桜桃忌は太宰治を偲ぶ日!さくらんぼとの関係についても紹介
桜桃忌は、太宰治を知るためにかかせないキーワードです。太宰治をしのぶ日である桜桃忌は、どのように誕生したのでしょうか。桜桃忌と太宰治の関係を、彼の生涯にふれながら紹介します。また、桜桃忌に訪れたい三鷹駅周辺にある太宰治ゆかりの地や、グルメ情報もまとめました。
桜桃忌って知っていますか?
桜桃忌(おうとうき)は太宰治が亡くなった日をさす言葉です。なぜ桜桃(さくらんぼ)と名のつく忌日になったのでしょうか。太宰治とさくらんぼの関係や、桜桃忌のイベント、太宰治とゆかりの深い観光スポットを紹介します。
太宰治について
太宰治といえば、言わずと知れた日本の文豪。『走れメロス』や『人間失格』など、名だたる作品を数多くのこしました。
左翼活動に薬物中毒、たび重なる自殺未遂など、波乱万丈な人生を歩んだ太宰治。自身の生涯を色濃く反映した小説は共感を呼び、作品が映画化されるなど、死後70年以上が経った現在でもたくさんの人の心をつかみ続けています。
桜桃忌と太宰治の関係
太宰治は愛人と入水自殺をはかり、38歳で亡くなりました。遺体が見つかったのは1948年6月19日。偶然にもその日は、太宰治の誕生日でもありました。
青森出身であったこと、死の直前に執筆された作品が『桜桃』というタイトルだったことから、6月19日は「桜桃忌」と呼ばれるようになります。
当初は太宰治と親しかった作家仲間や親族たちが集まって、酒やさくらんぼをつまみながら太宰治をしのぶ小規模な会でした。ですが時を経るごとに多くの太宰治ファンも集まるようになり、現在でも桜桃忌に太宰治の墓を訪れる人はあとを絶ちません。
由来は親交があった今官一
「桜桃忌」は、直木賞の受賞歴もある今官一(こんかんいち)によって名付けられました。6月に故郷の青森で実るさくらんぼの色あざやかさと、太宰治の作品の素晴らしさを重ねて名付けられたといわれています。
ともに青森出身の2人は、三鷹でも親交を深めました。今官一は太宰治の死後「語り残しも書き残しもない」と語るほどに、太宰治に関する書籍や評論本を執筆しています。
桜桃忌は東京の三鷹市で開催
太宰治が暮らし、生涯を閉じた三鷹。桜桃忌には太宰治をしのぶ人たちが多く集まります。
三鷹駅周辺には、太宰治の墓があるお寺や、彼の暮らした足跡が多く残ります。太宰治の生涯を学べる施設やガイドなどもあり、散策をしながら彼の足跡をたどるのも面白いでしょう。
住所 | 東京都三鷹市下連雀3丁目46 |
電話番号 | 050-2016-1600 (JR東日本お問い合わせセンター) |
営業時間・定休日 | 6:00~24:00 |
料金 | 新宿より¥220 |
アクセス | 新宿より20分 |
公式URL | JR東日本八王子支社ホームページ |
桜桃忌のイベント
桜桃忌である毎年6月19日、三鷹駅周辺では、太宰治にまつわるイベントが多く開催されます。
太宰治が眠る墓所への参拝をはじめ、ガイド付きの散策、朗読会など、太宰治の作品や生涯に触れられるイベントは、より太宰治を身近に感じられるでしょう。
桜桃忌に三鷹を訪れるなら、観光協会や市のホームページなどで情報収集するのがおすすめです。
住所 | 東京都三鷹市下連雀3-24-3-101 |
電話番号 | 0422-40-5525 |
営業時間・定休日 | 9:00~18:00 【定休日】火曜日 |
料金 | 無料 |
アクセス | JR中央線「三鷹駅」より徒歩1分 |
公式URL | みたか都市観光協会 |
桜桃忌の行き方
桜桃忌といえば、多くのさくらんぼや花がそなえられた太宰治の墓の風景です。桜桃忌の雰囲気を味わうなら、まずは太宰治の墓がある「禅林寺」へ足を運んでみましょう。太宰治の墓は、禅林寺本堂の裏手にある墓所の一角にあります。
『花吹雪』という短編小説に、禅林寺にある森鴎外の墓について書いた一節があり、その意思をくんで、太宰治の墓は森鴎外の墓の向かいに建てられました。
誰がはじめたのか、墓石に掘られた名前にさくらんぼを押し込むという風習も長く続く桜桃忌。一風変わった光景を目にすることもできるでしょう。
住所 | 東京都三鷹市下連雀4-18-20 |
電話番号 | 0422-44-8365 |
営業時間・定休日 | 8:00~日没 |
料金 | 無料 |
アクセス | JR中央線「三鷹駅」より徒歩10分 |
公式URL | 禅林寺ホームページ |
桜桃忌に訪れたい観光スポット
三鷹は、太宰治が38歳で亡くなるまでの約10年間をすごした土地です。そんな三鷹エリアには、太宰治が仕事場として使った場所や、通った料理店などの記録が多く残っています。
桜桃忌に三鷹を訪れたなら、太宰治の墓だけでなく、周辺を散策して太宰治の足跡もたどってみましょう。
1歴史が学べる「太宰治文学サロン」
『十二月八日』の作品中にも登場し、太宰治が酒を買うためによく訪れた「伊勢元酒店」の跡地に建てられた施設です。太宰治直筆の原稿やパネル展示のほか、ボランティアによる展示ガイドも行われています。
