京都は名探偵コナン映画「迷宮の十字路」・から紅の恋歌の聖地!
日本有数の観光都市として名を馳せる「京都」。そんな「京都」を舞台に描いた作品は意外と多いです。人気推理アニメ、「名探偵コナン」もまたその一つ。「劇場版名探偵コナン」で描かれた「京都」を辿りながら、「名探偵コナン~京都聖地巡礼の旅~」と題してご紹介いたします。
目次
京都は名探偵コナンの聖地! おすすめスポットを紹介!
「まるたけえびすにおしおいけよめさんろっかくたこにしき」。艶やかな着物を着た女の子が、綺麗な鞠を着きながら口ずさんでいるのは、日本の古都「京都」に伝わる「数え歌」。
京都の通り名を覚えるための手鞠歌として京都に独自に育った文化から始まるのは、人気アニメ「名探偵コナン」の劇場作品第7作「劇場版名探偵コナン~迷宮の十字路~」です。
2003年に上映公開された「劇場版名探偵コナン~迷宮の十字路~」では、作中の舞台に「京都」が選ばれました。人気アニメ「名探偵コナン」。主人公である江戸川コナンの本来の名前である「工藤新一」を「東の工藤」と称する名声に対して、「西の服部」の名を冠する名探偵が作中では登場します。
「工藤新一」と同じく「高校生探偵」の肩書きを持つのは、「服部平次」。大阪出身の高校生名探偵は、主人公江戸川コナンの良き親友、良きライバルとして登場します。関西圏を主なテリトリーとする服部平次に絡めて、「名探偵コナン」では「京都」が頻繁に登場します。
劇場版作品では、2003年公開の「劇場版名探偵コナン~迷宮の十字路~」や2017年公開上映作品「劇場版名探偵コナン~から紅の恋文~」の舞台として描かれました。
誰もが知っている日本有数の観光地「京都」。実は「名探偵コナン」の聖地でもあります。「劇場版名探偵コナン」の作中に描かれたストーリーを追い掛けながら、劇中で描かれた「作中の京都主要スポット」をご紹介していきます。
ちなみに、記事冒頭でご紹介したのは「京都」の「通り名」を子どもたちが手遊びに覚えるための京都独自に育った「手鞠歌」でした。「劇場版名探偵コナン~迷宮の十字路~」冒頭で口ずさまれる手鞠歌は少し間違いを帯びて覚えられてしまっています。
幼少の服部平次少年が出会った可愛い女の子から仕掛けられた謎かけで始まる「迷宮の十字路」。コナンの良きライバルである西の服部が「京都」で出会った女の子は、「京都」の「通り名」に日頃から馴染んでいたというわけではないようです。
名探偵コナンでおすすめの京都の聖地巡礼スポット【迷宮の十字路編】
人気アニメ「名探偵コナン」から、「劇場版名探偵コナン」の舞台として作中で描かれた京都の「劇中主要スポット」を「名探偵コナン~京都聖地巡礼の旅~」と題してご紹介。まずは2003年上映公開、「劇場版名探偵コナン~迷宮の十字路~」の劇中で大きな意味合いを持つ場所として登場した「京都」をご紹介します。
映画そのまま! 「京都駅」
東京からはるばるとやってきたのは毛利小五郎。京都のとある寺院の住職から依頼を受けて小五郎が降り立ったのは、JR西日本のレールが走る「京都駅」。
駅ビルと呼ばれる高層階の建物のなかに構えを抱く「京都駅」は、「劇場版名探偵コナン~迷宮の十字路~」劇中で非常に高い再現度で描かれました。コナンや小五郎が降り立った「京都駅」は、ほとんど本物のままの賑わいをJR西日本京都駅にて見ることができます。
烏丸口
「烏丸口」の別名通称は「中央改札1階」。京都駅でいちばん大きな改札口であり、京都の玄関口ともいえるターミナルです。改札から向かって正面には「京都タワー」を臨み、駅ビルに隣接した伊勢丹デパート、ホテルグランヴィア京都などと連結しています。
改札出口から正面に広がるのは、市内一円を縦横無尽につなぐ足である市バスのバスターミナル。京都市内には路面電車や阪急電鉄、市営地下鉄と数多くの交通網が広がっていますが、京都の玄関口である京都駅烏丸口にターミナルを構える市バスも市内の大切な足であり、観光名所にも広くバスでの足は広げられています。
新幹線ホーム
