京都の方言(京都弁)一覧!特徴や語尾・種類についても紹介
日本有数の観光地、京都。京都の方言である京都弁、テレビなどでお馴染みの部分も多いかと思いますが、京都弁独自の言い回しや方言として発達したセリフ回しなど、あなたはどれだけご存じでしょうか。京都の方言、京都弁について定番の言い回しなどをご紹介します。
目次
京都の方言「京都弁」について紹介!
「京ことば」と聞いてどんなイメージをお持ちでしょうか。テレビの特集などで京都が登場すると、舞妓さんや職人さんが独自の言葉づかいを扱っているの見かけたりもしますよね。「京ことば」と呼ばれる京都の方言、「京都弁」についてご紹介します。
京都弁の特徴(イントネーション・アクセント・語尾)
京都の雰囲気を「はんなり」と表現する言葉を聞いたことがおありではないでしょうか。「はんなり」とは「ほっこり」や「柔らかい」などの意味合いでも用いられます。京都弁の特徴とは、まさにこの「はんなり」。柔らかいイントネーションと言い回しなどが挙げられるのではないでしょうか。
ご紹介してまいりますが、京都の地方表現、方言の言い回しとして多いのが、「~する」の意味合いで「~しはる」。「~しない」で「~へん」。また、語尾や言い回しとして多いのが、「~なぁ」や「~ねんやぁ」、「~ねんかぁ」。関西地方の表現に馴染みのない方には新鮮に聞こえるセリフ回しも。
京都弁の種類
一口に「京都弁」と称しても、実は「京都弁」にはいくつかの分類があり、それぞれの地方や京都独自の職業からでる言葉づかいなどが存在します。代表的な分類を挙げていきましょう。まずはテレビなどで京都の言葉づかいとして目にすることも多い「花街ことば」。京の都を代表する繁華街、祇園界隈などで使われる「舞妓さんの言葉づかい」が「花街ことば」です。
「花街ことば」に対して、「中京ことば」と呼ばれる京都弁を「町ことば」とも言います。京都弁もしくは京言葉と定義したときに、狭義の意味合いで使われる代表格の言葉づかいです。職人さんの独自の文化を扱う「職人ことば」や花街界隈独自の「花街ことば」ではなく、市内の一般に広く普及している「京ことば」を「町ことば」と呼びます。
大阪弁との違い
京都弁と大阪弁はとてもよく似通っていますが、文字にすると同じ言葉づかいや単語であってもアクセントの重きを置く場所が違っていたりします。また、京都の言葉づかいとしてよく用いられる「~しはる」などの言い回しでも、大阪の言葉では「言いはる」と使うのに対して「言わはる」など、非常に小さく見える部分で違いが出たりもします。
京都弁でよく使う定番の方言・語尾と例文一覧
京都でよく使われる定番の方言として、「あんじょう」・「おおきに」などの独自の言葉づかいから、「~しはる」・「~へん」などの語尾の言い回しを、例文を交えて紹介します。
「あんじょう」
「あんじょう」と表現して、京都の方言で「大事に」というような意味合いを持ちます。「あんじょうしてな」とと用いて、「大事にしてね」。「あんじょうしとくれ」と使って、「大事にしてください」。主に健康などを気遣っての「お大事になさってください」の意味合いで使われる京都弁です。
「お大事に」の意味合いで使われる「あんじょう」。京都の方言では、「お気をつけて」などとも同じ意味合いを持ちます。「あんじょうしてな」や「あんじょうしいな」と使って、「気を付けてね」もしくは「お大事にしてね」。「あんじょう」は「養生」と同じ言葉回しとして京都地方での日常場面に用いられます。
「おおきに」
京都の方言定番特集、京都弁で日常的によく使うフレーズ第二弾は「おおきに」。「おおきに」と用いて、京都弁で「ありがとう」の意味を指します。「商い」・「商売」などの「お店」の場面で使われることも多い京都の方言表現です。
京都の方言、京都弁で「いつもありがとう」の意味で、「まいどおおきに」などとも使いますが、京都のお店の場面ではお客さんのお帰りや退店の際に、「ありがとうございました」の意味合いで「おおきに」と使われることも多いですね。お店の場面だけではなく、日常的な「ありがとう」の場面でも京都の方言として使われています。
「~しはる」