住所 | 東京都三鷹市下連雀3-16-14 グランジャルダン三鷹1F |
電話番号 | 0422-26-9150 |
営業時間・定休日 | 10:00~17:30 【定休日】月曜日/年末年始 |
料金 | 無料 |
アクセス | JR中央線「三鷹駅」より徒歩3分 |
公式URL | 太宰治文学サロン |
2.小説にも出てくる「田辺肉店離れ跡」
太宰治が創作活動をするために借りたアパートがあった場所です。ここで1947年から『斜陽』の続きを書き、のちに『犯人』という小説の舞台として作品にも登場しました。
現在は飲食店が入るビルになっていて、ビルに向かって右手の壁に、太宰治の足跡を伝える「ゆかりの案内板」が設置されています。
住所 | 東京都三鷹市下連雀3丁目23-12 |
電話番号 | 0422-40-5525 (みたか都市観光協会) |
営業時間・定休日 | 24時間 |
料金 | 無料 |
アクセス | JR中央線「三鷹駅」より徒歩3分 |
公式URL | 三鷹市ホームページ |
3.太宰治が祀られている「玉鹿石」
太宰治をしのんで、故郷である青森から石を運んで作られた石碑です。三鷹駅付近から井の頭公園方面へ、玉川上水沿いに続く「風の散歩道」の途中にあり、太宰治は自殺のためこの付近で入水したといわれています。
玉鹿石(ぎょっかせき)は青森県の特産で、乱掘により、現在では天然記念物に指定されている貴重な天然石です。
住所 | 東京都三鷹市下連雀3丁目6-54 |
電話番号 | 0422-40-5525 (みたか都市観光協会) |
営業時間・定休日 | 24時間 |
料金 | 無料 |
アクセス | JR中央線「三鷹駅」より徒歩5分 |
公式URL | 三鷹市ホームページ |
桜桃忌におすすめのグルメスポット
太宰治にまつわる散策スポットが点在する三鷹駅周辺には、魅力あるグルメスポットも豊富です。散策の途中におすすめのグルメスポットを紹介します。
1.孤独のグルメで有名「いしはら食堂」
『孤独のグルメ』の原作者も通い、テレビに取り上げられることもある「いしはら食堂」は、三鷹では有名なグルメスポットです。
ノスタルジックな大衆食堂の雰囲気と、リーズナブルなメニューが人気を集めています。
住所 | 東京都三鷹市下連雀3-6-27 |
電話番号 | 0422-47-6714 |
営業時間・定休日 | 【日~金】5:00~20:00 【定休日】土曜日 |
料金 | メニューによる |
アクセス | JR中央線「三鷹駅」より徒歩5分 |
公式URL | なし |
2.イタリアンなら「わざや」
クオリティの高いパスタが種類豊富に楽しめるスポットです。
近くには太宰治が原稿の受け取りなどで利用していた「三鷹駅前郵便局」があります。
住所 | 東京都三鷹市下連雀3-37-40 藤ビル1F |
電話番号 | 0422-48-6038 |
営業時間・定休日 | 11:30〜15:00 18:00〜21:00 【定休日】火曜日 |
料金 | ¥1,000~¥1,999 |
アクセス | JR中央線「三鷹駅」より徒歩3分 |
公式URL | わざや |
3.お蕎麦が美味しい「手打ち蕎麦 太古福」
本格的な手打ちそばが味わえるスポット。売り切れしだい閉店なので、早めの来店がおすすめです。
近くには太宰治が通った飲食街「太宰横丁」や、仕事場として使用していた「小料理屋千草跡」があります。
住所 | 東京都三鷹市下連雀3-23-17 石井コーポB1F |
電話番号 | 0422-26-6780 |
営業時間・定休日 | 11:00~売り切れまで 【定休日】月曜日 |
料金 | メニューによる |
アクセス | JR中央線「三鷹駅」より徒歩2分 |
公式URL | 手打ち蕎麦太古福Twitter |
4.焼き肉なら「焼肉ぎゅうぎゅう三鷹本店」
質の高い黒毛和牛が気軽に味わえるとして、三鷹エリアで人気の高い焼肉店。
三鷹駅からは4㎞ほど離れているため、車で桜桃忌のイベントや観光に訪れる人におすすめです。
住所 | 東京都三鷹市新川5-15-1 |
電話番号 | 0422-44-1129 |
営業時間・定休日 | 【月~火/木~土】11:30~25:00(L.O.24:00) 【日祝】11:30~24:00(L.O.23:00) 【定休日】水曜日 |
料金 | 【昼】~¥999 【夜】¥3,000~¥3,999 |
アクセス | 京王線「仙川駅」よりバスで10分 |
公式URL | 焼肉ぎゅうぎゅう三鷹本店 |
桜桃忌で太宰治を感じよう!
桜桃忌と太宰治の関係、桜桃忌のイベントや観光スポットを紹介しました。桜桃忌である6月19日に三鷹エリアを訪れるなら、太宰治とゆかりの深い場所も散策してみましょう。本を読むだけではわからなかった、太宰治作品の魅力を発見できるかもしれません。