マレーシアの治安は危険?クアラルンプールなど旅行で注意する点も解説
マレーシアは直行便で7~8時間で行ける国です。日本企業も進出しているため治安が良いイメージを持つ人も多いでしょう。マレーシアを旅行するにあたり、どういう危険があるのかなどの注意点を見ていきましょう。治安に注意したいエリアについてもまとめました。
目次
マレーシア旅行の前に知りたい治安状況
クアラルンプールの都会的な街並みや、世界遺産があるマラッカなど行きたいところを挙げたらキリがないマレーシアは注目度が高い国ですね。
観光だけでなく、リゾート地でゆっくりした時間を過ごすことができるのもマレーシアの魅力です。
今回は、マレーシア旅行において知っておきたい治安状況や危険情報などについて紹介します。
マレーシアとはどんな国?
マレーシアはイギリス連邦加盟国であり、ASEANにも加盟している東南アジアの国です。首都はクアラルンプールで、最大都市もクアラルンプールです。インドネシアやブルネイ、タイと隣接しています。
人口は約3000万人です。多民族国家であり、マレー系や華人系、インド系などの国民がいます。宗教はイスラム教が国教ですが、ヒンドゥー教や仏教、キリスト教を信仰している国民もいます。
イスラム教徒と結婚した場合、他宗教の人はイスラムに改宗しなければならない決まりもあります。そのため、マレーシアでは婚姻関係になる相手の宗教にも注目されます。
マレーシアの言語
マレーシアではマレーシア語が公用語です。しかし、英語を話す人もいれば華人は広東語などを話し、インド系はタミル語を話すことが多いでしょう。英語ができる現地の人はとても多いので旅行中は英語で問題ありません。
また、中国語も多く使われているため、中国語が話せる人もマレーシア旅行において言語で困ることはあまりないでしょう。
ただ、マレーシアの人は中国語での会話ができても読み書きができないこともあります。
マレーシアの通貨
マレーシアの通貨は、「リンギット」です。2019年11月現在の1リンギットは約26円です。日本で両替することも可能です。しかし、手数料が高いので、おすすめはマレーシアに到着してからの両替です。
アメリカドルやシンガポールドルを使うことはほぼできないので、必ずリンギットに両替しましょう。多く両替しすぎると日本円に戻すときに再び手数料がかかります。
使いきれるぐらいの金額を両替することをおすすめします。
マレーシアの現在の治安情報
マレーシアの治安は、2019年現在悪くありません。マレーシア全域において危険レベルがほとんどついていません。しかし、一部の地域では注意喚起が発生しています。
また、ヘイズという煙害が原因となる健康被害には注意しなければならないでしょう。現在は感染症の危険情報はありません。
しかし、デング熱やジカウイルス、はしか、風疹などの感染症には十分注意してください。感染症情報を確実に取り入れましょう。
危険レベル2の地域
サバ州東海岸のタワウ地域などに危険レベル2があります。危険レベル3の地域がとても近く、外国人の誘拐事件が起きています。
リゾート地として人気があるコタキナバルが近くにあるため、注意しなければなりません。海岸近くのレストランにおいて、襲撃事件が起きたりしています。
注意が呼びかけられている地域なので、危険レベル2の場所は旅行に向いていないと思ってください。
危険レベル3の地域
サンダカランやクナ、ラハ・ダドゥなどのサバ州東海岸やサバ州東側においては危険レベル3がついています。イスラム過激派による外国人を誘拐し身代金を要求する事件が発生しています。
また、サバ州の攻撃を計画していた人物が逮捕されたり武装集団に攻撃された船員が拉致や行方不明になった事件もありました。
この地域はフィリピンに近く、フィリピンを拠点に動いているイスラム過激派による事件が多発しています。この地域へは渡航中止勧告が出ています。
マレーシアの人気の観光地の治安は?
マレーシア旅行では、都会も自然も遺跡も楽しみたいと思いませんか?地域によって雰囲気が違うマレーシアには、人気の観光地があります。
多くの人が訪れる人気観光地の治安について紹介します。観光地でも危険があるのか見ていきましょう!
