雄別炭鉱(釧路炭鉱)・病院跡地は心霊スポット!過去の事故についても紹介
雄別炭鉱とは、かつて北海道釧路市に存在していた炭鉱のことです。現在、雄別炭鉱跡地は無人の廃墟となっていて、オカルトマニアの間で有名な心霊スポットになっています。雄別炭鉱の歴史や場所、心霊現象の逸話や実際に行く際の注意点などを紹介していきます。
目次
雄別炭鉱とは?
皆さんは、北海道にある「雄別炭鉱(ゆうべつたんこう)」をご存知でしょうか?
雄別炭鉱は、廃墟マニアの間で非常に有名な探検スポットです。廃病院などが森林地帯の中に放置されていて、「日本国内に何故このようなエリアが存在しているのか?」と絶句してしまうほど不気味な光景が広がっています。
そこで今回は、雄別炭鉱の歴史や場所、心霊スポットとしての逸話などを紹介していきます。北海道のアンダーグラウンドに興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
北海道釧路市に存在した炭鉱
雄別炭鉱は、1919年(大正8年)から1970年(昭和45年)まで北海道釧路市(合併前の旧阿寒町)に実在していた炭鉱です。釧路市にあったため、釧路炭鉱と呼ぶ方もいます。
現在でこそ世界のエネルギーの大半は石油によって賄われていますが、当時は「黒いダイヤ」と呼ばれていた石炭が最も重要な資源でした。
明治初期に作られた全国各地の炭鉱は日本経済発展に大きく寄与した存在であり、雄別炭鉱もその中の一つに含まれています。
かつて炭鉱町として栄える
その当時、雄別炭鉱は日本国内でもトップクラスの出炭量を誇っていました。周辺には炭鉱従事者の住居だけでなく、病院・学校・映画館など様々な施設も作られました。
やがて雄別炭鉱のあった阿寒町は、一万人以上の人々が共に生活する炭鉱町として大いに栄えるようになりました。
現在の雄別炭鉱周辺に広がる廃病院や無人の建物は、全てその名残です。当時阿寒町で生活していた方々は、まさか自分たちの住む町が後に心霊スポットの廃墟になるなど夢にも思わなかったことでしょう。
雄別炭鉱の歴史
かつて日本有数の炭鉱町として栄えた雄別炭鉱は、なぜ無人のゴーストタウンと化してしまったのでしょうか?
ここからは、雄別炭鉱の歴史について紹介していきます。
1923年から炭鉱の操業を開始
雄別炭鉱は、後に東京機械製作所の経営者となる芝義太郎氏が1919年(大正8年)に設立した北海炭礦鉄道株式会社(雄別炭礦株式会社)によって管理されていました。
1923年(大正12年)に鉄道が敷かれ、本格的に炭鉱操業がスタート。
翌年の1924年(大正13年)には経営難をきっかけに三菱鉱業に買収されましたが、以後は三菱財閥系の炭鉱として発展を遂げていきました。
事故が多発
日本屈指の石炭産出地だった雄別炭鉱が衰退した理由は、炭鉱内で頻発していた事故が原因です。
敷地内を掘り進む炭鉱業は危険と隣り合わせの仕事であり、規模の大きかった雄別炭鉱では様々な事故が頻発していました。
創業から閉山までの約50年間の歴史をひもとくと、雄別炭鉱では少なくとも6回の事故が発生しています。その中で、200名以上の死者が出てしまったようです。
事故発生年代 | 事故の概要 |
1933年 | ガス爆発事故によって5名が死亡 |
1935年 | ガス爆発事故によって95名が死亡 |
1955年 | ガス爆発事故によって60名が死亡、17名が負傷 |
1967年 | 落盤事故によって6名が死亡 |
1968年 | 崩落事故によって4名が死亡 |
1969年 | ガス爆発事故によって19名が死亡、24名が負傷 |
1970年に閉山
1960年代は、石炭から石油にエネルギー資源が転換していくエネルギー革命の真っ只中であり、雄別炭鉱の業績は悪化していました。
そして、1969年に発生した大規模なガス爆発事故が切っ掛けとなり、雄別炭礦株式会社の資金繰りは回復不能な状況に転落。会社の倒産により、雄別炭鉱は1970年(昭和45年)に閉鎖されることになりました。
阿寒町は雄別炭鉱の業績によって発展した集落であり、その支えを失った以上、住民には他の地域に移住するしか選択肢がありませんでした。
病院や役場など、あらゆる施設も雄別炭鉱閉山から数か月のうちに閉鎖。解体に時間と金がかかり過ぎる設備は放置されたため、現在でも一部のオブジェクトが残存し続けているのです。
現在の雄別炭鉱は心霊スポットに?
