長野のサイクリングロード！おすすめコースで自転車の旅を楽しもう

自然豊かで起伏に富んだ地形の長野県にはサイクリングロードやサイクリングに最適な眺めの良い道がたくさんあります。この記事では、長野のサイクリングコースを、サイクリング初心者さんにも安心な基礎知識とともにご紹介します。

長野と言えば「日本の屋根」と呼ばれる標高3000m級の山々です。日本アルプスと呼ばれる赤石、木曽、飛騨の3つの山脈の間を、松本盆地や長野盆地といった小さな平野部、そして千曲川や天竜川、木曽川といった河川が横たわり、雄大な信州の自然を形成しています。

そんな長野県のサイクリングロードは、起伏があるコースや景観の変化が豊かなコースがあり、自転車で走る楽しみを存分に味わえるのが特徴です。

山地を通るコースも多く、都市部も少ないので、開けた視界を爽快に駆け抜けることができるのも特徴です。大自然のきれいな空気を楽しみつつ、随所でシャッターチャンスがあるので、走りがいがありそうです。

サイクリングが盛んな長野では、駅前のレンタサイクルも充実しています。自転車を運びつつの長距離旅行はなかなか大変なので、上手にレンタサイクルを利用して、お得に自転車の旅を楽しむのもおすすめです。

ここでサイクリング初心者のために、おすすめのサイクリング用自転車をご紹介します。自転車といっても、サイクリングってどんな自転車がいいの？という疑問にお答えします！

結論からいえば、整備されたサイクリングロードでサイクリングする場合、クロスバイク、ロードバイク、E-バイクの3つが適しています。それぞれの特徴を以下で見ていきましょう。

3つの自転車の中でも特に初心者におすすめなのがクロスバイクです。クロスバイクはマウンテンバイクとロードバイクのいわば良いとこ取りの自転車で、シティサイクル（ママチャリ）よりも速度が出るものの、ロードバイクよりも車輪が太く、段差に強いのが特徴です。

ママチャリでは速度が出ずかえってサイクリングロードでは危険ですが、ロードバイクは速度に特化している分少しの段差でも、慣れていないと転倒の恐れがあります。その点。クロスバイクは少し荒れた道でも安全に走れて、なおかつ速度もきちんと出るのが魅力です。

これらの点から、クロスバイクはサイクリングコースを走りたい初心者にもっとも適した自転車といえます。

ロードバイクはクロスバイクよりもタイヤの幅が細く、前傾姿勢をとりやすいようなフレームやハンドルの形状で、速度に特化した自転車のタイプです。車体も軽く、速度が出しやすい反面、細いタイヤもあいまって段差や砂利道ではコントロールが難しいです。

ある程度自転車の扱いに慣れていて、レースへの参加も視野に入れたトレーニングを行っているなど、上級者向けの自転車といえるでしょう。

電動アシスト付きのE-バイクも最近は人気です。

従来の電動アシスト付きシティサイクルは、街乗りが主体で信号やすれ違いなどで止まったり走ったりすることを想定して設計されています。

それに対してE-バイクは、長距離・高速走行に適したバッテリー設計で、従来のロードバイクやクロスバイクと同じように走行でき、しかも電動アシストがつく優れものです。

男性と女性、若い人と年配の人など、体力差があるグループで走行する場合にとても便利なタイプの自転車です。また、長野県のサイクリングロードは高低差が大きい箇所もあるので、そのようなコースの難しさをカバーしてくれる自転車でもあります。

自転車を選んだら、実際にサイクリングロードを走ってみましょう！

まずは、長野県のサイクリングコースの中でも、自転車だけが走行できる自転車道をご紹介します。自転車道なら車がいないので、危険も少なく走行できます。また、途中には駐輪場や休憩ポイント、トイレも整備されているので、初心者でも安心して旅を続けられます。

「一般県道穂高松本塩尻自転車道」、通称「あづみ野やまびこ自転車道」は、長野県中部の安曇野、松本、塩尻を結ぶサイクリングロードです。現在も整備が進められ、安曇野〜松本間が完成しています。

途中には安曇野の田園地帯、松本盆地を流れる清流・奈良井川、塩尻宿の昔の町並みなど、見どころもたっぷり。松本では名城・松本城や開智学校などの観光名所も数多く見られます。信州の歴史を満喫できる、歴史好きにもおすすめのコースです。

安曇野市内ではJR大糸線穂高駅、JR篠ノ井線明科駅などでシェアサイクルをレンタルすることもできるので、現地まで手ぶらで行くこともできる気軽なサイクリングロードです。

