活用できます。テント場が整備されていて、1人あたり1000円で利用できます。山小屋からの眺めは抜群です。
また、常念山脈最高峰大天井岳まで10分ほどの位置にある大天荘もおすすめの山小屋です。収容人数は200名、こちらの山小屋にもテント場があります。常念岳へのアクセスが良く、運が良ければライチョウの姿を見かけることがあります。
住所 | 長野県松本市安曇上高地 |
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電話番号 | ーーー |
アクセス | 一ノ沢登山口から徒歩約5時間40分 |
公式URL | 常念岳 |
息を飲む絶景「蝶ヶ岳ヒュッテ」
「蝶ヶ岳ヒュッテ」は、標高2677 mの蝶ヶ岳山頂から3分ほどの北側に位置する山小屋です。長塀尾根と常念山脈との分岐点にあり、山頂へのアクセスの良さが魅力です。
山小屋の南側にはキャンプ指定地があり、小屋の前の展望台からは、槍ヶ岳と穂高連峰を美しく染めるモルゲンロートの荘厳な風景が見られます。
住所 | 長野県安曇野市堀金烏川 |
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電話番号 | 090-1056-3455 |
アクセス | 三股駐車場から徒歩約5時間10分 |
公式URL | 蝶ヶ岳ヒュッテ |
モルゲンロートが見られる場所③後立山連峰・立山連邦のビュースポット
美しいモルゲンロートが見られるあと立山連峰・立山連峰のおすすめ人気ビュースポットを3つご紹介致します。
空気が澄んで美しい「白馬大橋」
「白馬大橋」は、白馬三山からの雪解け水が集まる松川にかかる橋で、白馬三山の人気ビューポントとして知られています。天気の良い早朝には、橋の上から美しい後立山連峰のモルゲンロートが眺められます。
橋の近くには駐車場はありませんが、白馬アルプスオートキャンプ場や倉下の湯に駐車が可能です。白馬大橋のたもとは松川河川公園として整備されているので、のんびりとくつろぐいではいかがでしょうか。
住所 | 長野県北安曇郡白馬村大字北城 |
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電話番号 | ーーー |
アクセス | 上信越自動車道「長野IC」から約47km |
公式URL | 白馬大橋 |
ピンクに染まる山肌に感動「五竜岳山荘テント場」
「五竜岳山荘テント場」は、日本百名山の一つに数えられる五竜岳と白岳の鞍部にある山小屋です。山荘にはテント場が併設され、夜明けには後立山連峰を赤く染める美しいモルゲンロートが堪能できます。
テント場は比較的平坦で、日々のスタッフの整備のおかげで綺麗に保てれています。しかし、五竜岳山荘テント場までの道のりは決して緩やかではありません。出かける際には余裕のあるスケジュールを組んで、十分な装備で出かけることをおすすめします。
住所 | 富山県黒部市宇奈月町舟見明日音澤 |
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電話番号 | 白馬館 0261-72-2002 |
アクセス | 白馬五竜スキー場最終リフト終点から 徒歩5時間30分 |
公式URL | 五竜岳山荘テント場 |
八方池に映る絶景「八方尾根」
「八方尾根」は、白馬連峰の唐松岳から四方八方に尾根が延びていることから、このように名付けられました。3本のリフトを乗り継いで行くスカイラインのその先には、逆さ白馬三山のモルゲンロートが水面に映るのが見られる八方池があります。
住所 | 長野県北安曇郡白馬村大字北城 |
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電話番号 | ーーー |
アクセス | 黒菱平リフト終点「八方池山荘」から徒歩約90分 |
公式URL | 八方尾根 |
モルゲンロートに似た登山用語「アーベンロート」の紹介!
モルゲンロートと似ている「アーベンロート」という登山用語をご紹介します。
アーベンロートとは?
モルゲンロートに似ている用語に、「アーベンロート」という別の用語があります。アーベンロートも同じ登山用語の一つで、夕日が赤く山肌や雲を美しく染める光景を指して言います。
いわゆる夕焼けのことではありますが、通常街中で見かける夕焼けとは異なった、太陽の夕日を浴びて山肌が美しい赤に染め上げられる、壮観な山の光景を目の当たりにできます。
アーベンロートは、モルゲンロートと同じくドイツ語の「Abendrot」です。「夕方」を意味する「abend」と、「赤い」を意味する「rot」が合わさった用語です。
モルゲンロートとの違い
モルゲンロートとアーベンロートは朝焼けと夕焼けの違いだけで、実際に見たことがない人にとってはどちらも同じに感じられるかもしれません。しかし、実際にそれらを目にした登山者によると、その二つには歴然とした違いがあるとのことです。
モルゲンロートは、どちらかいえばピンク色を帯びた明るい赤をしているようです。また、朝日ということもあり、新しい1日のはじまりといったような力強さが感じられると言います。
一方アーベンロートはモルゲンロートとは異なり、真紅の薔薇を思い起こさせる深い赤が特徴とのことです。そして、夕方という1日の終わりという気持ちも相まって、どこか物悲しい感情を思い起こさせられるという人もいます。
アーベンロートは、日帰り登山ではその魅力を堪能することは、時間的になかなか難しいです。アーベンロートを心ゆくまで楽しむのであれば、山小屋で一泊することをおすすめします。
実際に山で見る夕焼けは、街中で見る夕焼けとは一味も二味も違い、言葉には表せないほど美しく感動します。その際には、あらかじめ目当ての山小屋に宿泊の予約をしておけば安心です。
モルゲンロートの絶景を見に行こう!
モルゲンロートの言葉の意味や語源、モルゲンロートが見られるおすすめの人気スポットなどをご紹介致しました。モルゲンロートは、朝焼けを意味する登山用語の一つです。
太陽の赤い朝日に照らし出される山肌や雲の様子は、街中で見る朝焼けとは異なり筆舌に尽くし難い美しさです。その光景を目の当たりにすれば、これまで登ってきた辛さなど、あっという間に何処かへと吹っ飛んでしまうでしょう。
山に出かける際には、体調を整え十分な装備をしましょう。そして、モルゲンロートの絶景を心ゆくまで堪能しましょう。