札幌のイサムノグチが手がけたモエレ沼公園の見どころや場所を紹介!
北海道札幌市にあるモエレ沼公園は、彫刻家のイサムノグチが設計した有名な場所です。元々は廃棄物処理場ですが、イサムノグチの手で23年の歳月をかけて札幌を代表するアートパークとして生まれ変わりました。今回はモエレ沼公園の見どころや詳細な情報を紹介します。
目次
【札幌】イサムノグチが手がけたモエレ公園を紹介!
北海道札幌市にあるモエレ沼公園は、イサムノグチによるアートと自然が融合したユニークな公園です。他の公園では見られないような、斬新でデザイン性の高い要素が目を引きます。
桜や紅葉など四季折々の自然を感じられる点から人気が高く、県外からも多くの観光客が訪れている名所です。今回はモエレ沼公園の見どころや詳細な情報について解説しましょう。
モエレ沼公園とは?
モエレ沼公園は彫刻家のイサムノグチにより、廃棄物処理場が23年の月日をかけて生まれ変わった姿です。イサムノグチの手で公園全体が1つの彫刻作品として設計されている事から「大地の彫刻」と呼ばれ、高い人気を誇ります。
札幌の打ち出した「環状グリーンベルト構想」の一環として2005年にオープンし、自然豊かな緑に包まれているのが特徴です。また広大な敷地の中にポツンと置かれた作品達による違和感も見どころとされています。
イサムノグチってどんな人?
モエレ沼公園を設計したイサムノグチ(野口勇)とは、アメリカ・ロサンゼルス出身の芸術家です。イサムノグチはアメリカ人とのハーフであり、終戦後にインテリアデザインを中心に手掛ける事で有名になりました。
イサムノグチは1988年に亡くなってしまいますが、死後に知人が彼の遺志を引き継いだお陰でモエレ沼公園は無事完成しました。札幌には生前のイサムノグチが建造した「ブラック・スライド・マントラ」という遊び場も残されています。
【札幌】イサムノグチのモエレ沼公園の見どころ
モエレ沼公園は自然とアートの見事な融合が見どころとされるスポットです。これはイサムノグチのセンスによるもので、園内各所にはユニークなアート作品が置かれています。
自然を活かした環境設備も充実しており、野鳥との触れ合いの場となっている点も魅力的です。ここではモエレ沼公園の見どころについて紹介していきましょう。
自然とアートの融合
モエレ沼公園を訪れた際、必ず目に入るのがイサムノグチによるユニークなアート作品です。テトラマウンドなどは自然とアートが一体化した見た目であり、その見事な調和に思わず言葉を失ってしまいます。
ただの公園ではなく、自然とアートが融合しているのが他の公園と大きく異なる特徴です。園内の各所を巡りながら、イサムノグチが手掛けたユニークなアート作品を見て回りましょう。
公園全体がアート作品
モエレ沼公園は全体が1つの彫刻作品となっており、これはイサムノグチの考えによるものです。晩年に廃棄物処理場だった頃のモエレ沼公園を訪れたイサムノグチは、ゴミの舞い散る現場を見てショックを受けました。
その頃から園内にはイサムノグチのアート作品が増えていき、2005年に手掛けられた「海の噴水」の完成と共にグランドオープンしました。札幌のテーマと言える「環境と文化」をそのまま表現しているのかもしれません。
自然を活かした環境設備
モエレ沼公園のある伏龍川流域は、低平地のため過去に幾度も洪水被害を受けてきました。このためモエレ沼も北海道開発局による治水事業の一環として浚渫工事が行われ、洪水時のセーフティーネットとして利用されます。
現在では192万トンの一時雨水貯水池となり、周辺地区を洪水から守ってくれる頼れる存在です。また平成元年度からは禁猟区域となっており、30年以上に渡ってオオハクチョウやカモ類が住む水郷公園としても知られています。
【札幌】イサムノグチのモエレ沼公園で遊べるおすすめスポット
まずはモエレ沼公園内のおすすめスポットを3つ紹介します。いずれもイサムノグチの芸術センスが光り、遊び場としてもアート作品としても価値の高いものばかりです。
中にはユニークなデザインの遊具もあり、家族で揃って訪れる場合にもピッタリです。季節ごとのイベント会場としても利用されているので、時期を見計らって足を運びましょう。
札幌の街を一望「モエレ山」
モエレ沼公園で最も大きい造形物がモエレ山です。この山は人工的に作られたもので、不燃ゴミや土を積み上げる事で完成しました。高さ62.4mと低めであり、山登り初心者でも簡単に登れるでしょう。
