東寺(京都の世界遺産)の見所は?観光に行くなら外せない見所を紹介
京都の世界遺産である東寺の見所をレビューします。観光に行くなら外せない見所を紹介します。観光の場合は中心になる建造物の拝観は基本ですが、それ以外にもおもしろい観光スポットがたくさんあります。また、四季を通じた東寺の風景も観光ポイントとして注目です。
目次
京都の世界遺産「東寺」の見所を紹介!
今回は、京都の世界遺産「東寺」の見所についてレビューします。「東寺」は基本的な観光・参拝・拝観は無料ですが、重要な見所の建造物は有料拝観になります。
具体的に言うと、 御影堂・食堂などの観光・拝観は無料ですが、「東寺」の中心的な見所の建造物「 金堂・講堂・五重塔」は有料になります。また、「五重塔初層内部・宝物館・観智院」は公開時期が限られた特別有料参拝 ・拝観になります。
空海と東寺
東寺は教王護国寺とも呼ばれ、空海のお寺として知られている、京都の代表的なお寺ですが、元々は空海が建てたお寺ではなく、京都の都(平安京)を守護するお寺として、西側の西寺と一対の鎮護のお寺でした。
しかし、嵯峨天皇より空海に東寺が預けられ、その後は真言宗の大事なお寺として栄えていきます。
東寺を預けられたころの空海は無名だった
東寺は嵯峨天皇から空海に預けられましたが、その当時、空海はまだ、天皇が自らお寺を預けるほど有名な僧ではありませんでした。
こんなエピソードがあります。嵯峨天皇は空海のことをまだ知らなかったころ、側近の橘逸勢に「私は書(書道)がうまいと周りが評価してくれるがお前にはかなわない」ともらしたことがあります。
後の世に「三筆」として三大書道名人の一人として称される嵯峨天皇ですが、側近の橘逸勢(橘逸勢も「三筆」の一人)に謙遜も含めてそう語ったところ、橘逸勢は「なにをおっしゃいますか。私よりもうまい男がいます」と答えたそうです。
嵯峨天皇は自分と対等かそれ以上の書道家として評価していた男がもっとうまい男がいると答えたことにびっくりして、問いただしたところ、今度その人物を紹介すると言ってきました。その後、挨拶に来場したのが空海です。空海は硯を天皇に献上し、それがきっかけで嵯峨天皇に認知され、その後出世していくことになります。
東寺で行くべき場所と見所
まず、東寺を観光する上で基本となる建造物と見所を紹介します。 東寺を観光する際、以下の観光は見所として絶対に外せません。
京都の観光の定番「五重塔」
東寺を観光する上で象徴的な見所の建物が「五重塔」です。正門( 南大門 )のすぐ右側にそびえ建つ東寺のシンボルマーク的な建物で、東寺の境内に入らなくてもその姿を拝めます(新幹線の窓からも拝めます)。
五重塔は名前から想像すると五階建ての建物と思われがちですが、実際は中が吹き抜けになっており、実質、1階建ての建物になっています。 塔の中心には大きな柱(心柱)が建てられ、真言密教の根本仏、大日如来に見立てています。
高さは55mで、日本に現存する五重塔の中で最も高い塔です。 862年に創建された後、落雷で4度焼失しており、現在残っている塔は江戸時代、徳川家光が寄進した建物になります。
五重塔は建物が大きいので、眺める程度であれば基本的に無料で拝めますが、近くまで寄って拝観したい場合は東寺境内の庭園に入る必要があるので、有料になります。また、正月・春季・秋季に五重塔の初層内部を公開する特別公開期間(1週間)があります。
参拝時間 | 開門:午前5時~閉門:午後5時 |
参拝料金 | 近くで五重塔を見る場合は庭園に入る必要があるので、 基本拝観料( 金堂・講堂・庭園を拝観できる) 500円を 払う必要があります。 五重塔初層内部を参観できる春季・秋季の特別公開期間 (1週間)は、基本拝観料が800円になります。 |
電話番号 | 075-691-3325 |
アクセス | 京都市南区九条町1番地 |
豊臣秀吉の寄進で再建された「金堂」
東寺の金堂は、東寺の中心の建物として位置づけられ、 見所の1つです。 正門( 南大門 ) を入ると目の前に位置しています。
東寺は元々、都の西側に建てられている西寺と共に京の都(当時の平安京)を守護する意味を持たせられたお寺であることは前述しましたが、そうした意味もあり、東寺の金堂には本尊として民衆救済の仏である薬師如来(薬師如来坐像)が安置されてます。
