アクアアルタはベネチアの高潮!時期・対策・観光の注意点も紹介
アクアアルタはイタリアのベネチアの高潮のことを言います。この記事では、アクアアルタがベネチアに来る時期、アクアアルタが来た時の対策について説明しました。年々アクアアルタがベネチアに来る頻度は増えているので、ベネチアに行く予定のある方はチェックしてください。
目次
ベネチアの高潮「アクアアルタ」について紹介!
イタリアのベネチアは水の都として知られていますが、ベネチアには「アクアアルタ」という現象があります。ここからは、アクアアルタそのものやアクアアルタが来る時期について詳しく説明していきます。
アクアアルタとは?
アクアアルタとはベネチアで見られる高潮のことを言います。イタリア語で「アクア」が水で「アルタ」が高いという意味になり、元々アクアアルタという言葉は満潮のことを指していました。
ベネチアをアクアアルタが襲う季節は冬で、アフリカから吹く季節風と高潮で洪水のような被害も発生します。
さらに、最近では建物の地盤沈下なども発生していて、温暖化による海水面上昇と合わせて洪水を引き起こす原因となっているようです。
イタリア半島とバルカン半島に囲まれたアドリア海では、高潮や津波によって発生する以外の潮位の変化で起きる副振動によって、激しい海面の揺れが観測されています。満潮と副振動が重なってしまうと洪水が起こりやすくなります。
また、年々アクアアルタの回数が増えていて、洪水時の水位もどんどん上昇していることが分かっています。
実際に、昔は数年に1度だったアクアアルタはが1年に1回以上来るようになり、最近では1年に60回以上という頻度で発生しているのです。2050年にはアクアアルタが1年に435回・1日に1度以上発生するという予測データもあります。
そのため「このままでは20年後にはヴェネツィアが水没している」と警鐘を鳴らす専門家もいるようです。
ベネチアでは、アクアアルタ・高潮が来ると、早朝や夜に警戒サイレンを鳴らすようになっています。
警戒レベルや水位によって音が違っているようで、110cm以上・120cm以上・130cm以上・140cm以上でそれぞれ音が違うのです。140cm以上になるとドーミーソーラーと四音が響き渡ります。
120cm以上だとドーミーと二音が響き渡りますが、この二音が響き渡った状態だとサンマルコ広場などの場所は長靴を履いていないと歩くことが難しくなってしまうのです。
あまりにも洪水・浸水が酷いような場合は、サンマルコ寺院・美術館・ドゥカーレ宮殿などは閉鎖され、お店やカフェもしまっているので注意してください。
アクアアルタの時期
ベネチアのアクアアルタは、年間を通して発生している自然現象になります。アクアアルタが比較的多く発生しているのは、10月〜3月です。ベネチアには冬の時期にアクアアルタが訪れます。
アクアアルタの時期に観光するポイント
アクアアルタの時期に観光するのであれば、水は運河の水ということも頭に入れておきましょう。あまり綺麗な水ではないので出来るだけ触ったりしないようにするのがおすすめです。
また、先ほども言ったようにアクアアルタが来ると、早朝や夜に警戒サイレンを鳴らすようになっています。最初に聞いたときは火事のサイレンかと驚かれる方も多いですが、何度か聴くうちに慣れていくことでしょう。
アクアアルタ・洪水のサイレンが鳴ると自宅に戻る人もいますが、ベネチアの人たちはアクアアルタに慣れているため、長靴を履いて普通に日常を送っています。
ただ、初めてアクアアルタに遭遇した場合は、ただでさえ迷いやすい路地が水没してしまって歩きにくくなり不安が増します。そうならないためにも事前に満潮の時間を確認しておきましょう。
アクアアルタへの対策方法
ここからは、アクアアルタへの対策方法についてお伝えしていきます。
必要なもの
アクアアルタが来そうな時期にベネチアを観光するのであれば、長靴は必須になります。現地で長靴を買うこともできますが、アクアアルタの時期に観光するのであれば日本から持って言ってもいいでしょう。
長靴はしっかりとしたものを選ぶようにすることがおすすめです。特に、最近はかなりの水位があるので、ひざ下くらいまである長靴を選ぶこともポイントになります。
