ラピュタのモデルになった場所を紹介！天空の城の舞台の見どころも

「天空の城ラピュタ」はスタジオジブリの第1作目の作品として、1986年8月2日に公開されてから、多大な人気を誇っています。この作品は宮崎駿が小学校時代に空想していた話がもとになっており、原作は存在していません。

ラピュタの空中に浮かぶ城という奇想天外な発想は、子供向けに作成されたアニメ映画だったにもかかわらず、当時の大人たちの熱狂的な支持を得ました。以来全世界中でラピュタは子供から大人まで全層に愛され続けているのです。

ところで、実際に空中に浮かんでいる城というのは現存しませんが、まるで空中に浮いているように見える城は現存します。もしかしたらこのような城がある場所が「天空の城ラピュタ」のモデル地になったのかも知れません。

イギリスのウェールズ地方には中世の城が残っています。そのうちの一つの場所が上の画像のポウィス城で、この城の場所が天空の城ラピュタのモデルになったのではないかと言われています。

さらにパズーとシータが暮らしていた家のまわりの場所の風景は、南ウェールズがモデルとなっているようです。緑豊かな丘陵などの自然が美しく、ラピュタのアニメ映画にふんだんに出て来た風景はウェールズそのものです。

宮崎駿監督は世界各地の場所にラピュタのロケを敢行していますが、ウェールズもそのうちの一つの場所であることを公表しています。

ラピュタのモデル、ウェールズは森林や湖や緑の丘陵地帯、美しい海などの自然が残っている地域で、ウェールズ地方の約20％の場所が国立公園に指定されています。

ロンドンの西方約200kmに位置するのがウェールズで、アイルランドに向き合っているのです。海に突き出た形なので、リヴァプール湾やブリストル海峡などが囲んでいます。一方国土の大部分は山岳地帯となっているのです。

南北にはカンブリア山脈が通っており、これは古生代カンブリア紀の元にもなっています。また、北部のスノードニア国立公園には標高1085mのスノードン山がそびえ、湖とのコントラストが絶景を提供しています。

ラピュタのモデル、ウェールズには世界遺産の城がいくつも建っていることでも有名です。たとえば上の画像はカーナーヴォン城ですが、この場所でチャールズ皇太子のプリンス･オブ･ウェールズ叙位式典が1969年に催されました。

カーナーヴォン城は「天空の城ラピュタ」で主人公のシータが捕らわれていた城のモデルになったと言われています。なおこれ以外の世界遺産の城には、コンウェイ城やポーマリス城があります。

ラピュタのモデルになったウェールズの首都カーディフのカーディフ空港へは直行便がたくさんありますが、それ以外にもアムステルダムやダブリン、バルセロナ経由で到着できます。

ロンドンのヒースロー空港やロンドン･ガトウィック空港までは飛行機を利用した場合は、長距離バスあるいは列車を利用すれば3時間弱でカーディフまで行けます。他にもブリストル空港からならばバスや列車で1時間半でカーディフへ到着です。

ヨーロッパ本土からユーロスターを利用する場合は、ロンドン･セント･パンクラスからロンドン･パディントンを経由してウェールズ地方南部へ行けます。また、ウェールズ北部や中部へならばロンドン･ユーストンで乗り換えると便利です。

ウェールズはいわゆるイギリス、正式にはユナイテッド･キングダムの中の4つの地方のうちの一つです。4つとはイングランド、スコットランド、北アイルランド、ウェールズです。

ウェールズにはもともとケルト人が住んでおり、ウェールズ語が話されていました。現在も全体の20％に当たる人々はウェールズ語を話しています。首都はウェールズ南部にあるカーディフで人口は約30万人です。

さらにコンウェイにあるコンウェイ城は日本旅行業協会らが選んだ「ヨーロッパの美しい村30選」に選ばれています。また、コンウェイ城のすぐ近くには「グレートブリテン島で一番ちいさい家」があります。床面が3.05m×1.8mしかありません。

ラピュタのモデルになったウェールズ北部にあるスノードニア国立公園も風光明媚なことで知られています。標高1085mながらイギリスで4番目に高いスノードン山と、その周囲に広がる湖はイギリスの自然の美しさを十分味わわせてくれます。

スノードン山の頂上へはスノードン登山鉄道で上るのが便利です。山頂からの眺めは絶景です。なお、ウェールズに関するさらなる観光情報については、カーディフ観光情報センターで入手することができます。

カンボジアのアンコール･ワットの近くにあるベンメリア遺跡も「天空の城ラピュタ」のモデルとなった地として知られています。どのようなところなのでしょう。

ベンメリア遺跡の「ベンメリア」というのは、古代クメール語で「蓮の池」を意味しています。ベンメリア遺跡は1992年に世界遺産に登録されていますが、アンコール･ワット遺跡が整備されているのに比べて、こちらは崩壊したままです。

崩壊した建造物のあちこちには、蓮の花と思われる花のレリーフが見られます。ベンメリア遺跡は発見された当時の姿をそのまま残してあるので、このような昔の都市が崩壊した状態こそが時が静止したようで見応えがあると言われています。