薬師如来坐像は、台座等を含めると10mを越える巨像で、両脇に日光・月光菩薩を沿わせています。
東寺の金堂は1486年の土一揆で1度焼失していますが、その後、安土桃山時代に豊臣秀頼の寄進で再建されました(1603年)。現存している東寺の金堂は桃山時代の建築です。
参拝時間 | 午前8時〜午後5時(受付終了:午後4時30分) 午前8時30分~となります。 |
参拝料金 | 基本拝観料( 金堂・講堂・庭園を拝観できる) 500円 |
電話番号 | 075-691-3325 |
アクセス | 京都市南区九条町1番地 |
僧が学問を学ぶ場「講堂」
東寺の講堂は金堂のすぐ裏にあり、空海が真言密教の教示の中心として位置づけた建物です。本尊は真言密教の中心仏の大日如来が安置されており、建物内は大日如来を中心にして、如来・菩薩・明王の仏像が立体の曼荼羅(羯磨曼荼羅)を描くように配置され、見所の1つになっています。
東寺の講堂も1486年の土一揆で1度焼失していますが、 1491年に再建され、現在はその当時の建物がそのまま残っています。
参拝時間 | 午前8時〜午後5時(受付終了:午後4時30分) *3月29日(日)~4月5日(日)の期間は、 午前8時30分~となります。 |
参拝料金 | 基本拝観料( 金堂・講堂・庭園を拝観できる) 500円 |
電話番号 | 075-691-3325 |
アクセス | 京都市南区九条町1番地 |
東寺の隠れた見所
次に、東寺の境内の中の隠れた見所スポットを紹介します。基本の見所の建物だけでなく、こうした隠れた見所も知っておくことで、より東寺の観光を楽しめます。
パワーストーン「尊勝陀羅尼の碑 」と「天降石」
東寺の境内には、「尊勝陀羅尼の碑」と「天降石」というパワーストーンが鎮座しており、見所の1つとなっています。
「尊勝陀羅尼の碑」とは、尊勝仏頂という仏の一種にささげられた陀羅尼(仏教で使用される呪文)がきざまれた石碑で、元々は北野天満宮に創建されたものですが、縁あって東寺に移されました。古来から日本では尊勝陀羅尼まつわる厄払いの逸話が多く残されており、災難を免れるご利益があるとされています。
「天降石」とは、一見何の変哲もない80㎝四方の巨石で、 石柵に囲まれて安置されているものです。正確な謂れはよく分かっていませんが、江戸時代では既にパワーストーンとして民衆の注目を集め、天から降ってきた石として拝まれていました。石をさすった手で患部を触ると改善すると信じられており、現在でも信仰の対象として親しまれています。
参拝時間 | 開門:午前5時~閉門:午後5時 |
参拝料金 | 無料 |
電話番号 | 075-691-3325 |
アクセス | 京都市南区九条町1番地 |
五重塔の屋根下にいる「邪鬼」
東寺の拝観で意外に人気がある見所として、五重塔の屋根下にいる「邪鬼」の彫り物があります。五重塔の初塔の屋根を支える装飾として4つの「邪鬼」が屋根を支えるように彫られていますが、その姿が四種四様で、何とも愛嬌があると人気を集めています。
「邪鬼」というと、四天王に踏みつけられている姿で彫られている印象が強いですが、東寺の五重塔では仏の屋代を支える改心した姿で描かれている点が見所です。
参拝時間 | 午前8時〜午後5時(受付終了:午後4時30分) *3月29日(日)~4月5日(日)の期間は、 午前8時30分~となります。 |
参拝料金 | 近くで五重塔を見る場合は庭園に入る必要があるので、 基本拝観料( 金堂・講堂・庭園を拝観できる) 500円を 払う必要があります。 |
電話番号 | 075-691-3325 |
アクセス | 京都市南区九条町1番地 |
かわいい!「ネコの置物付きのおみくじ」
東寺の拝観受付の横にある売店で販売している、ネコの置物付きのおみくじがかわいいと評判です。料金は300円で、一見皆同じネコに見えるのですが、よく見てみると表情が違うネコが複数種類用意されているので、自分の好みのネコが選べて楽しめます。
参拝時間 | - |
参拝料金 | - |
電話番号 | 075-691-3325 |
アクセス | 京都市南区九条町1番地 |
東寺の謎に包まれた見所を紹介!
