辻占は金沢の正月和菓子!特徴や種類・おすすめ商品など紹介
石川県金沢市に伝わる辻占は、正月になるとお雑煮やおせち料理と並んでよく食べられる和菓子です。金沢以外でも北陸や九州で食べられる機会が多く、見た目や素材も若干異なるようです。今回は辻占の特徴や種類について詳しく紹介します。
目次
金沢の名物和菓子「辻占」について紹介!
石川県金沢市では「辻占(つじうら)」という和菓子が正月の定番とされています。西洋のフォーチュンクッキーに近く、中から出てきた諺で運勢を占えるのが特徴です。
金沢だと辻占は老舗の和菓子屋だけでなく、百貨店やスーパーでも気軽に購入できるポピュラーな存在として有名です。値段も500円と良心的なので、金沢にお越しの際は一度購入してみましょう。
金沢の和菓子「辻占」とは?
まずは辻占について解説しましょう。お正月ではお雑煮やおせち料理と並んで食べられてる頻度が高く、健康や長寿を願いながら食べる縁起物とされているようです。
干支や松竹梅などを模した練り切りの上生菓子と並ぶ程、金沢ではポピュラーな迎春菓子として有名なのが辻占です。どんな特徴があるのか詳しく見て行きましょう。
フォーチューンクッキーの和菓子版
辻占とは言うなればフォーチュンクッキーの和菓子版です。中華料理屋のお土産として見かける機会の多いフォーチュンクッキーのように、割ったら中から諺や格言の書かれた紙が出てきます。
そこには日々を生き抜く上で大きなヒントや示唆に富む言葉が書いてあり、その年を幸福に過ごすのに役立つでしょう。お菓子自体も砂糖ともち米で作ったせんべい皮に包まれており、パリパリした食感が美味しいです。
意味深な言葉が魅力
辻占を割って開くと現れる諺や格言も魅力的です。その中には「かならずおいで」という言葉が入っており、恩人と疎遠になってしまった時にこの言葉を見て励まされたという体験談もあります。
他にも「ゆびいれてみる」「なによりごすき」といった言葉もあり、受け取る人によって解釈が変わるのが興味深いです。抽象的で曖昧なメッセージばかりですが、だからこそ思わずときめいてしまいそうな魅力も感じられます。
辻占の歴史
辻占が誕生した年代は不明ですが、少なくとも明治時代には金沢で作られていた事が判明しています。正月の縁起物としてはもちろん、夜の茶屋街で商人が辻占を年中販売していたようです。
そのうちの1人である今越清三郎は乃木将軍に偶然出会い、受け取った大金を元手に金箔業で成功したという逸話も残されています。また一説によると、フォーチュンクッキーはアメリカで広まった辻占が元になったようです。
金沢の辻占は大きく分けて2種類!
金沢の辻占は2種類あり、それぞれ最中の種と寒梅粉・餅粉を使っています。辻占に何種類の言葉が入っているかは店員も知らず、割って開けてみるまでのお楽しみです。
共通の味としてシンプルな砂糖がベースになっており、子供向けの甘いお菓子と言ってもいいかもしれません。2種類ある金沢の辻占について、特徴や食感などを詳しく見て行きましょう。
種物タイプ
種物とは最中の種を福寿草の花の形に似せ、砂糖をまぶしてから焼き上げたタイプです。お店によっては表面にイラストが描いてあったりと、遊び心を感じさせます。
カラーリングは白や黄色といった原色が有名ですが、ウグイス色・抹茶色・桜色といった日本の伝統菓子らしいバリエーションも目を引きます。袋入りがほとんどですが、箱の中に入っているものもあるようです。
米粉タイプ
米粉タイプは寒梅粉と餅粉から作る柔らかい皮を羽根状に仕上げた辻占です。もち米を蒸して作る生地を寒梅粉と言い、梅の咲く寒い季節に新米で作られたものが上物になると伝えられています。
乾燥はしているものの、京都の生八つ橋に近い「半なま感」が特徴です。硬さと柔らかさを併せ持つ「もにゃり」とした抵抗を指先に感じつつ、開いていくと中から格言の書かれた薄い紙が出てきます。
金沢の辻占の楽しみ方
辻占には割って言葉の書かれた紙を取り出すといった方法が一般的ですが、1人で3個取って紙に書かれた言葉を繋ぎ合わせるなど、様々な楽しみ方が挙げられます。
ここでは辻占をより楽しむための方法を3つ紹介していきましょう。金沢で辻占を購入した後は、割って食べるだけでなく色々と試してみて下さい。
①辻占を3つ選ぶ
まずは辻占独特の遊び方を紹介します。3色の辻占から好きなものを1つずつ選び、繋げていきましょう。それで今年の運勢を占うのが辻占伝統の遊び方です。