雄別炭鉱の遺物には歴史的価値があるため、このまま保存すべきだという意見が有識者の間で広まっています。
しかし、現在放置されている雄別炭鉱にはそのような高尚な雰囲気は一切ありません。世間では、雄別炭鉱=北海道の心霊スポットとして認知されているのが実情です。
ここでは、雄別炭鉱が心霊スポットとして定着してしまった理由を考察していきます。
事故で多くの人が亡くなっている
雄別炭鉱が心霊スポットになった一つ目の理由は、大量の事故犠牲者の存在です。
約50年間の炭鉱業の歴史の中で、雄別炭鉱は事故によって200人近い死者を出しています。その犠牲者が雄別炭鉱を恨み、悪霊となってこの地に近づく者に憑依するらしいという噂が生まれました。
実際に亡くなられた方がいる場所は、往々にして心霊スポットにされやすい傾向にあります。かの有名な霊能力者・冝保愛子さんが雄別炭鉱を訪れた際、「これ以上進めない」といって霊視をギブアップしたことも恐ろしさを際立たせる要因となっています。
閉山後無人地帯となった集落群
雄別炭鉱が心霊スポットになった二つ目の理由は、社会から隔絶された閉鎖的環境です。
少数でも現地で人が生活しているなら安心感がありますが、現在の雄別炭鉱は鬱蒼とした森に囲まれた無人の空間に過ぎません。
誰もいない町並みだけがポツンと取り残されていて、得体の知れない何かが潜んでいるような恐怖を感じます。
現存する病院などが不気味
雄別炭鉱が心霊スポットになった三つ目の理由は、異様な廃墟の外観です。
雄別炭鉱には、廃病院や鉱内から伸びる煙突など、見るからに近寄りがたいオブジェクトが無数に現存しています。
どれも都会の街中では見かけない不気味な存在です。日が落ちれば辺りは闇と無音に包まれ、異世界に迷い込んでしまったような不安感がこみ上げてきます。
雄別炭鉱での心霊現象~病院編~
雄別炭鉱の有名な心霊スポットの一つが、跡地にポツンと立っている廃病院です。
怪我をした炭鉱作業員を治療するために当時の最新鋭の設備が導入された病院ですが、閉山後に医療関係者が立ち退いて廃病院になりました。遊び半分で雄別炭鉱を訪れた人々が壁に落書きを残していくため、より一層スラム街の廃墟感が際立っています。
雄別炭鉱の廃病院内に入った時に起こると言われている心霊現象を見ていきましょう。
①霊安室が見つからない
一つ目の都市伝説は、廃病院の霊安室に辿り着けないという噂です。
雄別炭鉱の廃病院には地下に遺体安置所などの部屋がありますが、どれだけ歩き回っても呪いに阻まれて見つけられないと言われています。
なお、現実的な話をすると、雄別炭鉱の廃病院の地下にある霊安室は現在水没しています。物理的に進入できない状況になっているので、この心霊話もあながち間違いではありません。
②突然現れた黒い壁
二つ目の都市伝説は、廃病院内に謎の黒い壁が出現するという噂です。
廃病院内を探索していると突然目の前に黒い壁が現れ、全く先に進めなくなると言われています。
暗い廃病院内で方向感を失った人が壁にぶつかってパニックになっただけかもしれませんが、不気味な話であることに変わりはありません。なお、屋上付近では黒い壁が現れるどころか壁自体がほとんど無いので、転落しないように注意する必要があります。
③病院から何かを持ち帰ると…
三つ目の都市伝説は、謎の電話がかかってくるという噂です。
廃病院を訪れた方が肝試しの一環でその辺に置かれていた物を持ち帰ると、圏外なのに携帯電話に非通知の電話がかかり、受話器の向こうから「返せ」という声が聞こえると言われています。
実際、雄別炭鉱周辺では、携帯電話の電波が届かずに圏外になりやすいです。しかし警報装置がセットされているので、違法な行動をとると幽霊ではなく警察から電話がかかってくるかもしれません。
雄別炭鉱での心霊現象~煙突編~
雄別炭鉱のもう一つの心霊スポットが、山中に突然現れる巨大な煙突です。