東京から新幹線でやってきたコナンたちが降り立ったのは、京都駅の新幹線ホーム。「烏丸口」と呼ばれる中央改札からこの新幹線ホームを挟んで、京都駅のもう一つの大きな出口である「八条口」を臨みます。近鉄戦の乗り場と隣接している構造です。
京都タワー
「京都」の玄関口でもある「烏丸口」からも姿を一望することができる「京都タワー」。かつては京都を代表する高層ビルでもありました。また、展望台を設けた観光スポットのひとつでもあります。
犯人を追い掛けて「梅小路公園」
犯人と思しき人影を追い掛けたコナンが辿り着くのは、「梅小路機関車公園」とも呼ばれる「梅小路公園」。2020年現在、京都駅から増設された「JR梅小路駅」が最寄り駅と若干変化しています。京都水族館に隣接しており、敷地内には桜や紅葉を楽しむことのできる並木道が作られています。
コナンと平次が出会う「五条大橋」
京都市内を流れる一級河川「鴨川」を臨むことのできる「五条大橋」。牛若丸・弁慶像などを目にしながら推理を組み立てようとするコナンの背後から、唱歌「牛若丸」の一節を口ずさんで切り掛かるのは、服部平次。「京の五条の橋の上」と口にしながら現れた平次とコナンの漫談劇が始まる場面に、平次とコナンは偶然の再会を果たします。
古くは清水寺参詣のためとして掛けられた木造建築であったと伝えられる大橋。現在は、豊臣秀吉治世に秀吉の命によって造り替えられた石造りで京都に残されています。京都の歴史の中で木造建築に戻された時期や洋風の欄干に造り替えられた時期なども持ちますが、擬宝珠と呼ばれる寺院や橋の飾り付けを施した今の形に落ち着きました。
なでると力持ちになる? 「弁慶石」
「名探偵コナン~迷宮の十字路~」作中で大きな意味を持つのが「義経」と「弁慶」のキーワードです。武蔵野坊弁慶に由来するといわれる「弁慶石」。京都の繁華街、寺町三条を西に入った麩屋町(ふやちょう)通りの辻の一角に飾られています。
麩屋町のビルに石碑や記念碑と同じく美しく飾られた「弁慶石」。歴史に名を残す「弁慶」は、非常に大柄で力のある豪武者でした。弁慶に由来するこの石は、「男の子が触ると力持ちになる」という弁慶に由来する伝承と謂れを持ちます。
義経のゆかりの地「僧正ケ谷不動堂」
「名探偵コナン~迷宮の十字路~」劇中のストーリーの主軸には、「源義経」が大きく関わります。義経の伝承を伝える「義経記」や義経の名前はコナンたちが紐解いてゆく事件の真相や犯人と深く交わりを見せるのが、徐々に明かされてゆく劇中の舞台と京都。
劇中にも登場する叡山電鉄から最寄り「鞍馬山僧正ケ谷不動堂」は、ポスターを飾る「貴船神社」からほど近く、京都市左京区に構えを持つ寺院です。別称を「義経堂」と呼び、「源義経」を御祭神として祭ります。
義経の幼名である「牛若丸」。京都は鞍馬といえば有名どころは「鞍馬天狗」と呼ばれる大天狗でもあります。鞍馬天狗に牛若丸が兵法や武芸の稽古をつけられたと謳うのは、「謡曲鞍馬天狗」の物語。「僧正坊」とも呼ばれる鞍馬天狗と若き日の義経、牛若丸の不思議な師弟関係を言い伝えた物語と伝承に親しむのが「僧正ケ谷不動堂」です。
映画のポスターにもなった「貴船神社」
「私たち、やっと逢えたんだね」のキャッチコピーが躍る「劇場版名探偵コナン~迷宮の十字路~」ポスター。京都を舞台に描く本作の背景として選ばれたのは、京都は左京区に構えを持つ「貴船神社」です。作中に登場するわけではないのですが、広告塔として張り出されたポスターには貴船神社が大きく描かれました。
「高龗神(たかおかみのかみ)」と呼ばれる水神、龍神を御祭神として祭る貴船神社。正確な創建の頃を記すものはありませんが、天武天皇の治世である約1300年前には貴船神社の造り替えが行われたと残されています。「古事記」や「日本書紀」にも登場する「神話」に名を連ねる御祭神を祭る京都有数の寺院です。
京都の観光名所「清水寺」
「清水の舞台から飛び降りる」という例えを耳にされたことはないでしょうか? 貴船神社と同じく京都有数の観光寺院でもある「清水寺」。音羽山清水寺の名を冠する寺院の歴史は西暦778年に遡ります。