まるでフォーチュンクッキーのような方法ですが、複数の文章を繋げていくのが辻占らしいユニークさを感じさせます。正月には一度試してみて下さい。
②紙が破れないようにお菓子を割る
辻占を割る際、力任せにやると中の紙まで破けてしまいます。指先に力を込めながらそっと割るようにしましょう。そうすれば中の紙が破けずに済みます。
辻占の中には小さな紙がクシャクシャの状態で入っており、諺など助言になりそうな言葉が書かれてあります。人生の道しるべとして役立てて下さい。
③出てきた言葉を自分なりに解釈する
辻占に書かれている文章は明治時代に流行った「なぞかけ本」から抜粋されており、一度読んだだけではわかりづらいのが特徴です。
そのため「こんな意味かな?」などと独自に解釈するスタイルが定着化しているので、大人のシャレや言葉遊びとも考えられます。仲間同士で謎の解き合いをするのも正月の一興かもしれません。
金沢で辻占が買えるおすすめ店
金沢で辻占が購入できるお店はそれ程多くはありません。そこで辻占も販売しているお店を3つ紹介するので、金沢観光の際は足を運んでみて下さい。
味はさる事ながらデザインにも遊び心があり、ついリピート買いしてしまう程の人気店ばかりです。お土産として贈っても喜ばれるでしょう。
イラスト入りで可愛い「落雁諸江屋」
落雁を始めとしたセンスのいい和菓子で人気を集めるお店です。素材は国産品が中心で、そば茶や加賀野菜といった珍しい材料も使用し、安心安全なお菓子作りを心掛けています。
日々の生活でお菓子と接する時間を大切にできるよう、優しい味わいの和菓子を多数手掛けています。イラスト入りの可愛らしい辻占も特徴です。
住所 | 石川県金沢市野町1-3-59 |
電話番号 | 076-245-2854 |
営業時間・定休日 | 9:00~19:00 (定休日)1月1日 |
辻占の販売期間 | 年中無休 |
アクセス | 野町駅から279m |
平均予算 | 1,000円~2,000円 |
駐車場の有無 | あり |
公式URL |
中身はことわざタイプ「森八」
390年以上の歴史を誇る老舗和菓子屋です。能登半島に古くから伝わる「宝達葛」など、ミネラルが豊富で滑らかな舌触りによる和菓子作りを心掛けています。
森八の辻占は中身が諺タイプとなっており、割ってみると文章の書かれた紙が出てきます。季節のお菓子と合わせて購入するのもいいかもしれません。
住所 | 石川県金沢市大手町10-15 |
電話番号 | 076-262-6251 |
営業時間・定休日 | 9:00~18:00 (定休日)1月1日・2日 |
辻占の販売期間 | 年中無休 |
アクセス | 橋場町バス停より徒歩1分 |
平均予算 | 1,000円~2,000円 |
駐車場の有無 | あり |
公式URL |
米粉タイプならここ!「兼六園本舗高砂屋」
100年以上の歴史を持つ上質な和菓子屋であり、茶会や法事など冠婚葬祭からプレゼント用まで幅広く利用されています。高砂屋の辻占は米粉タイプが中心で、三色のバリエーションが可愛いと評判です。
中の紙にはシンプルながら、力強く後押ししてくれる縁起の良い言葉が書かれてあります。新年は簡潔でもしっかり励まして欲しいという人におすすめです。
住所 | 石川県金沢市石引2-7-4 |
電話番号 | 076-221-0151 |
営業時間・定休日 | 10:00~18:00 (定休日)日曜日 |
辻占の販売期間 | 年中無休 |
アクセス | 金沢市バス「上石引」で下車後に徒歩1分 |
平均予算 | 1,000円~2,000円 |
駐車場の有無 | あり |
公式URL |
もう1つの金沢銘菓・福徳煎餅を紹介!
辻占と並んで正月によく食べられる和菓子が福徳煎餅です。こちらも金沢近郊で食べられるのがほとんどで、土人形を入れてあるので食べてみるまで中身はわかりません。
餅種を打ち出の小槌や堤の形にしてから白と黄色の2色に焼き、中に金平糖を入れてカリカリした食感も加えています。現在は1店舗でしか作られていないので、金沢観光で見かけたら購入してみましょう。
金沢名物「辻占」を買ってみよう!
辻占は金沢では正月の定番とされる食べ物の1つです。1年の運勢を占う事もできるので、結果次第ではその年を円満に過ごせるでしょう。
金沢だとどこでも購入できる事から、お土産としても人気があります。辻占を買って食べるだけではなく、そこに書いてある言葉を解釈しながら人生の道しるべとして役立てましょう。