餃子の王将と大阪王将の違いや関係は?店舗数はどっちが多い?
餃子と言えば王将、と言われるほど人気も知名度も高い中華料理のチェーン店である「餃子の王将」ですが、「大阪王将」という同様のチェーン店とよく間違えられることがあります。「餃子の王将」と「大阪王将」にはどんな違いがあるのでしょか。この記事で詳しく解説します。
目次
餃子の王将と大阪王将って同じじゃないの?
日本でも中華料理は人気ですが、数ある中国料理の中で、日本人が愛して止まない人気料理は、チャーハン、ラーメン、そして餃子です。中国から日本に餃子が伝わったのは、まだほんの100年くらい前のことで、日本における餃子の歴史はそれほど古くはありません。
しかし餃子の人気度と普及率は、中国を圧倒しています。そんな日本の中華料理好きに目を付け、現在多くの中華料理店が日本で営業をしています。数ある中華料理レストランの中にあって、常に人気と知名度で圧倒し続けるのが「餃子の王将」です。
多くのお客が足繁く通う人気中華レストランである「餃子の王将」ですが、よく目にする中華レストランには、似たような看板が掲げられているものがあります。
それが「大阪王将」です。「餃子の王将」と「大阪王将」はどんな関係にあるのでしょうか。
餃子の王将とは?
「餃子の王将」と「大阪王将」の違いを考えるため、まずそれぞれの中華レストランについて紹介します。
初めは「餃子の王将」です。今や日本全国にチェーン店を持つ「餃子の王将」ですが、どんな歴史を経て今日の巨大チェーン店への階段を駆け上がって行ったのでしょうか。
1967年に創業
1967年のクリスマスイブの日に、創業者である加藤朝雄氏が、記念すべき餃子の王将第一号店をオープンしました。店名にもなっている「王将」の由来は、創業者加藤朝雄氏が将棋好きだったため、と言われています。
1974年には直営店15店舗、フランチャイズ3店舗を持つに至り、この年に株式会社「王将チェーン」が設立されます。
1970年代後半には東京に進出しさらなる拡大路線を続けます。その後バブル崩壊と同時に大きな危機を迎えますが、大東隆行氏が4代目社長に就任し、会社の舵取りを任されます。
餃子の王将はその後、着実に業績を伸ばし、バブル崩壊当時は470億円の負債を抱えていましたが、3年後の2003年には負債を全て完済しました。
大東氏の巧みな手腕が功を奏し、その後も安定した成長を続け、売上高781億円、従業員2,203人を抱える大企業へと成長しました。
本店は京都の四条大宮
餃子の王将の本店が置かれているのは、京都市の四条大宮で、1967年に餃子の王将第一号店がオープンした場所です。2009年9月24日に本店はリニューアルオープンしました。
しかし今でもこの本店が、餃子の王将発祥の地であることを示す石碑はそのまま大切に保存されています。
店舗数
餃子の王将は1967年の1号店オープン以来、少しずつ店舗を増やし、2017年には台湾に直営2店をオープンさせ、さらなる海外進出の足がかりとしました。
現在餃子の王将は、直営店とフランチャイズ店を含め736店舗を展開しています。2018年の時点で、青森、岩手、秋田、山形、福島、島根、宮崎、鹿児島には出店していません。
大阪王将とは?
