すずらん群生地へ行こう!北海道や山梨などのおすすめスポットを紹介
日本にある主なすずらん群生地をご紹介します。北海道や山梨には、可憐な花が咲き誇るすずらんのおすすめスポットがあります。観賞用としてよく見かけるのはドイツスズランと呼ばれる品種です。日本の群生地にあるのは、日本すずらんと言って、観賞用とは異なるものです。
目次
可憐に咲くすずらんの群生地を見に行こう!
すずらんの群生地に出かけませんか。日本には、可憐な花を咲かせるたくさんのすずらんが自生する群生地があります。ぷっくらとした白く可愛い花を咲かせるすずらんが群生するその様子は、まるでおとぎの国に迷い込んでしまったかのようです。
この記事では、そんな日本各地にある代表的なすずらんの群生地のおすすめスポットを4箇所ご紹介致します。
おすすめのスポットの中から、あなたが出かけてみたいスポットを見つけて、可憐に咲くすずらんを目の当たりにしてみてください。
すずらんとは?
すずらんと言うと、あなたはどのような花を思い浮かべますか。知っているようであまり知らない、すずらんについてご説明いたします。
小さな花を房のようにつける花
すずらんは、スズラン亜科スズラン属に属する多年草の一種です。北海道、東北などの本州中部以北の寒冷地を中心に多く自生します。
地域により異なりますが、5月中旬以降の晩春の時期に見頃を迎え、ぷっくらと丸い形をし、純白のレースを施しているような小さい花を房のように咲かせます。
日本に自生するすずらんは葉が細く、花が伸びる高さが低いので、葉よりも低いところに葉に隠れるように咲きます。
一方、観賞用として栽培されている多くのすずらんは、ヨーロッパ原産のドイツスズランです。花の香りが強いのが特徴で、香水の原料にも利用されています。
葉の幅は広く、長さ15〜20cmほどにもなります。日本に自生するすずらんに対してドイツスズランの花は、葉の同じ高さかそれ以上の高さまで伸びて、釣り鐘形の花を下向きに咲かせます。
また、ドイツスズランの園芸品種であるピンクすずらんは、ほんのりと淡い桃紫色の花を咲かせます。一般的なドイツと比べると花の大きさがやや小ぶりです。
なお、エゾすずらんはこれまでのすずらんとは異なり、ラン科カキラン属の多年草です。別名青すずらんとも呼ばれています。
直立した茎は高さは30cmから60cmになり、茎の上の方に20個から30個の緑色の花を咲かせます。
国内では北海道・本州・四国・九州と広範囲にわたり自生します。花は7月から8月にかけての暑い時期に咲きます。
きれいな花だけど強い毒がある
すずらんは見た目はとても可愛く、可憐で美しい花を咲かせます。しかし、見た目の可愛さとは裏腹に強い毒性があります。
コンバラトキシン・コンバラマリン・コンバロシドなどの有毒物質は、花や葉などの全草にあり、特に花と根っこの部分に多く含まれています。
あやまって摂取した場合には、嘔吐、頭痛、眩暈、心不全、血圧低下、心臓麻痺などの症状を引き起こすことがあります。ひどい場合には死に至ることさえある強い毒性を有します。
見た目が山菜として珍重される行者ニンニクと似ていることから、それと思って食べてしまい中毒症状を発生する事例もあるとのこと。
また、間違って鈴蘭を活けていた水を飲んだだけでも中毒症状を引き起こしたり、時には死亡してしまった事例もあるようです。
山菜採りを楽しむ初心者の人は、専門の知識を持つ人と一緒に出かけるか、食べる際にはあらかじめ十分確認することが、身を守るためには欠かせません。
おすすめのすずらん群生地①「北海道平取町芽生の群生地」
最初のおすすめスポットは、北海道にある「北海道平取町芽生の群生地」をご紹介致します。北海道平取町芽生の群生地は、日本一の広さを誇る日本随一のすずらんの群生地として知られています。
日本一の広さを誇るすずらんの群生地
「北海道平取町芽生の群生地」は、平取町幌尻岳のふもとにある芽生(めむ)に自生します。なんとその広さは15ヘクタールで、すずらん群生地としては日本一の広さを誇ります。
北海道平取町芽生の群生地は、かつては無管理状態であったため、各地から多くの人たちが足を踏み入れていました。それにより群生地は荒れ、ここ平取町のすずらんは絶滅の危機に瀕しました。
そのため、絶滅に瀕したすずらんをなんとか回復させようと管理保護しました。そして、10年という長い歳月をかけて、元の自然の状態へと回復させることに成功しました。
自然の状態へと回復したすずらんの群生地は、現在では毎年5月下旬~6月中旬の約1ヶ月間にわたり一般公開されています。特におすすめの見頃は、6月に開催されるすずらん鑑賞会の時期です。