コースはグルグルと回りながらなだらかな道を通るルートなど、計5つあります。どのコースを選んでも麓から山頂までは10分程度なので、あまり苦しくは感じません。頂上が展望台になっていて、街を一望できる絶景スポットとしても有名です。
遊具エリアも併設「サクラの森」
約1,900本もの桜の木が植樹されている場所です。その様子から札幌屈指の花見スポットとしても知られています。中にはユニークな形をした遊具もあり、家族連れで訪れる場合にもピッタリです。
また5月になると、「サクラツアー」という樹木管理サポーターによるサクラの森の案内イベントが実施されます。複数人や団体で楽しみたい人は、このイベントに参加してみましょう。うららかな空気の中で鳥達と出会えるかもしれません。
ピラミッドをイメージ「プレイマウンテン」
モエレ沼公園にはモエレ山の他に、「プレイマウンテン」というもう1つの山があります。元々はイサムノグチが1933年に提唱したものであり、60年近い歳月を経て初めて実現されました。
プレイマウンテンは高さ30mとモエレ山より低く、子供連れで山登りをする際にピッタリです。石段が99段ある見た目からエジプトのピラミッドを彷彿とさせます。独特な雰囲気からモエレ沼公園の芸術性を高めているという効果もあるようです。
【札幌】イサムノグチのモエレ沼公園でおすすめモニュメント
モエレ沼公園内にはガラスのピラミッドなど、いくつものモニュメントが展示されています。文化活動の拠点としても使われており、モエレ沼公園にとっては欠かせない場所でもあります。
一部のモニュメントには変わった物質を使っているので、角度によって風景が変化するのも魅力的です。青々とした芝生との組み合わせにより、平和な空気を堪能できるかもしれません。
美しい風景を映す「ガラスのピラミッド」
モエレ沼公園を代表するモニュメントです。文化活動の拠点となる施設でもあり、1年を通じて公園の風景と一体になった感覚を味わえます。建物に使われているガラスには「アトリウム」という物質を使っています。
ガラスのピラミッドはよく見るとピラミッド型の三角錐ではなく、三角面や四角錘に立方体を組み合わせた複雑な形状です。見る角度によって印象が異なるので、周りを一周してみるとその魅力に気付くかもしれません。
シンプルでダイナミック「テトラマウンド」
モエレ沼公園にある有名なアート作品の1つです。3本の円柱が互いに支え合うように設置されており、大きさも高さ13m・横65mとかなりのサイズを誇ります。
表面は光の当たり具合によって輝く仕様になっており、角度によって違う見方ができます。また青々とした芝生との組み合わせにより、モエレ沼公園の平和な空気を堪能できそうです。
舞台として使われる「ミュージックシェル」
テトラマウンドから近い場所にあるパフォーマンス用の舞台です。プレイマウンテンの正面に位置し、普段は石段に腰掛けながら楽しめるようになっています。実はイサムノグチの設計にはなかったものですが、遺品のスケッチや模型を参考に建造されました。
半球形の建物は反響版を兼ねており、内部には出演者用の控室やトイレが組み込まれています。他の人気作品も近くにあるので、テトラマウンドの近くを訪れた際はまとめて見学するといいでしょう。
【札幌】イサムノグチのモエレ沼公園で涼を感じるおすすめスポット
続いては夏におすすめなモエレ沼公園のスポットを3つ紹介します。海の噴水やモエレビーチなど水にちなんだものが多く、水しぶきによるダイナミックな動作が特徴です。
水場はどこも程よい浅瀬となっているので、お子さんを遊ばせる場合でも安心です。足をゆっくりと入れながら涼みましょう。
迫力満点の噴水「海の噴水」
モエレ沼公園の作品では最後に制作され、カラマツ林に隠れるように設置された直径48mの大きな噴水です。水しぶきが上がった後、うねりながら水面が引いていく様子は圧巻の一言です。
この水しぶきは海の嵐を表現していると言われ、涼し気な爽快感があります。40分のロングプログラムと15分のショートプログラムに分かれており、それぞれストーリーのような構成になっているのが見どころです。
ダイナミックな水の動作は「水の彫刻」と呼ばれています。生命の誕生や宇宙を表現するその姿は公園全体に息吹を与え、1日中飽きさせません。
楽しい水遊び場「モエレビーチ」
海辺をイメージして造られた子供達のための楽しい水遊び場です。遊歩道で囲まれたごく緩やかなすり鉢状の敷地の中央部には、イサムノグチの平面造形による浅い池が設けられています。
