パリの治安は悪くて危険?旅行や観光での危険地域や注意点なども紹介
フランスのパリはスリや置き引きなどが発生しやすく、地区によっては治安が悪い場所もあります。日本と同じ感覚でいると犯罪に巻き込まれてしまう可能性があるため、危険な目に遭わないために、旅行に出発する前にパリの治安状況や注意点を確認しましょう。
目次
フランス・パリへの旅行前に知っておきたい治安状況
フランスの首都である花の都パリは、一度は訪れてみたいと思う観光地の1つです。パリはとても華やかな雰囲気の観光地ですが、治安はどうなっているのか気になるところです。
世界の中でも治安の良い日本から旅に出るときは日本と同じ感覚で出発してしまうと、想像もしていなかった危険なことに巻き込まれる可能性もあります。
楽しみで出かけた旅先で何か危険なことに巻き込まれてしまうと、せっかくの旅行も台無しになってしまいます。
そこで、パリへの旅行前に知っておきたい治安状況を知っておくことで、危険な状況を少しでも回避できる判断材料になります。
パリとはどんなところ?
パリに出発する前にパリはどんなところから知っておくと、現地で危険なことに巻き込まれたり、迷ったりせずに時間を有効に活用できます。
例えば、フランスでも場所によって気候は異なります。その中でも、目的地であるパリの気候を知っておくことで、持って行く服を決めることができたり、現地での交通手段を決めておくことで、現地で困ることも減らすことができます。
日本からパリまでは12時間30分
日本からパリまでは直行便を利用して12時間30分ほどで、時差は日本よりフランスのほうが8時間遅くなっています。
利用する空港はフランスにあるシャルル・ド・ゴール空港です。空港からパリまでは電車を利用して30分前後、バスかタクシーを利用した場合は60分、車では35分程度です。
どのルートで観光スポットを巡るか、時間的余裕がどの程度あるかなどで交通手段を選ぶのも方法です。
日本とは違う公共交通機関
フランスで公共交通機関を利用する場合、日本と同じようにお金がかかります。バスや電車、タクシーの乗り方は日本とは異なります。
また、利用する公共交通機関の切符の買い方から切符の種類、扉の開け方など日本とは異なります。
例えば、地下鉄のチケットは日本と同じように券売機か窓口購入ですが、車両の扉は手動もしくは押しボタン式です。扉の開け方から日本とは異なるため利用する公共交通機関のルールを確認しておきましょう。
パリは以外と温暖な気候
旅行で気になる事の1つに現地の気候があります。なかなか現地で服を調達するとなると、時間的余裕がなかったり、どこにどのようなお店があるかもわかりません。
そこで、出発前に現地の気候を調べておくことで、持って行く服を判断することができます。
パリも日本と同じように四季があり、平均気温は5度ぐらい低く、乾燥しているため過ごしやすい気候と言えます。冬でも寒いイメージがありますが2月の平均気温が12度であるため、実際にはそこまで寒くはありません。
パリの街はカタツムリ
フランス・パリの街はカタツムリの形に例えられ、1区を中心として時計回りに2区、3区と続き、20区まで区切られています。
有名なルーブル美術館は1区にあり、エッフェル塔は7区、凱旋門は8区など区ごとに観光スポットがあるため、旅行前などに巡りたい観光スポットを決めておくと無駄なく巡ることができます。
また、有名なセーヌ川が流れておりパリの街は5区から7区と、13区から15区が内側に位置しており、その他の区はセーヌ川の外側に位置しています。
パリの物価
フランスという国名だけでも、グルメをはじめとしたさまざまな物がおしゃれなイメージがあります。
フランス・パリは買い物のとグルメでも有名な街です。パリでの食事や買い物は、高いというイメージを持っている人も少なくありません。
実際は、日本と同じように選ぶもので高くなることもあれば、安くなることもあります。
「いくらかかるかわからないから現金を沢山持っていく」という選択肢は危険です。また、パリの場合、ほとんどの支払いがクレジットカード対応になっています。
パリで治安が悪い危険な地区
治安は日本を基準にすると、どの国でも危険に感じてしまいます。あまり警戒していても、せっかくの旅行が楽しくありません。
また、違った対策方法をとっていては危険を回避することもできません。
危険はどこでもあると思いながら警戒するに超したことはありませんが、パリの治安状況を把握していれば、適切な対策を取ることもできます。
パリの治安はスリ被害や置き引き被害、引ったくり被害、強盗が多いという特徴があります。スリ被害と置き引き被害を合わせると、パリ全体の犯罪の88%を占めています。
被害に遭いやすい場所はパリ市内と近郊の地下鉄です。治安は場所によって手口などが異なるため、ここからは特に治安が危険な場所をご紹介します。
18区