クアラルンプール
大型ショッピングモールやチャイナタウンなどがある東南アジアの世界都市の1つでもあるのがクアラルンプールです。ここでは、スリや置き引きの盗難事件や車上荒らしなどが多発してるので治安には注意してください。
また、ショッピングモールでISILによるテロ事件が発生しています。集合住宅において、日本人の女の子が誘拐未遂事件にも巻き込まれています。
クアラルンプールでは、命を狙われるような事件もあるため、危険レベルはついていないものの治安が良いとは思わずに行動したほうがいいでしょう。
ペナン
世界遺跡に登録されているジョージタウンやイギリス統治時代の名残があるペナン島は、マレーシア内でも治安がそこまで悪くないといわれる地域です。街並みが可愛く、ローカルの雰囲気も楽しめます。
しかし、注意したいのがスリや置き引きです。車の中の荷物も狙われるので注意してください。バイクによるひったくり事件も起きています。
また、この地域はヘイズの影響も大きいため、アレルギー症状などに注意しなければならないでしょう。
マラッカ
世界遺産になっているマラッカは、オランダ広場やセントフランスザビエル教会など建物が可愛い地域です。マレーシア国内においてとても治安が良い地域の1つです。
特に観光地となっているエリアの治安は他の地域の観光地と比べると圧倒的に良いと言われています。
ただ、荷物への警戒心や日本語や現地の言葉で親しげに話しかけてくる人には注意しましょう。
マレーシアで旅行者をターゲットにした犯罪
マレーシアには、在住している日本人もいます。また、日本企業が進出していたり日本へ留学を希望しているマレーシアの人への教育支援なども行っています。
そのため、日本人に優しい国と言えるでしょう。しかし、旅行者を狙った犯罪も起きています。
マレーシアで発生している旅行者狙いの犯罪や巻き込まれやすい事件について紹介します。
スリ・ひったくり
クアラルンプールなどの都会に限らず、どこであっても観光客を狙ったスリやひったくりがあります。空港や駅、ショッピングモールなどは特に気をつけましょう。
マレーシアには、屋台もあるので屋台街でのスリやひったくりにも注意してください。また、バイクに乗った人物が荷物をひったくることもあります。
さらには、グループ犯がターゲットを囲い込みながら貴重品を奪うという手口も使われています。ズボンのポケットに貴重品を入れていた場合は確実に狙われると思ってください。
置き引き
旅行者に声をかけたり、小さな子供を近づけたり落とし物をすることで違うところに意識を持ってこさせたときに置き引き実行する犯人がいます。
また、空港で手続きをしているときや、ホテルでのチェックインなどで荷物を少し離したときに置き引き被害に遭う観光客も出ています。
荷物だけでなく、スマートフォンなどの貴重品を置いていたら盗られた事件もあります。
路上強盗
パラン刀というナイフのようなものを使って強盗をする人物もマレーシアにはいます。武器を使って脅し、金品を差し出すしかない状況にするのです。
時には、身体の一部をパラン刀で傷つけられることもあるでしょう。強盗犯は、狙った旅行者が抵抗することで、容赦なくパラン刀で傷つけてくる可能性もあります。
路上強盗は夜間に行われることもあるので注意してください。
昏睡強盗
現地で初めて会った人物と仲良くなり、そのまま一緒に食事をすることで飲み物の中に睡眠薬を入れられて寝てしまい、寝ている間に貴重品を奪われるという事件もあります。
飲み物から目を離したり、トイレに行っている間に薬を入れられます。また、睡眠薬を入れた飲み物を勧めてくることもあるでしょう。
貴重品を奪われたのが分かったときには、相手からの裏切りに対する怒りも湧いてきますが、時間を取り戻すことはできません。
タクシーのぼったくり
タクシーにおいてのぼったくりは、マレーシアで頻繁に起きているトラブルの1つです。通常の料金よりも何倍も高く請求されます。また、運転マナーも悪く交通への不安も感じるでしょう。
タクシートラブルの中には、女性に対する暴行事件もあります。主に流しのタクシーを使うことで起きている事件です。
タクシー運転手に対しての危険意識も持ち合わせておく必要があるでしょう。