その時期になれば群生地を埋め尽くすように咲く、壮大かつ可愛いすずらんの様子を目の当たりにすることができるでしょう。
遊歩道が整備されていてデートにもおすすめ
北海道平取町芽生の群生地には、群生するすずらんを間近で鑑賞できるような遊歩道が整備されています。白樺の木立に囲まれる遊歩道から見る、白く可憐なすずらんの花の様子は、まさにおとぎの国の様です。
群生地にはバーベーキューコーナーが設置され、地元特産のびらとり和牛やびらとり黒豚が堪能できます。また、先着順で根付けすずらんがプレゼントされる、ご来場プレゼントなどの企画が催されます。詳しくはホームページなどで確認してみてください。
メインであるすずらんを鑑賞したり、これらの催し物などに参加しに、ぜひ、カップルや家族、親しい仲間たちと出かけてみてはいかがでしょうか。ちなみにすずらんは、平取町の町花でもあります。
北海道平取町芽生の群生地へのアクセス方法
最後に、北海道平取町芽生の群生地に出かける前にあらかじめ知っておいていただきたい、群生地へのアクセス方法などの基本情報をご紹介致します。
北海道平取町芽生の群生地へは、日高本線富川駅から車で約50分のところの、道道845、または道道638号線沿いにあります。途中の国道沿いには、群生地を案内する看板が設置されています。
先ほどご紹介した様に、北海道平取町芽生の群生地のすずらんの見頃は、毎年5月下旬~6月中旬の約1ヶ月間です。鑑賞できる時間は朝6時から夕方6時です。混雑を避けてすずらんを楽しむのなら、余裕を持って早めに出かけることをおすすめします。
住所 | 北海道沙流郡平取町字芽生 |
---|---|
電話番号 | 01457-3-7703(平取町 観光協会) |
営業時間・定休日 | 6:00~18:00 |
駐車場の有無 | 有り |
アクセス | 日高本線「富川駅」から車で約50分 |
公式URL | 北海道平取町芽生の群生地 |
おすすめのすずらん群生地②「芦川のすずらん群生地」
次にご紹介するおすすめのスポットは、山梨県に位置する「芦川のすずらん群生地」です。芦川のすずらん群生地は、東日本随一の規模を誇る日本すずらんの群生地として知られています。
東日本随一のすずらん群生地
「芦川のすずらん群生地」は、黒岳と釈迦ヶ岳の谷間にある、標高約1300メートルの森の中に位置しています。
芦川の日本すずらんの数は、約260万株にも及びます。これだけの数の日本すずらんが群生するのは全国的にも珍しく、東日本随一の規模を誇っています。そして、山梨県の自然記念物にも指定されています。
約2.6ヘクタールある敷地には、1周約20分の遊歩道が整備されています。すずらんのさわやかな香りに包まれながら、天然の白樺林や山野草が広がる森の中をのんびりと散策しましょう。
毎年5月にすずらんの里祭りが開催されている
芦川のすずらん群生地のすずらんの見頃は、5月下旬から6月上旬頃の約1ヶ月ほどです。この時期になると、毎年「すずらんの里祭り」が開催され、小さくて可憐なすずらんを一目見ようと、山梨県内をはじめ関東近辺から多くの観光客が訪れます。
すずらんの里祭りでは、山梨県の特産品の販売やそば・ほうとう打ち体験など、楽しいイベントの数々がおこなわれます。
すずらんが咲き乱れる時期を見計らって、ぜひあなたも参加してみてはいかがでしょうか。出かける際には、ホームページなどで詳しい内容を確認してみてください。
芦川のすずらん群生地へのアクセス方法
芦川のすずらん群生地に出かける前にあらかじめ知っておいていただきたい、アクセス方法などの基本情報をご紹介致します。
芦川のすずらん群生地へは、中央本線石和温泉駅からなら車で約45分、中央自動車道笛吹八代スマートインターチェンジからなら約30分で到着できます。
芦川のすずらん群生地には、第1から第3までの無料の駐車場が完備されています(すずらん祭りには有料になるとのこと)。ちなみに第1駐車場からすずらんの群生地までは、徒歩約5分でたどり着けます。
住所 | 山梨県笛吹市芦川町上芦川 |
---|---|
電話番号 | 055-261-2034 笛吹市市役所 |
営業時間・定休日 | 24時間開放 (見頃は5月下旬〜6月上旬) |
駐車場の有無 | ・JR中央本線「石和温泉駅」 から車で約45分 から車で約30分 |
アクセス | バス:12台 普通:50台 |
公式URL | 芦川のすずらん群生地 |
おすすめのすずらん群生地③「難台山のすずらん群生地」
3つ目にご紹介するおすすめスポットは。茨城県笠間市に位置する「難台山のすずらん群生地」です。
