日光華厳の滝の心霊スポットは?自殺の名所で心霊写真も撮れる?怖い話も紹介
関東圏にお住まいの方、特に北関東にお住まいの方に、「自殺の名所の滝と言えば?」と聞けば、多くの人が「華厳の滝」と答えるでしょう。それほど強烈な心霊スポットが日光にある華厳の滝です。この華厳の滝が自殺の名所となった由来や心霊現象についてまとめてみました。
目次
日光の華厳の滝は自殺者の霊がさ迷う心霊スポット!?
栃木県の観光名所、日光にある華厳の滝は栃木県内のみならず、県外でも有名な自殺の名所と言われています。日本全国に「自殺の名所」と呼ばれる滝はあるものの、その自殺の文献が残っていなかったり、残っていても江戸時代以前の古い話というのもよくある話。
本当にその滝で自殺があったのかすら定かではない滝も多くあります。華厳の滝の怖いところは、自殺があったことがハッキリと文献で残っており、しかもさほど古い話ではないということ。
それだけに多くの心霊現象や心霊写真の報告があります。
日光の華厳の滝とは?
華厳の滝は中禅寺湖から大谷川(厳密にいうと大尻川)に繋がる部分にある大きな滝。その落差は97m。水量は通常3t、多いときは100tを越えることもある、壮大なサイズの滝になります。
その壮大さから、「日本三大名瀑」(残りの2つは和歌山県の那智の滝と茨城県の袋田の滝)のひとつに数えられており、さらに「日本三大神瀑」(残りの2つは和歌山県の那智の滝と兵庫県の布引の滝)にも数えられています。
現在は観瀑台から見る華厳の滝
現在華厳の滝をキレイに見るには、有料のエレベーターを利用する「観瀑台」から見るのが通常の観光コースとなります。さらに第二いろは坂近くにある明智平の展望台から華厳の滝を見ると、華厳の滝と中禅寺湖が一望できる景色を楽しめます。
華厳の滝の名前の由来
華厳の滝に名前をつけたと言われているのが、奈良時代から平安時代にかけて修行を重ねた僧、勝道上人と言われています。まだ登山道などが整備されていない当時、勝道上人は日光山の登山を試みます。
その行程で華厳の滝を見つけたと言われており、自身が修行をしていた、信仰していた華厳経から「華厳の滝」と名付けたと言われています。
この華厳の滝周辺はその地形から多くの滝があり、この華厳の滝に倣って名付けられた阿含滝、般若滝、涅槃滝などがあります。
場所 | 栃木県日光市中宮祠 |
アクセス | 日光宇都宮道路「清滝IC」から車で約25分 |
危険度 | ★★★★ |
華厳の滝が自殺の名所となったのはなぜ?
最初に説明した通り、華厳の滝は自殺の名所と呼ばれています。そしてその文献もしっかりと残っています。
しかし、現在華厳の滝に近づく方法はなく、近年では自殺はほぼなくなっています。自殺が多発した当時は、まだ渓谷沿いに滝つぼまで歩いていくことができました。そしてこの華厳の滝を自殺の名所にした、決定的な事件が起きます。
エリートの若者の自殺
1903年(明治19年)、当時旧制一高(現在の東京大学)の生徒であった藤村操がこの華厳の滝から身を投げました。この藤村操という青年は単なる東大生のエリートというだけではなく、いわゆる良家のお坊ちゃまであり、その死は大々的に報じられます。
藤村操の父は屯田銀行(現・北海道銀行)の頭取、弟は後に三菱地所の社長を務めた藤村朗。さらに旧制一高でこの藤村操に英語を教えていたのが、あの夏目漱石です。夏目漱石はこの藤村操の死を大変悔やんでおり、彼の作品にも何度かこの死と関係したと思われる記述があります。
『吾輩は猫である』より
「打ちゃって置くと巌頭の吟でも書いて華厳滝から飛び込むかも知れない」
『草枕』より
「余の視るところにては、かの青年は美の一字のために、捨つべからざる命を捨てたるものと思う」
藤村操の自殺の理由は?