パリの18区は移民が多いという特徴があります。また、昔、ピカソなどの芸術家が集まったモンマルトルも18区にあります。
18区の中もモンマルトルの丘、モンマルトルの丘の麓、その他の3つに分けることができ、それぞれの地域でも特色があります。
モンマルトの丘にはサクレール寺院や飲食店があるため、昼間は観光客が多く訪れる場所です。
モンマルトルの丘の麓はパリの中でも指折りの歓楽街です。歓楽街は楽しい雰囲気もありますが、危険なことも少なくありません。
その他の地区は、地元の人が暮らす住宅地になっています。
18区はパリ20区の中でも危険な地域と言われています。その18区の中でも特に危険な場所は、バルベスロシュシュアール駅など駅によっては治安が悪い場所があります。
18区自体も観光スポットでサンクレール寺院やモンマルトルなどもありますが、北の大きな幹線道路に近づくと治安は悪化し、パリ20区の中でも治安が危険な地区です。
19区
パリの19区は東側に位置していて、他の地区と比べると観光スポットが少なく、主に住宅街が広がっています。
昔は寂れていた地区でしたが、映画のセットとして造られたビュットショーモン公園があり、パリの再開発を目的としたラ・ヴィレット公園があります。
街の中には運河と貯水池があり、19区の北側はこれらによって分断されています。
19区も18区と同じように治安が危険な場所として有名です。19区の中でも北東に行くほど危険になります。
19区も18区と似たように、駅によっては寂れた雰囲気があるため、安全な駅を選ぶようにしましょう。
昼間は安全でも夜になると危険になるため、なるべく明るい時間帯に一番人通りがあるところを歩くようにするのも対策の1つです。また、ビュットショーモン公園付近は比較的、安全と言われています。
20区
次に、パリの中でも下町エリアにあたる20区です。20区は18区と19区と同様に治安が悪い地区として有名ですが、18区と19区と比較をすると、安全な地域が多い区と言えます。
20区にもいくつか駅があり、ガンベッタ、ナシオン駅などがあります。
また、ショパンやビゼー、プルーストなどの著名人の墓地があるペルー・ラシューズ墓地や国立コリーヌ劇場などの観光スポットもあります。
パリで注意したい観光スポット
ここまで、危険な地区をご紹介しましたが、さらに範囲を絞って危険も潜んでいる観光スポットをご紹介します。
わざわざフランスまで行ってどこにも観光に行かないなんてことはありません。
パリは華やかな街の反面、スリや置き引き、近年ではテロなどといった犯罪も多く発生しています。
観光スポットによっては、危険な観光スポットも存在しています。観光スポットに行くと楽しくなってしまい、荷物の事を気にしなくなってしまいます。
そのようなときにスリなどの犯罪に巻き込まれてしまう可能性が出てきます。
観光スポットの中で特に治安の悪い場所をご紹介します。
クリニャンクール蚤の市
1つめは「クリニャンクール蚤の市」です。パリにはいくつか蚤の市が開催され、場所によって販売している品物が異なったりします。
クリニャンクール蚤の市は「パリの三大蚤の市」の1つです。パリで開催されている数ある蚤の市の中でも規模が大きく、約3000点のお店があります。
エリアごとに取り扱い商品が異なり、アンティークの食器類だけではなく、生活雑貨や服なども揃っています。
クリニャンクール蚤の市の治安は、最寄り駅からクリニャンクール蚤の市までの治安が悪いという特徴があります。
最寄り駅からクリニャンクール蚤の市までも露天が並んでいますが、雰囲気が怖く観光客が一人で歩くのは危険です。
蚤の市の中に入ってしまえば観光客も多く雰囲気は明るくなります。蚤の市での買い物は基本的に現金になるため、蚤の市の中に入ってもスリに気をつける必要があります。
エッフェル塔のエレベーター
2つ目はフランス・パリまで行ったら、一度は行ってみたいエッフェル塔です。ツアーでも、個人旅行でも必ず巡る観光スポットの1つです。
実は、エッフェル塔も治安が悪い観光スポットの1つです。エッフェル塔の周囲はもちろん、狭いエレベーターの中でも注意が必要です。
スリと言っても、一目で「この人、怪しい」と感じる人ではなく、見た目はきれいな服装をしていたり、優しそうな感じがします。そのような人が実はスリ集団であり、安心して隙ができたところで財布などの貴重品を取られたりしてしまいます。
エレベーターの中は狭く、人と人とが近いため犯罪に会いやすい場所と言えます。
現地の警察官が巡回をしていますが、気を抜かずに貴重品、誰かに話しかけられたり近づいてくる素振りを見せたら、逃げるようにしましょう。
ルーヴル美術館のモナリザ前
3つ目はルーブル美術館ですが、その中でも展示されている「モナリザ前」が注意したい観光スポットです。
美しい美術品を目の前にしたら、じっくり鑑賞してしまいます。何かに集中しているときに、スリなどの犯罪に巻き込まれてしまうため注意が必要です。
パリで治安が良い地区とは?