池の中心から湧き出した水は美しい波紋を描き、サンゴで舗装された水辺へと広がっていきます。今年は新型コロナウイルスの影響で閉鎖中ですが、夏になると大勢の子供で賑わうようになる人気のスポットです。
水と石の広場「アクアプラザ」
モエレ山とプレイマウンテンの谷間に位置する水と石の広場です。アクアプラザで静かに湧き出した水はカナールへと流れて、水深20~40cm程度の浅い水場を作っています。夏には足を入れてゆっくりと涼めるでしょう。
幾何学的な形態が随所に見られる一方、山の頂上から見下ろすと広場全体が園路で三角形に切り取られているのがわかります。イサムノグチが「地球の骨」と呼んだ石を利用し、芸術的な価値が高い作品としても有名です。
【札幌】イサムノグチのモエレ沼公園の詳細情報
ここではモエレ沼公園へアクセス方法や住所などの詳しい情報について紹介します。まず公園付近には電車が通っていないので、自家用車やバスの利用を意識するようにして下さい。
モエレ沼公園は広々とした敷地に遊具の数も充実しているため、子供連れで行く場合にも安心です。大規模イベント開催時に限り利用可能な駐車場もあるので、車で行く際はそちらもチェックしておきましょう。
モエレ沼公園へのアクセス
モエレ沼公園付近には電車が通っておらず、アクセス手段は地下鉄やバスを乗り継ぐのが主流となります。また自家用車を持っている場合は、高速道路を通って行くのもおすすめです。
タクシーという方法もありますが、モエレ沼公園に近付いたら運転手に東側ゲート(三角点通側)から入るように伝えましょう。そこからガラスのピラミッド付近まで直通で行けるようになります。
モエレ沼公園の基本情報
モエレ沼公園までのアクセスには、車だと札幌市街地または旭川・千歳方面から、地下鉄やバスなどの交通機関だと小樽または丘珠空港方面から行くのがおすすめです。
モエレ沼公園内には常時開放中の4つの駐車場に加え、大規模イベント時のみ利用可能な南口駐車場が用意されています。車でアクセスする場合はこれなら安心して利用できるでしょう。
住所 | 北海道札幌市東区モエレ沼公園1-1 |
電話番号 | 011-790-1231 |
営業時間・休業日 | 7:00~22:00 |
アクセス | 【東69】あいの里教育大駅行きバス乗車、モエレ沼公園東口にて下車 |
料金 | 無料 |
駐車場の有無 | あり |
公式URL |
モエレ沼公園近くのランチスポットを紹介!
モエレ沼公園の敷地内やその近くには、ランチスポットも充実しています。ひとしきり楽しんだ後は食事を楽しみ、疲れた体をリフレッシュさせましょう。
ここではモエレ沼公園から近い場所にあるランチスポットを3つ紹介します。どの食事も美味しいので、きっと満足のいく体験となるハズです。
ランファン・キ・レーヴ
ガラスのピラミッド内で営業中のレストランです。名前はフランス語で「夢見る子供」という意味があり、地元で採れた新鮮な食材を使い、新感覚のフレンチを味わえます。
店内からはモエレ山の壮大な景色を一望する事ができ、美味しい食事と美しい景色の両方を楽しめます。記念日など大切な日のディナーにピッタリですが、冬季休業なので足を運ぶ際は注意しましょう。
パニエ
ランチボックスやおにぎりセットなどのテイクアウトが専門のお店です。手頃な値段の料理が多く、モエレ山など人気スポットの近くでピクニックをしたい人におすすめです。
夏に入ると北海道産のミルクを使ったソフトクリームが販売され、老若男女問わず高い人気を集めています。こちらも冬季休業のため、4月から11月にかけて訪れるのをおすすめします。
ビハニ 東苗穂店
モエレ沼公園から少し離れている、本格的なネパールカレーの専門店です。モエレ沼公園からは車で10分程離れた距離にあり、比較的短い時間で食事に行けます。
注文の際はペーストタイプのカレーとスープカレーの2種類から選べます。特にスープカレーは札幌のご当地料理なので、一度試してみましょう。
ネパールカレーはスパイスがしっかりと効いており、日本のカレーとはまた違う本格的な味わいが特徴です。ナンのお代わりは無料となっているため、遠慮なく召し上がって下さい。
札幌のモエレ沼公園でイサムノグチの世界観を満喫しよう!
札幌にあるモエレ沼公園は、自然と芸術の見事な調和によるアート作品が豊富な場所です。イサムノグチの斬新でデザイン性の高い要素が目を引くので、札幌旅行の際は是非足を運んでみましょう。
園内には四季折々の自然が溢れており、県外からも多くの観光客が訪れています。モエレ沼公園の豊かな自然の中でイサムノグチの世界観を満喫してきて下さい。