ハイキングコースにすずらんが咲き誇る
「難台山のすずらん群生地」は、愛宕山(標高 306m)から難台山(標高 553m)を経由して、吾国山(標高 518m)に至るまでの、吾国愛宕ハイキングコースに広がっています。
この吾国愛宕ハイキングコースは、比較的アップダウンが多く、とことろどころ足元が滑る箇所があるので、どちらかといえば健脚者向けのハイキングコースです。
出かける際には、たかがハイキングだからと言って甘く考えると辛い思いをするかもしれません。それなりの装備や準備をして、美しいすずらんを楽しみに出かけましょう。
もし、途中でハイキングを中止したいと考えたなら、上郷地区に下りることのできる道路もあります。したがって。あまりハイキングになれていない人は、自分に合ったコースが選べます。
難台山のすずらん群生地でのすずらんの見頃は、毎年5月上旬から中旬までの、半月ほどでの短い期間ではあります。しかしこの時期になれば、可愛いすずらんの花を咲かせる日本すずらんの様子を間近に見ることができます。
保護区域には入ることができない
難台山のすずらん群生地には、保護区域があります。そこには立ち入ることができません。しかし、保護区域外側でもすずらんが自生しているので、たとえ保護区域に立ち入らなくても間近で美しいすずらんを鑑賞することができます。
難台山のすずらん群生地へのアクセス方法
難台山のすずらん群生地に出かける前にあらかじめ知っておいていただきたい、アクセス方法などの基本情報をご紹介致します。
難台山のすずらん群生地へは、常磐線岩間駅から吾国愛宕ハイキングコースを利用して、約2時間ほどの道のりで到着できます。見頃は5月上旬から中旬にかけての短い期間です。出かける際には、最新情報を確認することをおすすめします。
ハイキングを楽しみながらすずらん鑑賞ができる、茨城県のおすすめスポットです。
住所 | 茨城県笠間市上郷(難台山一部) |
---|---|
電話番号 | 0296-72-9222 笠間観光協会 |
営業時間・定休日 | 見頃は5月上旬~中旬 |
駐車場の有無 | ーーー |
アクセス | 常磐線「岩間駅」から徒歩約2時間 |
公式URL | 難台山のすずらん群生地 |
おすすめのすずらん群生地④「男鹿山のすずらん群生地」
最後にご紹介するおすすめスポットは、すずらんの原生地南限として有名な、広島県世羅郡にある「男鹿山のすずらん群生地」です。
すずらんの原生地の南限
「男鹿山のすずらん群生地」は、広島県世羅町大字青近に位置し、近畿以南の地にあるとても珍しい群生地です。そのため、すずらんの原生地の南限の地として知られています。
男鹿山(標高634m)の山頂に近い、標高620mから630mほどの北側斜面にあります。すずらんが群生するその範囲は、これまでご紹介してきた群生地の中でもとても小規模です。
町全体ですずらんを大切に育てている
世羅町では、このすずらん群生地を町ぐるみで大切に育てています。それもそのはず、男鹿山のすずらん群生地はたとえ規模は小さくても、すずらん群生地の南限であり、広島の天然記念物にも指定されている貴重な場所です。
男鹿山のすずらん群生地へのアクセス方法
男鹿山のすずらん群生地に出かける前にあらかじめ知っておいていただきたい、アクセス方法などの基本情報をご紹介致します。
男鹿山のすずらん群生地へは、JR福塩線「備後三川駅」から北へ約10km、尾道松江線「世羅IC」から車で約15分のところにあります。
車は男鹿山の麓までは行くことができます。しかし、駐車場が整備されていないので、できる限り乗り合いながら最小限の台数で行くことをおすすめします。男鹿山の麓からは、徒歩約15分で男鹿山のすずらん群生地にたどり着くことができます。
住所 | 広島県世羅郡世羅町大字青近 |
---|---|
電話番号 | 0847-22-5304 |
営業時間・定休日 | 見頃は5月下旬~6月上旬 |
駐車場の有無 | ・尾道松江線「世羅IC」から車で約15分 ・中国自動車道「三次IC」から車で約30分 |
アクセス | 2台 |
公式URL | 男鹿山のすずらん群生地 |
日本各地のすずらんの群生地に出かけよう!
日本にある主なすずらん群生地スポットをご紹介致しました。可憐な花を咲かせるすずらん。見た目はとても可愛いですが、体に害を及ぼすほどの毒性も持ち合わせています。
日本には、そんな美しいすずらんが咲き誇るおすすめスポットがいくつか存在します。5月から6月の見頃を迎えたら、ぜひご紹介してきた群生地へと足を運んでみてください。