「思い切ったことをやってみる」という意味合いを示す「清水の舞台」。音羽山中腹に広がる境内からは、京都の街並みを見下ろした絶景が広がります。参詣に訪れる人々の賑わいも季節を問わず、境内からつながる細道には京都の風情を楽しむことのできる茶屋や陶器の店並みが軒を連ねる京都が誇る観光地です。
「劇場版名探偵コナン~迷宮の十字路~」作中に大きく意味を持つのは、この清水寺で「義経」と「弁慶」が二度目の出逢いを果たしたと伝えられる場所でもあります。
小五郎たちが舞妓さんたちと食事を楽しむ「先斗町」
「名探偵コナン」が誇る「迷探偵」なる毛利小五郎。小五郎のおっちゃんが「迷推理」を披露する舞台ともなるのが、「京都先斗町」の「お茶屋」です。「先斗町」と記して、「ぽんとちょう」と京都では読みます。服部平次少年が出会ったと思しき女性が「舞妓さん」として登場します。
京都の通り名数え歌を諳んじる舞妓さんと小五郎たちが、料理に舌鼓を打ちながら「お茶屋遊び」と呼ばれる遊びに興じる「先斗町の茶屋町」。京都の顔とも言うべき「舞妓さん」は、「お茶屋」と呼ばれる店に籍を置いています。
「お茶屋」・「花街」と呼ばれる京都の繁華街で、独自に発展した「遊び」を楽しむのが「お茶屋遊び」と称される「おもてなし」。お座敷を備えた料亭などに舞妓さんをお呼びする場合もありますね。
元太が見つかった「六角堂」
迷子になってしまった元太少年を探して向かったのが京都の「六角堂」。紫雲山頂法寺とも呼ばれますが、一般的な通称は「六角堂」で知られています。西国三十三か所の札所でもある寺院です。
弁慶と牛若丸が出会ったとされている「五条天神」
「京の五条の橋の上、大の男の弁慶が長い薙刀振り翳し、牛若めがけて切り掛かる」。文部省唱歌「牛若丸」が謳う京都五条大橋の「義経」と「弁慶」の出逢い。唱歌「牛若丸」では五条大橋と謳われますが、コナン劇中に登場する「義経記」では2人の出逢いは京都は「五条天神」であったと伝えられます。
太刀千本を誓った「弁慶」が徘徊していた京都の町。五条天神社に願掛け成功の祈願を掛けていた彼の前に、見事な黄金の太刀を佩いた若武者、「牛若丸」が現れます。999の太刀を既に修めていた弁慶の前に現れた1000人目。切り掛かった弁慶を軽い身のこなしでよけ去った牛若が描かれた物語は非常に有名です。
京都三大祭りのひとつ、「祇園祭」の鉾の舞台でもこの「義経」と「弁慶」の出逢いは描かれています。お祭りしている祭神がもたらすのは、病気退散・厄除け。また、農耕・医薬のご利益を頂ける社として信仰されています。
名探偵コナンでおすすめの京都の聖地巡礼スポット【から紅の恋文】
「名探偵コナン」が京都を舞台に描いた劇場版作品は、「迷宮の十字路」ともうひとつ、「劇場版名探偵コナン~から紅の恋文~」です。「から紅の恋文」劇中に描かれた「京都嵯峨嵐山」もご紹介します。
皐月杯のかるた会場「嵯峨嵐山文華館(旧小倉百人一首殿堂時雨殿)」
劇中の主軸になる「小倉百人一首」。「かるた遊び」の名前で一般には知られる百人一首を競技として競う「競技かるた」の大会場所として登場するのが「嵯峨嵐山文華館」です。実際の「競技かるた」の大会が執り行われる場所であり、百人一首の歴史などを伝えるミュージアムとしても解放されています。
阿知波会館のモデル? 「天龍寺」「近江神宮」
「劇場版名探偵コナン~から紅の恋文~」物語終盤で、ストーリーの主軸となって動いた「かるた」の決勝戦の場として描かれるのは、舞台を大阪から京都に移した「阿知波会館」。
色艶やかな紅葉に包まれた景色を映すこの会館のモデルは、京都の「天龍寺」をモデルとして描かれたのではないかとされています。広間や庭園を「天龍寺」から、「阿知波会館」の「門構え」を「近江神宮」から映し出されているようです。
京都の歴史とコナンの辿ったストーリーを共に追いかけて
日本有数の観光都市「京都」で描かれた「劇場版名探偵コナン~迷宮の十字路~」をメインに、コナン劇中で描かれたエピソードと史実が遺す京都などをご紹介してきました。西の服部のテリトリーとほど近い「京都」は、実は「名探偵コナン」作中に度々登場する「コナンの聖地」でもあります。
ご紹介した史実やエピソードなどを踏まえながら、今一度作品をご覧になると、より一層物語に面白みが加わるのではないでしょうか。