次に「餃子の王将」ととかく勘違いされる「大阪王将」について紹介します。「大阪王将」の歴史を辿りながら、どのように中華料理チェーン店として成長していったのか、また「餃子の王将」とはどんな関係にあるのか、などを解説していきます。
1969年に創業
大阪王将は、1969年に創業しました。当初は餃子の王将のような中華料理チェーンレストランとして商いを始めましたが、翌1970年に業務形態を変更し、大阪初の餃子専門店チェーンとして再出発します。
1983年には100店舗を達成します。2000年に東京に進出し、それ以降日本国内だけでなく海外にも出店をし続けて行きます。
2004年には香港、2012年にはタイとシンガポール、2014年にはフィリピン、2015年にはミャンマー、2016年にはベトナムと台湾に、2017年にはインドネシアに店舗をオープンさせました。
餃子の王将をのれん分け
大阪王将が誕生したのは1969年ですが、きっかけは餃子の王将の創業者である加藤朝雄氏の親族である文野新造氏から、大阪を拠点として営業をしたいという要望があり、加藤朝雄氏はそれを了承し、餃子の王将からのれん分けと言う形で事業を開始したのが始まりです。
当初は共に「餃子の王将」という同じ看板を使っていました。京都の本家「餃子の王将」同様に、のれん分けされた大阪の「餃子の王将」も順調に店舗を拡大していきましたが、本家のある京都に、大阪「餃子の王将」が進出したため、京都の本家「餃子の王将」が、名称をめぐって裁判を起こしました。
その結果、大阪側は「大阪王将」を名乗ることで裁判は決着を見ました。
本店は大阪の道頓堀
現在大阪王将は全国展開をしていますが、本店が置かれているのは、大阪王将の元々の地盤であり、事業展開をしていた大阪の道頓堀です。2012年にリニューアルオープンしました。
道頓堀と言えば、カニ道楽のカニに代表されるように派手な看板が目を引きますが、大阪王将の本店も巨大な餃子オブジェが飾られ、一際目立つデザインになっています。
店舗数
日本国内だけでなく、アジアを中心に世界展開を図っている大阪王将ですが、2018年の時点で日本全国に484店舗を展開していました。
この時点までは、栃木県、滋賀県、山梨県への事業進出はまだされておらず、三重県からは事業撤退しています。またお隣の国韓国にも出店していましたが撤退をしています。
餃子の王将と大阪王将の違い【メニュー編】
ここまで、餃子の王将と大阪王将の歴史と、現在までの事業展開や店舗数を紹介しました。ここからは2つのお店の違いを取り上げます。
最初に取り上げるのは、お店で出される料理、つまりメニューです。どちらの会社も餃子をメインに事業を展開しているチェーン店なので、両者の餃子にどんな違いがあるのかを紹介します。
餃子の食感・味
餃子の王将と大阪王将の餃子の違いを以下の3つを主に取り上げて比較します。具、皮、タレの3つです。
餃子の王将 | 大阪王将 | |
---|---|---|
具 | 肉より野菜が多めで キャベツのサクサク感 とショウガの風味が特徴 | 肉の量が多くジューシー |
皮 | モチモチ感と弾力がある | 皮が薄くパリパリ感がある |
タレ | 酸味が少し強め | 酸味と甘みのバランスが絶妙 |
餃子の種類
続いて餃子の王将と大阪王将のメニューにある、餃子の種類を比較して紹介します。種類の面では、大阪王将に軍配が上がります。餃子の王将は2種類の餃子しかメニューにありませんが、大阪王将では6種類の餃子が楽しめます。
餃子の王将 | 大阪王将 | |
---|---|---|
餃子 | 餃子 にんにくゼロ生姜餃子 | 餃子 ぷるもち餃子 スープ餃子 スープエビ水餃子 白湯餃子鍋 炎の餃子鍋 |
他のメニューの特徴
続いて、餃子の王将と大阪王将の他のメニューの違いを比較して紹介します。種類は大阪王将の方が豊富です。
餃子の王将 | 大阪王将 | |
---|---|---|
蒸し物 | 肉シュウマイ 肉まん 小籠包 | 肉焼売 豚まん 小籠包 蒸し海老餃子 2種盛り 3種盛り |
野菜 | キムチ グリンサラダ コーンサラダ | ごはんがすすむキムチ 棒々鶏サラダ 蒸し鶏と揚げワンタンのサラダ ピリ辛もやしナムル |
焼きめし | 焼きめし キムチ焼きめし | 五目炒飯 本格キムチ炒飯 ガーリック炒飯 |
天津飯 | 天津飯 天津チャーハン | ふわとろ天津飯 ふわとろ麻坊豆腐天津飯 ふわとろ天津チャーハン |
ラーメン | 辛玉ラーメン ラーメン こってりラーメン チャーシューメン キムチラーメン ミソラーメン | 煮干醤油ラーメン 五目あんかけラーメン サンラータンメン 熟成とんこつラーメン 中華そば コク味噌ラーメン |
他麺類 | 五目そば 焼きそば ちゃんぽん 皿うどん | 五目あんかけ焼きそば もちもち太麺の炒め焼きそば ごちそうキャベツの大阪ちゃんぽん 四川担々麺 海鮮皿うどん |
一品料理 | 酢豚 甘酢の酢豚 ニラレバ炒め エビのチリソース マーボードーフ 八宝菜 かに玉 | 酢豚 肉団子の甘酢 ニラレバ炒め 海老のチリソース チーズ入り肉団子のチリソース 四川麻婆豆腐 八宝菜 ごちそうキャベツホイコーロー |
餃子の王将と大阪王将の違い【お店編】
餃子の王将と大阪王将の違いは、メニューやサービスだけではありません。お店そのもののデザインや店内の装飾も全く異なります。ここでは餃子の王将と大阪王将のお店の外見や店内の違いについて解説します。
看板のデザイン
餃子の王将の看板と、大阪王将の看板のデザインには、はっきりとした違いがあります。
大阪王将の看板にはバリエーションがありますが、基本モデルは白の背景に赤字で店名が記されています。とてもシンプルにまとめられています。
それに対し餃子の王将の看板は、「王将」の文字を強調するために背景を赤にすることにより白で書かれた「王将」の文字は際立たせ、その赤の背景を白、黄、水色で囲み、それ以外は白を背景にして赤で「餃子の」を書いています。遠くから見てとてもよく分かるデザイン性に優れた看板です。
店内のデザイン
では餃子の王将と大阪王将の店内の装飾にはどのような違いがあるのでしょうか。
餃子の王将の店内のデザインは、カウンターを挟んで厨房と食堂が分断され、照明も綺麗で明るく店内の明るさを保っています。昭和の大衆食堂を感じさせます。
それに対し大阪王将は、ファミリーレストランのようなモダンさがあり、照明をやや薄暗くすることにより落ち着いた雰囲気を作り出しています。
餃子の王将と大阪王将は仲が悪いの?