藤村操の自殺の理由には2つの説があります。ひとつは哲学的な思想から悩んで自殺をしたという説。もうひとつは失恋を苦に自ら命を絶ったという説です。
当時はどちらの理由か判別がつかず、それもまたマスコミが面白おかしく取り上げるには絶好の材料だったのかもしれません。しかし、後年藤村操が恋をしていたとされる女性の遺品の中から、藤村操が彼女宛に綴った恋文などが見つかり、その内容から失恋の線は薄いと判断されます。
そして自殺の理由として注目を集めるのが、遺言「巌頭之感」です。
藤村操は1903年5月21日、日光市内の宿に泊まります。翌5月22日宿を出た藤村操は華厳の滝へ。そして滝のすぐそばにあるミズナラの木に、「巌頭之感」と題した遺言を削り残します。
その後滝から身を投げ、遺体が発見されたのは7日後の5月29日でした。ミズナラの木に彫りこまれた「巌頭之感」は、その後警察により削られ、そしてその木も伐採されてしまったため、現在では実物を見ることはできません。
巌頭之感
悠々たる哉天壤、遼々たる哉古今、五尺の小躯を以て此大をはからむとす。ホレーショの哲學竟に何等のオーソリチィーを價するものぞ。萬有の眞相は唯だ一言にして悉す、曰く、「不可解」。我この恨を懐いて煩悶、終に死を決するに至る。既に巌頭に立つに及んで、胸中何等の不安あるなし。始めて知る、大なる悲觀は大なる樂觀に一致するを。
巌頭之感の解釈
巌頭之感には様々な解釈があります。だからこそ当時のマスコミも何度も取り上げてセンセーショナルに報じたのでしょう。非常に哲学的な内容であり、藤村操が秀才であることはこの一文を見ても分かります。
ちなみにこの文に出てくる「ホレーショ」とは、シェークスピア作品『ハムレット』に登場する人物名。
藤村操は人生の最後に「大なる悲観は大なる楽観に一致す」と綴っています。勉強ができすぎたエリート青年には、自身の人生の先を悲観し、その思いが行き過ぎた先に死を選択してしまったのかもしれません。
死後4年間で自殺者185名
藤村操が自殺した当時、若者が世を儚んで死を選ぶなどということは珍しい事でした。しかも誰もが羨む両家のお坊ちゃまで、しかも1年飛び級で旧制一高に入学するほどの秀才が、自殺をしたということは大きな衝撃を持って報じられました。
この報道を見た多くの若者が、藤村操の後を追うように華厳の滝に集まるという異常事態が発生します。その数4年間で185名。
地元警察もこのことを重く見て、華厳の滝周辺には常時人員を配置。自殺をするつもりで華厳の滝に集まった若者185名のうち、実際に身を投げたのは40名。少なく感じるかもしれませんが、年間10名が同じ滝に身を投げるのはやはり異常事態に他なりません。
自殺者の霊が留まる理由
もちろんこの世に未練を残して自殺をした人たちの怨念がこの滝に残っていると言えばそれまでですが、もうひとつ注目したいのが滝つぼの形状です。華厳の滝は大きな岩がいくつも張り出しており、滝の上から身を投げても簡単に滝壺には届きません。
多くは滝の途中の岩に引っ掛かり、滝の中ほどにいつまでも放置されてしまうことが多発しました。実際藤村操の遺体も7日間発見されていません。
いつまでも発見してもらえない思い。それも自殺者の怨念をこの地にとどまらせているひとつの理由かもしれません。
華厳の滝では心霊写真が誰でも撮れる!?