治安が悪いと言われるパリですが、20区の中で比較的治安が良い地区があります。治安が良いと言っても、日本ほど治安が良いというわけではないため注意することは必要です。
3区・4区
3区の治安はパリの中では平均的でが、場所によっては雰囲気が暗い場所などがあるため注意は必要です。3区の中でも4区に近い南側は店舗が多く、人も多いため雰囲気は明るく比較的、治安は良いと言えます。
4区はおしゃれな場所が多く、人も多いため治安は良いと言えます。駅周辺も人通りが多く、観光客も多く訪れます。
5区・6区
5区は学校が多くあるため学生が多い街です。20区ある中でも1・2の人気がある5区は、治安も良いため人気があると言えます。
6区はおしゃれな店舗が多く建ち並ぶ地域です。夜になっても賑わっている場所はありますが、危ない雰囲気はありません。5区と治安の良さを争うぐらい、とても治安が良い地区です。
11区・12区
11区は20区の中でも比較的、大きな地区であるため場所によって雰囲気は異なります。5区や6区と比較をすると、治安が良いとは言いがたいですが、それでも治安が悪い地区ではありません。
12区にあるベルシー駅近くにはイベント会場があるため、イベントがある日は注意が必要な時もあります。また、危険な場所も一部あるため、注意しながら過ごす必要はあります。
13区・14区・15区
13区は中華街があるため、アジア系の人も多い地区です。場所によっては少し寂しい場所もありますが、それほど治安が悪い場所ではありません。
14区の中であれば、治安の悪い場所はありません。ただし、パリの特徴でもあるスリはいるため、貴重品の管理はしっかりしましょう。
他の地区の駅の場合、駅によっては治安が悪い場所もありますが、15区内にある駅は、どの駅を利用しても治安が良いという特徴があります。
パリ旅行を安全にするための注意点
旅行に出かけたら帰宅するまで安全に過ごしたいと誰でも思います。パリはスリや置き引きなどの犯罪が多いことで有名ですが、パリ旅行にいっても安全に過ごすための注意点があります。
スリ
パリでのスリの手口はさまざまで1つ目は「署名」です。観光地で「署名をお願いします」と声をかけられ、署名をしている間に貴重品を取られてしまいます。
2つ目は食事中にテーブルにスマホを置きながら、話に夢中になっている間に取られてしまいます。
3つ目は電車やバスの中です。扉の近くでスマホをいじっていると、扉が閉まる直前に取られてしまうこともあるので注意が必要です。
ひったくり
ひったくりは犯人が歩いているだけではありません。バイクに乗って近づいてきて、すれ違いざまに貴重品を取られてしまいます。
貴重品は必ず体の前で持つようにしたり、服装は観光客に見えないような服装にするなどの工夫が必要です。
置き引き
パリに行ったら買い物をする人もいるでしょう。買い物をしているときに、荷物を置いて少し試着したり鏡の前で合わせている間に、置き引きの被害に遭ってしまいます。
さらに、店員の話を聞いたり商品を見ている間も置き引きや、スリに遭いやすくなってしまうため注意しましょう。
偽警察官による詐欺
日本で暮らしていたら想像することもありませが、パリには偽警察官がいます。偽警察官は制服を着用していて、パスポートを見せるように要求してきます。
普通に観光をしていれば警察官がパスポートを要求する理由はないため、警察官がいきなり近づいてきてパスポートを要求してきても、出さないようにしましょう。
クレジットカードを狙った詐欺
パリ旅行ではクレジットカードを狙った詐欺や犯罪に注意する必要があります。例えば、駅でチケットを購入するときにクレジットカードを貸して欲しいと声をかけられることがあります。
かわいそうと思ってクレジットカードを貸してしまうと、いつの間にか偽のクレジットカードとすり替えられてしまい、自分が使いたいときに使えないということになってしまいます。
クレジットカード支払いが基本のパリのため、スリにも気をつけましょう。
睡眠薬を使った犯罪
観光中に知らない人が「案内してあげる」などと声をかけてきて、休憩中にドリンクなどに睡眠薬を入れられ、意識が遠のいていく間に被害に遭ってしまいます。
被害は貴重品を盗まれるだけではなく性被害に遭うこともあるため、知らない人に話しかけられてもついて行かないようにしましょう。
デモ
日本で暮らしているとデモにはなじみがありませんが、パリでは週末になるとよくデモを見かけます。
歩いているだけのデモは危険はありませんが、黄色いベストを着ているデモ隊は「黄色いベスト運動」と呼ばれる過激なデモ隊の目印のため、近づかないようにしましょう。
パリの治安状況を知ることが大切
パリは治安が悪い地区です。しかし、1区から20区の中でも危険な地区や場所、治安が良い地区や場所があるため、治安状況を知ることが大切です。
また、治安が良いと言われる地区や場所でも、スリや置き引きなどの犯罪は日本以上にあるため、貴重品などの管理を徹底する、知らない人に話しかけられても対応しないなどの方法を意識することも必要です。
自分自身がとれる対策や緊急時の対応方法を調べ、パリ旅行を楽しい思い出にしましょう。