この煙突は、不良品の石炭を燃やして町の熱源としていた当時のボイラーの名残です。炭鉱町の栄華を象徴する重要な遺物ですが、知らない人が見たら気味悪さを覚えるかもしれません。
雄別炭鉱の煙突にまつわる心霊現象を見ていきましょう。
①煙突の上の少年
一つ目の都市伝説は、煙突の上に謎の少年が出現するという噂です。
雄別炭鉱周辺を散策していると煙突の上で笑顔の少年が手を振っていて、手を振り返したら煙突の上に引き上げられて突き落とされてしまうと言われています。
高さ数十メートルの煙突から落下すれば、命にかかわる大怪我をする可能性があります。老朽化している煙突自体が危険なので、冗談でも煙突に登ろうなどと思わないでください。お化けが出る・出ないにかかわらず、近寄らない方が賢明です。
②煙突が逆さに見えると…
二つ目の都市伝説は、煙突が逆さまに見えるという噂です。
雄別炭鉱の煙突は、天辺付近に大きな出っ張りがあります。煙突を見上げた時にその出っ張りが無く、上下が逆さまに見えてしまったら、雄別炭鉱から出られなくなると言われています。
実際、雄別炭鉱周辺は森林地帯であり、闇雲に奥に進むと方向感を失って迷子になる恐れがあります。目印となる煙突の位置が分からなくなったら帰れなくなるのは、ある意味本当のことなのかもしれません。
雄別炭鉱の基本情報
雄別炭鉱は、釧路空港から車で40分ほど進んだ山奥にあります。
釧路空港から阿寒湖方面へ国道240号線を北上し、布伏内からさらに山中に向かえば、雄別炭鉱の目印である巨大な煙突が見えてきます。
場所 | 北海道釧路市阿寒町雄別(現・布伏内) |
アクセス | 釧路空港から車で約40分 |
危険度 | ★★★★ |
雄別炭鉱へ行く際の注意点
雄別炭鉱周辺は国有林なので、中に入るためには林道の入口に備え付けられている入林届出簿に必要事項を記入して入林許可を取らなければなりません。
その他にも、雄別炭鉱では気を付けなければならないことがいくつもあります。ここでは、雄別炭鉱を訪れる際の注意点について解説していきます。
面白半分な気持ちで行かない
一つ目の注意点は、遊び半分の気持ちで現地に行かないことです。
雄別炭鉱は心霊スポットであると同時に、歴史的価値の高い貴重なエリアです。肝試し感覚で廃病院等の施設に入り、物を壊したり落書きしたりする連中の迷惑行為が大いに懸念されています。
自由に出入りできるとはいえ、雄別炭鉱は遊園地やテーマパークではありません。近代遺産に対する敬意を払いましょう。
携帯電話は使えない
二つ目の注意点は、携帯電話が使えないことです。
雄別炭鉱周辺は電波の届かない山中であり、友達に電話できないだけでなく、困った時に警察や消防に連絡を取ることも出来ません。
万一怪我をしたら、自力で山を下りるしかありません。何が起きても自己責任だということを忘れないでください。
ヒグマにも注意
三つ目の注意点は、熊が出没することです。
雄別炭鉱周辺はヒグマの生息地であり、あちこちに「クマに注意!」の看板が立てられています。冬眠の準備に入る秋頃が最も活動的で危険な時期ですが、近年では夏頃にも人がクマに襲われる事例が北海道内で頻発しています。
施設内で不気味な物音が聞こえるので確認してみたら、幽霊ではなく熊だったという話もあります。お守りも大切ですが、クマ撃退用スプレーを常備しておいた方が自衛になるでしょう。
北海道屈指の心霊スポット・雄別炭鉱に要注意!
今回は、雄別炭鉱の歴史や跡地の場所、心霊スポットの逸話などを紹介いたしました。
雄別炭鉱は北海道の山奥にある廃墟地帯であり、携帯電話が通じない、クマが出る、などリアルな恐怖を味わえるエリアです。興味本位で気軽に行ける場所ではありませんが、僻地ならではの雰囲気を体感したい方にはおすすめです。
廃坑スポットに興味のある方は、ぜひ本記事を参考にして雄別炭鉱に足を運んでみてください。