アクアアルタは冬の寒い季節に来るので、足が濡れてしまうと凄く冷たいですし冷えます。長靴だけでなくタオルや靴下の替えも持っているようにしましょう。
さらに、レインコートや濡れたものを入れるためのジップロック式のビニール袋なども持っていると便利です。
また、必要なものはありますが、手荷物を軽くして身軽にするというのもポイントになります。必要最低限のものを持って観光するようにして、スケジュールも余裕を持っておきましょう。
洪水があまりにも酷いと、行きたかった観光名所や美術館などが全部閉まってしまっていてどこにも行けなかったということもあります。
あまりにもアクアアルタがひどい時には、外出をしないという選択も必要になって来ます。どこにも行けなかったとならないためにも、アクアアルタが来そうな時期のベネチア観光では余裕を持ったスケジュールで行動することがポイントです。
アクアアルタの時期にベネチア観光する時の注意点
ここからは、アクアアルタの時期にベネチアを観光する時の注意点について説明していきます。ベネチア観光がアクアアルタの時期になりそうという方は、必ずチェックするようにしてください。
長靴を常備する
先ほども説明しましたが、アクアアルタの時期にベネチアを観光するのであれば長靴は必ず必要になります。手荷物にも長靴を常備しているようにしましょう。
アクアアルタの水位は年々高くなって来ているので、長靴はひざ下くらいまであるものを選ぶことがポイントです。おしゃれな長靴よりも、まずは機能性を重視しましょう。
もし、アクアアルタの時期にベネチアを観光するのに長靴を忘れてしまった場合は、現地で買うようにしましょう。また、アクアアルタが始まると、ビニールの靴カバーを売る人が現れます。
それを購入してしまうのも手です。長靴だけでなく濡れてしまったことを考えて、替えの靴下やタオルなども必要です。濡れたものを入れるビニール袋なども忘れずに手荷物に入れておきましょう。
満潮の時間を把握しておく
アクアアルタの時期にベネチアを観光するという方は、満潮になる時間帯を押さえておきましょう。
今は、ベネチアのホームページからもアクアアルタの情報を見ることができますし、スマホのアプリでも満潮になる時間帯や警戒しなければいけない時間を知ることができます。
また、外に出ずにアクアアルタのリアルタイムの状況を知りたいという方は、アクアアルタで水没しやすいサンマルコ広場やリアルト橋周辺の状況をWEBカメラでオンタイムで見ることができるので、そちらを利用しましょう。
泳いだりしない
最近では、ニュースでしか見たことがないアクアアルタに遭遇したことで、はしゃいでしまう観光客もいるようです。はしゃいでしまってアクアアルタの水で泳いだり水着になってしまう人もいるようですが、絶対におすすめしません。
先ほども言ったように、アクアアルタの水は運河の水なのでとても綺麗なものではなく、泳いだことで病気になってしまう可能性もあります。
アクアアルタの水に触ってしまったからといって絶対に病気になってしまうわけではありませんが、必要以上に触れないように気をつけましょう。
冬の時期にベネチアに観光するのであればアクアアルタ対策をしよう!
ベネチアの高潮「アクアアルタ」について説明してきましたが、いかがだったでしょうか。アクアアルタは、冬の時期にベネチアで見られる高潮のことを言います。
昔は数年に1度程度の頻度で見られたアクアアルタですが、温暖化の影響もあり1年に1度以上になり、最近では1年に60回以上観測されているようです。
2050年にはアクアアルタが1年に435回・1日に1度以上発生するという予測データもあり、2040年ごろにはベネチアは水没してしまうのではないかとも言われています。
ベネチアではアクアアルタが来ると、早朝や夜に警戒サイレンを鳴らすようになっていますが、冬の時期にベネチア観光をするのであればアクアアルタ対策をしておくことが大事です。
用意するものは、ひざ下くらいまである長靴・替えの靴下・濡れたものを入れるビニール袋で、タオルやレインコートもあると良いでしょう。
また、アクアアルタが来るとお店や美術館・サンマルコ寺院など、多くの場所が閉まってしまうのでスケジュールに余裕を持って行動すると良いです。