京都の方言として日常的に用いられることの多い表現に、「~しはる」という言い回しがあります。「~をする」という意味合いの三人称表現です。京都弁で「京都の人間はこの表現をよく使う」というセリフを言い換えると、「京都の人間はこの表現をようしはる」というようになります。
一例として記事の表現を「~しはる」で表現してみましょうか。「京都の方言として日常的に用いらはることの多い表現に、~しはるという言い回しがあります」。「~をするという意味合いの三人称表現として使用しはります」。「京都の人間はこの表現をようしはります」。「~しはる」の応用表現でお送りしました。
「~へん」
京都の方言、よく使われる京都弁ご紹介三つめは、「~ない」という否定形の意味合いを持つ語尾の言い回しで、「~へん」。例えば、「この表現の意味がわからない」で、「この表現の意味がわからへん」と使うのが京都流。「~しない」の意味合いで、「~せぇへん」なんていう風にも使います。
「~しない」の否定形の意味でも使われる「~へん」の言い回しですが、京都地方ではこの言い回しは非常に日常的に用いることが多く、全く別の意味合いをもったセリフ回しになることもあります。「~しないか?」の疑問形で「~せぇへん?」。「~してくれるか」、「~してくれないか」で、「~くれへん?」などなど。
京都弁の可愛い方言と例文一覧
京都の定番の方言をご紹介した次は、ちょっと可愛い「京都弁」でご紹介。「かんにんして、あんまいけずせんといてよ」。さて、意味はおわかりになりましたか?
「いけず」
ちょっと可愛く聞こえる京都の方言紹介第一弾、「いけず」。「いけず」と使って、京都弁では「意地悪」の意味を指します。「意地悪な人」を京都弁に変換すると、「いけずな人」。「意地悪をする」で、「~をする」の意図を持つ京都弁、「~しはる」と合わせて変換すると「いけずしはる」などと用います。
京都の言葉、京都弁では「いけず」と言い換えることのできる「意地悪」。「意地悪をされた」の意で、「いけずされた」というように京都弁では変換されます。「意地悪」という言い回しよりも少しイントネーションがあどけなくなり、他地方の方からすると可愛いと感じられることも多い京都の方言、京都弁です。
「おはようおかえり」
ちょっと可愛く聞こえる京都の方言紹介シリーズ第二弾。「おはようおかえり」。間違っても「おはよう!」・「お帰りなさい!」ではありません。「おはようおかえり」とそのまま繋げて京都弁です。京都の言葉で「行っておいで」などの意味合いの場面で使われます。
「おはようおかえり」と使って、「気を付けて行ってらっしゃい」などの意味合いも持ちます。「おはようございます。お帰りなさい」ではありませんから、外出してきますねと告げて「おはようおかえり」と返ってきても驚かないで頂きたい京言葉です
「かんにん」
「堪忍袋の緒が切れる」ということわざ表現がありますが、京都の方言、京都弁でよく使われる言葉の中にも「かんにん」という言い回しがあります。「我慢の限界」を意味する「堪忍袋」と同じセリフ回しから少し見当がつくかもしれませんが、「我慢」や「許す」という意味合いで、「かんにんしたって」や「かんにんな」などと京都弁では用いられます。
京都弁で注意すべき(怖い・嫌味)方言と例文
ちょっと使ってみたい可愛い京都弁もありますが、あまり使ってもらいたくない京都弁もご紹介しておきましょう。遠回しのイヤミであったり怖い意味合いを持っていたりしますので、こちらの言葉が出た際にはご注意。
「ええかげんにしよし」
言い回しとイントネーションにちょっと注意しておきたい京都の方言表現、京都弁シリーズ。「ええかげんにしよし」と用いて、「いい加減にしておきなさい」と変換します。
イントネーションとしては京都弁独自の柔らかさが大きいのですが、言い回しの意味合いとしては注意や窘めをあらわす表現なので、このセリフ回しが出たときには覚えておきたいところです。
「しよし」と用いて、「しなさい」。京都弁の体言止めでかなり強い命令形の表現です。「いい加減に」を京都の方言では「ええかげんに」と使います。アクセントが柔らかいので気を付けておきたいのですが、この言葉が出た場合、京都の言葉では「怒り」を持つ表現であると心得ておきたい場面をお忘れなく。