華厳の滝は特に心霊写真が撮れるスポットとしても有名。30年以上前までは、「男女一緒に写真に写ると心霊写真になる」という説があり、修学旅行などで訪れた学生の集合写真も、男女別で撮影されていました。
近年でも心霊写真と思われる写真は相変わらず多く、ちょっとネットを検索しただけで多数見つかります。
華厳の滝は渓谷が進入禁止のため、滝壺に近づいて撮影することができません。そのため遠めに滝が写っている写真が中心となり、遠いために岩の形が人に見えるといった「なんちゃって心霊写真」も非常に多いのが事実。
ただし、中にはシャレにならないほど怖い心霊写真も存在しますので、気軽に撮らない方がいいかもしれません。
華厳の滝での怖い体験談3選
最後に文献やネットで見つけた華厳の滝の怖い話を3つほどご紹介します。実際に自分が体験した話ではないので、内容は一部脚色しますが、起こった霊体験の部分はそのまま掲載したいと思います。
体験談① 憑いてくる老婆の霊
数年前友人カップルと私と私の恋人の4人で日光へ旅行に行った時の話です。華厳の滝と言えば心霊写真。私たち4人も「ぜひ怖い写真を撮ろう」とスマホを片手に写真を撮りまくりました。
「ちょっとはしゃぎすぎたかも」
そういって青白い顔で車に乗り込む友人(女性)。しかし、友人の彼氏はなかなか発車しません。
「エンジンがかからない」
その車は半年前に購入したばかりの新車。これまで何のトラブルもなく、当日ももちろん順調に走っていた車が突然不調になってしまったのです。外に目をやると、それまで快晴だったのに周囲には白い霧が立ち込めており、それだけでも妙に不気味な雰囲気でした。助手席の友人を見ると、下を向いて震えているように見えたため、
「大丈夫? 体調悪い?」
と聞きましたが、
「…大丈夫。早く車出して」
しばらくすると急に霧が晴れ、エンジンもかかりなんとか宿に向かうことができました。宿について部屋で落ち着いたところで友人カップルが私たちの部屋へやってきました。
「ねぇ。2人は見た?」
私も彼氏も何のことか分からず詳しく聞くと、どうも友人カップルは華厳の滝にいる時点で老婆の霊らしきものが見えていたそうです。しかも私の隣にずっと憑いていたそうです…。
体験談② 水面に映る大量の顔
小学校の修学旅行で日光へ行った時の話。旅行後に旅行中の写真を見ましたが、華厳の滝の写真にも期待するような心霊写真はナシ。ガッカリしつつもどこかホッとしたのを覚えています。
修学旅行から1週間ほど経ったころ、華厳の滝で一緒に写真を撮っていた友人が学校を休んでしまいました。妙に気になった私は、その日の放課後お見舞いに行くことに。
「大丈夫?」
「…うん。それよりあれから華厳の滝の写真見た?」
「え? 見てないけど」
「そうか…。じゃあ見ない方がいいかも。うん。見ちゃだめだよ」
「見ちゃダメ」と言われると見たくなるのが人間というもの。家に帰り何気なく見た華厳の滝の写真を見ると、滝の表面というか水面に人の顔のようなものが。
「いや、そう見える気がするだけだ」
そう思って見直してみましたが、やはり人の顔が…しかも一つではないんです。いくつもいくつも。よく見れば水面全体が人の顔で埋め尽くされているように見えました。
友人の撮った華厳の滝の写真にも霊らしき人の顔が無数に写っていたそうです。後日お寺にこの心霊写真を持って行き、供養してもらうと友人の体調も戻りましたが、以降、心霊スポットには一切近づかなくなりました。
体験談③ 一人多い?
中学校の時の学校行事で日光に行き、華厳の滝にも行きました。そして滝をバックにクラスごとに記念撮影を撮りました。この写真に大きな問題が。
撮影当時、中学の時には特に話題にもならなかったこの集合写真に不自然な部分があるのが分かったのは大学に入ってから。成人式を前にクラス会が行われたのですが、そのクラス会のこの集合写真を持ってきた子がいたんです。
「うちのクラス35人だったよな?」
その写真を持ってきたクラスメイトがみんなに確認するかのように聞き、みんなも出席番号や席の配置で人数を計算してみたところ、35人で間違いありません。そして問題の集合写真なのですが、生徒が36人写っているのです。
担任、副担任、バスガイドを含めて39名が写っている集合写真。最初は他のクラスの奴がふざけて入っているのでは? などと言っていましたが、改めて写真を確認すると、確かに1人知らない人が写っています。
他のクラスの子でもないですし、誰に聞いても見覚えがないと言います。普通心霊写真に写る霊は、半透明というか薄く写るものだと思いますが、その見知らぬ子はハッキリと写っています。
果たしてあの子は誰だったんでしょうか? 今でも謎のままです。
華厳の滝で悪ふざけはNG
日本屈指の自殺の名所であり、しかも心霊現象が多発する危険なスポットでもある華厳の滝。その反面強力なパワースポットでもあります。訪れる人も多いスポットではありますが、そこには多くの霊が留まっていることは忘れないでください。
決して軽い気持ちで心霊写真を撮ろうとしたり、遊び半分で近づかないようにしましょう。普通に見物に行くだけであれば、さほど怖い場所ではないはずです。
そしてもう一つ。もし何かが見えてしまっても見えてないフリをして速やかに立ち去りましょう。自殺者の霊は寂しがっている霊が多く、自分を認識してくれる人に憑いてしまうかもしれません。
後の禍を断つためにも、霊は無視して立ち去ることをオススメします。