この記事ですでに紹介しましたが、大阪王将は餃子の王将からのれん分けをしてもらったおかげで独り立ちをして、大阪を中心に店舗を増やして行くことができました。
しかし大阪だけに留まれず、本家の餃子の王将がある京都にも進出して事業を拡大しようとしました。その結果本家の餃子の王将と衝突することになりました。
かつて裁判沙汰になったことも
餃子の王将は2つのサービスの異なる店舗が同じ「餃子の王将」を名乗ることを不服として裁判に訴えました。結果、大阪の「餃子の王将」は「大阪王将」と店名を変えることで一応の決着を見ました。しかし、その後さらなる火ぶたが切って落とされます。
2007年に、大阪王将が餃子の王将に対して、「王将」という商標権を餃子の王将側が侵害しているとして特許庁に審判を申し立てました。
すぐに餃子の王将側も大阪王将の親会社である「イートアンド」を相手取り、同じく特許庁に審判を申し立てました。裁判の結果はどちらにも有利なものではなく、結局和解をすることで決着を見ました。
良きライバル関係
ではその後餃子の王将と大阪王将の関係がどうなったのでしょうか。関係はさらに悪化し、泥の投げ合いにまで発展したのでしょうか。
大阪王将の広報担当によれば、大阪王将には食品メーカーと外食産業の2つの顔があり、外食産業の目標は「餃子の王将」であり、関東への出展数をさらに増やしていくことを力強く述べました。
つまり大阪王将と餃子の王将の現在の関係は「ライバル」であり、それも良きライバル関係にあるということです。互いに意識しつつ、それぞれの路線を進みながら切磋琢磨していくと言うのが両者の距離感であり、関係であることが分かります。
餃子の王将と大阪王将はどちらが人気?
餃子の王将も大阪王将もライバル関係を今後も続けながらさらなる店舗の拡大とお客が喜ぶ進化したサービスとメニューを提供してくれることを願いますが、現時点で多くの人はどちらの餃子店を指示しているのでしょうか。
この記事の最後に利用者の口コミを聞き、人気があるのがどちらなのかを紹介します。
Twitterの声
ではTwitterの口コミに耳を傾け、餃子の王将と大阪王将の利用者がそれぞれの餃子店にどのような評価を下しているのかに注目しましょう。
餃子の王将派
大阪王将派
各新しい展開で店舗数を拡大中
良きライバル関係にある餃子の王将と大阪王将ですが、今、両者は新しい展開で事業を拡大しようとしています。
大阪王将が発表した2019年3月期連結業績は、食品事業、外食事業共に増収増益で、特に冷凍食品を中心とした食品事業の売上高が初めて外食事業を上まわりました。
大阪王将は外食事業でも、向こう3年間で東京に出店し続け100店舗を目指すと意気込んでいます。対する餃子の王将は、ターゲットを女性に絞り、新しいスタイルの餃子店「GYOZA OHSHO」を2016年3月にスタートしました。
ゆったりとできるカフェ風店舗は女子会やデートにも使え大好評です。現在5店舗がオープンしています。
餃子の王将と大阪王将の異なる餃子やメニューをぜひ共に味わってみましょう!
餃子の王将と大阪王将は似ていますが、異なる中華チェーン店です。メニューも餃子の味も違いますし、サービスも異なります。
しかしどちらも私たちの味覚を喜ばせてくれます。ライバル関係にある餃子の王将と大阪王将のこれからを楽しみにしつつ、おいしい餃子を食べに両店舗に足を運ばせましょう。