「好きなようにしはったらよいのと違います?」
言い回しとイントネーションにちょっと注意しておきたい京都の方言、京都弁ご紹介シリーズ。「好きなようにしはったらよいのと違います?」と使って、京都弁、京都の言葉で「好きなようにしていいよ」の意味を持ちます。「好きなようにしていいよ」の意味合いではありますが、ちょっとご注意。
「好きなようにしはったらよいのと違います?」とにっこり笑顔で使われたときに、「好きにしていいよ」とそのままの意図でも受け取ることもできます。注意したいのは、京都の方言、京都弁の特徴の一つとして、この言い回しは「遠回しな嫌味」としても使われることも多いセリフであるということ。
「好きにしていいよ」ではなく、「好きにすれば?」という意味合いも大きいセリフだと覚えておきたい京都方言です。
「よういわんわぁ」
「うち、そんなんよういわんわぁ」。京都独特の言い回しで、イントネーションも口調も柔らかく感じがちなのですが、こちらも注意警報の京都表現。「よういわんわぁ」という京都弁を標準語訳に置き換えると、「とてもではないですが私には言えません」なんて意味合いの非常に怖い言葉が飛び出してしまいます。
「よういわんわぁ」と飛び出したら、「私には言えないです」もしくは「私には言えません」の意味合いですから、遠回しな否定形です。さて、ここまでのちょっと注意しておきたいシリーズをおさらい。
「ええかげんにしよし」なんて嫌味な言葉遣い、普段からは「よういわんわぁ」。まぁ、使いたかったら「好きなようにしはったらよいのと違います?」と括りましょう。
京都弁に変換するとキュンとする告白のセリフ3選
京都弁特集、ラストは告白の場面を「京都弁」に置き換えてみたシリーズでお送りします。
1.「好きだよ、付き合って」
告白シーンを京都弁に置き換えてちょっとキュンとしてみたいシリーズ三選。まずはオーソドックスに「好きだよ、付き合って」から参りましょう。「好きやで、付き合うてくれへん」。「好きやよ、付き合うてくれへん」この場合、京都の方言では、「付き合う」と書いて「つきおうて」と読み替えます。
「好きだよ」という言い回しは、京都の方言にして、「好きやで」や「好きやよ」。もしくは「好きやの」に「好きなん」と言い換えることが。もう少し付け足してみて、京都のイントネーションで「あなた」を加えて、「あんたが好きやで、付き合うてくれへん?」。告白シーン三選第一弾、いかがでしょうか。
2.「好き、付き合って」
告白シーンを京都弁に置き換えてちょっとキュンとしてみたいシリーズ三選。お次は「好き、付き合って」。意味合いとしては先ほどと同じ言葉ですが、言い回し一つで少しニュアンスと感じ方の違ってくるこちらのセリフ。さて、京都の方言に置き換えると?
「好きなん、付き合うて」。「~です」の意味合いを持つ「やで」や「やよ」の言い回しを、言い切り型の意味合いである「~なん」と置き換えました。先ほどと同じく「あなた」の意味合いであるセリフを付け足して補足すると、「あんたが好きなん、付き合うて」。
3.「本当に? 私でいいの?」
告白シーンを京都弁に置き換えてちょっとキュンとしてみたいシリーズ三選。「好きです。付き合ってください」に対して、「本当に? 私でいいの」と返事が返った場合の京言葉バージョンは、「ほんまに? うち(もしくは私)でええの?」。「ほんまに? うち(もしくは私)でかまへんの?」。
「本当に?」という部分を、京都の方言で表現すると、「ほんま」というフレーズを使います。京都や関西圏では「私」という一人称の他に、「うち」と自分を指して使う場合も多く、「うち」の一人称を普段から使う場面も多いです。「いいの?」という表現は、「構わないの」の地方表現、「かまへんの?」。合わせて表現すると、「ほんまに? うちでかまへんの?」というフレーズが完成します。
京都にお越しの際は使ってみはって
京都の定番といえる言葉づかいや方言から、ちょっと気を付けておきたい言い回し、独自の使い方が可愛い京都弁などなどとご紹介してきました。ご紹介した言葉づかいや言い回しの注意点、京都にお立ち寄りの際はぜひ使ってみはってと締めくくらせて頂きます。