いかさま詐欺
現地で知り合った男女に家に招かれ、トランプでゲームをしたところ金品を要求されて奪われるいかさま詐欺がマレーシアでも行われています。
また、観光中に急に話しかけてきた人物がキャンペーンといってくじを引くように求めてきます。引いたくじは当たりで豪華景品がもらえるため事務所まで誘導されます。
事務所に着くと、景品がもらえるのではなく、景品をもらうための手数料や手付金として料金の支払いを求められるという詐欺もあります。
安全にマレーシア旅行するための注意点
マレーシアは、一部の治安が悪い地域を除くと、治安が安定している場所が多くあります。旅行前に、「比較的治安が良い」と聞いてくる人もいることでしょう。
しかし、安全な旅行は自分が注意することでできあがるものです。周りから聞いたマレーシアの治安情報だけに振り回されないようにしましょう。
安全な旅行をするために注意したいことを紹介するので旅行のときに意識してください。
夜の外出は控える
夜になると治安が悪くなる地域もあります。夜遅くまでお酒を飲んでホテルに帰っているところを強盗に狙われることも考えられるでしょう。
特にパラン刀を使った犯罪は夜間に出歩いている人を狙うことがあるので夜は外出を控えてください。単独行動はなおさら控えるようにしましょう。
パラン刀を持った人物が警察ともみ合い、射殺されたりなど日本にはあまりないトラブルもあります。
荷物から目を離さない
スリやひったくり、置き引きが多いマレーシアなので荷物管理を確実に行ってください。ひったくりに置いては、女性や高齢者が狙われることが多々あります。女性や高齢者は小さめの荷物にして犯人から見えないように持ちましょう。
チャックがついているバッグを使い、肩からかけて上から洋服を1枚重ねて盗まれないようにしてください。
しっかりと対策しておくと、犯人から隙がないと思われます。隙を作っていないことを態度でアピールするのも大事です。
知らない人の荷物を預からない
知らない人から荷物を預かると、荷物の中身が覚醒剤などの違法薬物であることが考えられます。また、銃器を運ばせられることもあります。
何も知らずにそのまま空港で荷物検査を受けると大変なことになるでしょう。知らない人に預かったと主張しても通らないこともあります。
荷物は自分のものだけにしてください。また、いつの間にか荷物の中に何か入れられていないかも確認したほうがいいでしょう。子連れの場合は子供の荷物もチェックしてください。
女性は露出を控えた服装をする
マレーシアは、イスラム教を国教としています。他宗教の人もいますが、できるだけ肌の露出を控えてください。女性が肌を露出していると目立ってしまい観光客であることもアピールしてしまいます。
また、女性に対する暴行事件も起きているので、肌が隠れる服装がおすすめです。サラっと羽織ることができるような上着を持っていきましょう。
肌を露出しないことは、虫よけや感染症の対策にもなるのでおすすめです。
現金をたくさん持ち歩かない
スリや置き引きなどの窃盗が多いマレーシアでは現金を多く持ち歩くのは危険です。路上強盗に遭ったときに、抵抗せずにお金を渡すときにも多くの現金があるとそれだけ奪われてしまいます。
そのため、最低限のお金だけを持ち歩いてください。1日50リンギットほどで十分足りると言われています。少しずつ小分けにして持ち歩き、何かあったときは最小限の被害に留まるようにしてください。
盗難だけでなく、自ら落としたり失くしたりすることも考えられるので最初から対策をとりましょう。
マレーシアの治安に注視して旅行しよう!
東南アジアでも治安が良いと言われているマレーシアですが、首都のクアラルンプールでも怖い事件が多々起きています。また、危険レベル3の治安がかなり悪い地域があるところもマレーシアの懸念材料でしょう。
しかし、治安に注意し、旅行者に遭いやすい犯罪に対しての対策をすることでトラブルのない旅行をすることも可能です。荷物に気をつけることや、知らない人についていかないことなどを徹底してください。
マレーシアはイスラム過激派の関係で治安が今後どうなるか分かりません。旅行のときには、その時の治安を毎回確認して治安による対策を怠らないようにしましょう。