次に、東寺の境内の中の、知る人ぞ知る不思議な観光スポット・見所を紹介します。
閉ざされたままの「不開門」
東寺には周りを囲む築地塀(ついじべい)に設置された門が全部で6つありますが、東側の大宮通に面している東大門は歴史的な名所であり、見所の1つです。この東大門は通称「不開門(あかずのもん)」と呼ばれています。
この呼び名の由来は、建武の新政~室町草創期に遡ります。後醍醐天皇方の新田義貞が足利尊氏を東寺に追い詰めたときに、足利方は完全にこの東大門を封鎖し、新田義貞の一騎打ちの挑発にも乗らずに門をあけず、窮地を守りおおせたというエピソードからきています。
それ以来、東大門は(一度災害で破損して開けたという記録はあるようですが)開門されずに今日に至っています。
参拝時間 | 開門:午前5時~閉門:午後5時 |
参拝料金 | 無料 |
電話番号 | 075-691-3325 |
アクセス | 京都市南区九条町1番地 |
五重塔の傾きを戻した?「瓢箪池」
東寺の面白いエピソードがある名所・見所として挙げられるのが、五重塔の北側に密接して配置されている「瓢箪池」です。瓢箪池は五重塔に密接しているので、五重塔が池に写ると芸術的な京都の庭園風景が広がり、拝観する人を楽しませてくれていますが、元々瓢箪池が設置された理由はそうした芸術的な目的ではありませんでした。
瓢箪池が設置された理由は、五重塔の傾きを戻すためであったといわれています。 江戸時代に発生した強風の影響で五重塔が南側に傾いてしまった際、苦肉の策で傾きの反対側の北側に穴を掘れば傾きが戻るかもしれないという仮説の基、穴を掘ったところ、見事に五重塔の傾きが戻ったといわれています。
その後、掘った穴に水が溜まり、現在の瓢箪池になったそうです。
参拝時間 | 開門:午前5時~閉門:午後5時 |
参拝料金 | 無料 |
電話番号 | 075-691-3325 |
アクセス | 京都市南区九条町1番地 |
魔物が棲むと言われる「猫の曲がり」
東寺には周りを囲む築地塀(ついじべい)の南東角の周辺は「猫の曲がり」という、一種のミステリースポットになっています。この「猫の曲がり」周辺はいわゆる、縁起が悪い場所・不吉な場所として民衆の間で語り継がれてきました。
ただその由縁として明確な説明がないのが現状ですが、一説には江戸時代にこの「猫の曲がり」周辺は飼い猫の捨て場であったからという説や、この南東角の周辺には以前、白虎の像が飾られており、それが痩せ細った猫のような姿だったからという説があります。
いずれにしろ、不吉なスポットとして現在も語り継がれている東寺の七不思議の1つです。
参拝時間 | 開門:午前5時~閉門:午後5時 |
参拝料金 | 無料 |
電話番号 | 075-691-3325 |
アクセス | 京都市南区九条町1番地 |
東寺は季節ごとに楽しめる!イベント・ライトアップ・見所を紹介!
東寺では春期に桜に合わせてライトアップイベントが催されるなど、1年を通して様々な景観を楽しめます。次に、四季を通した東寺の見所風景を紹介します。
桜を堪能できる「春」
東寺では、毎年桜が満開する時期(3月中旬頃~4月中旬頃)に桜ライトアップイベントを行います。東寺の桜の見所は、約200本が植えられている染井吉野・枝垂桜ですが、見所として必見なのが、五重塔の北側にある不二桜で、樹齢130年以上とも言われ、ライトアップされる姿が映えます。
新緑を楽しむ「夏」
東寺の夏の風景は、新緑に囲まれた景色です。 東門付近にある堀周辺は蓮の花が咲き、青々とした蓮の葉が一面を覆います。
紅葉が色鮮やかな「秋」
東寺の秋の風景は、いかにも京都らしい、紅葉と五重塔のコラボレーションの景色です。絵はがきになりそうな、はっとする美しさがあり、瓢箪池(ひょうたんいけ)と相まって、代表的な日本らしい景色を堪能できます。
雪景色が綺麗な「冬」
冬の東寺も絵になります。そっと雪が降り積もる「雪化粧の五重塔」はなんとも風情があり、日本の四季の素晴らしさを改めて認識させられます。
東寺は見所が満載
京都駅から歩いてすぐに参拝できる、京都の代表的なお寺の1つ、「東寺」は有名な建物から、変わった名所、ミステリアスな七不思議スポットまで、見所が満載です。
また、春の桜のライトアップをはじめ、春夏秋冬の「東寺」の風景は風情があり、「これぞ日本の四季」と言わんばかりの、日本の心を蘇らせてくれる素晴らしい景色に出会えます。京都訪問の際は、ぜひ足を運んでみてください。