千曲川の堤防沿いを走る「一般県道上田千曲長野自転車道」、通称「千曲川サイクリングコース」は、上田市中之条から長野市笹ノ井塩崎を結ぶ長距離コースです。

豊かな千曲川の流れを横に見ながらの走行は爽快！スタート・ゴール地点の「カラコロ足湯」で疲れを癒やしましょう！

周辺には他にもサイクリングコースが複数あり、あんずの里や姥捨駅などの見どころを回れる個性豊かなコースです。信州の鎌倉とよばれる上田市の歴史情緒も、ぜひ楽しんでください。

飯田市上郷別府から下伊那郡松川町元大島を結ぶ約3kmのサイクリングコースです。天竜川に沿ったコースで、長野の名刹善光寺のもととなった「元善光寺」があり、有名な干し柿「市田柿」の産地でもあります。

長さ約3kmと短いので、初心者向けのコースでもあります。

自転車専用に整備されたサイクリングロードではありませんが、サイクリングに最適なコースが長野には他にもあります。

長野県の茅野市と上田市を結ぶビーナスラインは、白樺湖、蓼科高原、霧ケ峰高原を横断する眺めの良い観光道路です。特に標高約1650 mの霧ヶ峰付近は視界が大きく開け、爽快に走ることができます。

途中には展望台やドライブイン「霧の駅」などの施設も充実していて、急勾配のハードな道のりながら、休憩がしっかりとれるのも助かります。茅野駅からのアクセスもわかりやすく、県外からのサイクリング客にも人気のコースです。

江戸時代の旧中山道の要所であった笠取峠は、現在でも街道の名残を感じさせる歴史のあるコースです。約2kmにわたって松並木が続き、一部は石畳も整備されているなど、観光サイクリングロードとしても人気です。

歌川広重の浮世絵『中山道六十九次』そっくりの景観を楽しみながら、ヒルクライムもしっかり楽しめる、内容の濃いコースです。

軽井沢観光に自転車はいかがでしょうか。以外と広い軽井沢の街ですが、一方通行なども多く歩行者もあちこちにいるので、車での観光は意外と不便。そんなときは自転車での観光がおすすめです。

軽井沢駅前などにはレンタサイクルもあるので、手ぶらで行っても大丈夫！自転車で軽井沢郊外や観光名所を巡るサイクリングは、新たな軽井沢の魅力を発見できる旅になりそうです。

まだまだあります、長野県のサイクリングロード！

長野県大町市にある木崎湖は、1周約1時間半の湖です。湖を見ながら気軽にサイクリングが楽しめ、アップダウンも少ないので家族や年配の方にも安心です。駅から近く、現地までは公共交通機関を使いたいという方にもおすすめのコースです。

湖の南には温泉施設があるほか、近隣の葛温泉からお湯を引いた木崎湖温泉があり、いくつかの民宿や浴場が軒を連ねています。サイクリング終わりの温泉は格別の気持ちよさ！疲れも吹き飛びそうです。

飛騨山脈の南部にある乗鞍高原の「休暇村乗鞍高原」では、様々な高原スポーツやレクリエーションが楽しめますが、サイクリングもそのひとつです。

しっかり整備されたサイクリングロードがあり、初心者向けの一の瀬周辺コースは子供でも楽しめる平坦なコースな一方、観光センター前から畳平間のコースは上級者向けのヒルクライムコースで、しっかりサイクリングを楽しむことができます。

高原の爽やかな空気を吸い込みながら、それぞれに合ったコースで自転車を走らせましょう！休暇村には他にもキャンプ施設や温泉施設もあるので、サイクリングをした後はキャンプでおいしいご飯を食べ、ゆったりと温泉に浸かる夢の一日も可能です。

長野県茅野市の蓼科湖は、蓼科高原に作られた灌漑用の人工湖です。カラマツやシラカバに囲まれた湖の周辺は、まるで外国のようなロマンティックな景観が広がります。周辺にはいくつかのサイクリングコースがありますが、一番のおすすめは蓼科湖周辺コースです。

平坦な湖一周のコースは急いで周って2時間、ゆったり観光しながら走って4時間程度の所要時間です。レンタサイクルも複数のお店があるので、マウンテンバイクからE-バイクまで、自分の体力やコースに合った自転車でサイクリングすることができます。

上でご紹介したビーナスラインから蓼科高原に入って蓼科湖畔に来ることも可能なので、慣れてきたら自分なりにコースを組み立てて走るのもサイクリングの楽しみのひとつです。

長野県は中山道が通り、中央構造線が走る、歴史的にも地形的にも重要な場所です。数々の歴史的建造物のほか、3つの山脈、数多くの盆地と清流がちりばめられた、見どころの多い県です。

長野県は、県が整備する3つのサイクリングロードの他、観光地周辺のサイクリングロードも数多く整備された自転車王国でもあります。平坦な初心者向けコースからアップダウンの激しい上級者向けコースまで、バリエーションも多彩。

豊かな自然の中を自転車で走る爽快な体験を、ぜひ自分の体力や装備に合ったコースで楽しみましょう！もちろん水分補給や休憩を忘れずに！