ベンメリア遺跡は行くには、シェムリアップからカンボジアの3輪自動車のトゥクトゥクに乗って行くと旅情が楽しめます。ただし値段交渉が必須になるため、言葉がある程度できる人向けです。料金は1台あたり2800円から3400円程度となります。

トゥクトゥクだと不安だという場合にはタクシーが安心です。料金は1台あたり約5600円となります。宿泊しているホテルで呼べます。

べンメリア遺跡への詳細情報を見ていきましょう。

スロバキアにあるスピシュスキー城も「天空の城ラピュタ」のモデルになったのではないかということで、聖地巡りをする人がいるようです。ここはどのようなところなのでしょうか。

スピシュスキー城はスピシュ城とも呼ばれており、天空の城として見る者を圧倒します。しかしながら1780年に大規模火災に遭ったことから、長らく廃墟となっていました。ところが、文化的意義が再評価され1993年に世界遺産に登録されました。

小高い山の上に巨大な石造りの城塞および塔がそびえ建っている様子は、もの悲しさも漂わせて、「天空の城ラピュタ」の世界観にぴったりです。

スピシュスキー城の最寄り駅のポプラド駅、レボチャ駅、プレショフ駅、コシツエ駅のどれかへ鉄道かバスで行きます。次にその駅からローカルバスに乗り換えてスピーシュキェー･ポドフラドニェ停留所で下車します。

停留所から城までは徒歩で約1時間で到着できます。

スピシュスキー城の中は現在は修復されて博物館になっています。当時のままの台所や衣装、甲冑や大砲も展示されており、地下牢や拷問に使われた部屋も見ることができるのです。なお、土産物屋や軽食が出るカフェもあります。

実際に訪れる場合は公式URLで確認が必要です。

次に「天空の城ラピュタ」のモデルとされているのは、よく知られている古代遺跡のマチュピチュです。マチュピチュは高地にあるので、いかにも天空の城にピッタリです。

アンデス山中にあるマチュピチュは15世紀のインカ帝国の遺跡で、標高2430mの高地に位置します。アンデス文明は文字の記録を残していないので、スペイン人の侵略で滅亡後となっては、マチュピチュ遺跡は何のために建造されたのかは謎のままです。

山裾方向からは遺跡の姿が見えないので、「空中都市」や「空中の楼閣」と言われるようになりました。遺跡の背後のとがっている山はワイナピチュと呼ばれており標高2720mです。

山頂には神官の居住跡があり、また山腹には太陽神殿に対する月の神殿があります。最近の調査では、遺跡の地下に焼け跡が発見され、スペイン人の侵略を恐れて住民が町を履き払ったのではないかと言われています。

まずペルーのクスコにある、アレハンドロ･ベラスコ･アステテ国際空港へ行きます。次に空港からクスコ市内の鉄道ポロイ駅までタクシーで約30分かけて移動です。マチュピチュへは、クスコ市内のポロイ駅から鉄道に約3時間20分間乗ります。

鉄道を降りたら、アグアスカリエンテス(通称マチュピチュ村)から目的地のマチュピチュまではバスで30分です。

マチュピチュ観光の拠点となる村がアグアす･カリエンテスでここにはオシャレなレストランや土産物店があります。さらに温泉もあるのです。水着を着用です。そして村からは「ハイラム･ビンガム･ロード」と呼ばれる山道をバスで登って行きます。

バスは酔うかも知れないので注意が必要です。マチュピチュに到着したら「見張り小屋」から眺望を楽しみます。なお、遺跡の中心からは約1時間で太陽の門(インティプンク)に行けます。ここからの眺望はさらに素晴らしいです。

マチュピチュ遺跡で必ず目にする「ワイナピチュ」という山は1日400人まで限定で登れます。ただしチケットを事前に入手しておく必要があります。1～2時間の山登りの行程です。さらに進むと「月の神殿」という神秘的なスポットにも行けます。

次に紹介するのはスリランカにある空中宮殿の「シーギリア」です。ここも空中に城があるということから、「天空の城ラピュタ」のモデルになったのではないかと言われています。いったいどのようなところでしょう。

シーギリアは、シーギリアロックとも呼ばれており、日本にはないような光景です。ここの巨大な岩山を登って行くと、登り始めてすぐに美しいフレスコ画が現われます。これは「シーギリアレディ」といい、天女と言われています。

その後、ミラーウォールすなわち鏡の回廊を通り、広い踊り場の「ライオンのテラス」に着きます。大きなライオンの足の間の階段を登っていくと、まもなくシーギリアロックの頂上です。頂上からの眺めは正に天空の城ラピュタにいるようです。

頂上はかなりの広さがあり、ひととおり回って見るだけでも30分程度はかかります。特に夕方に頂上からみる夕日は最高です。そして下りのルートへ行きます。登りは1時間くらいかかったのに、下り用ルートは20分くらいで下に降りられます。

スリランカの国際線が着陸するするバンダラナイケ国際空港に到着したら、車で約3時間半でシーギリアに着きます。ところで、スリランカへ到着する空の国際便はだいたい夜から深夜にバンダラナイケ国際空港に着陸します。

夜遅くそのまますぐにシーギリアへ向かっても良いのですが、ここは一旦休憩したほうがスケジュール的にはベターです。シーギリアは朝の7時から開園しますので、朝ホテルから出かけていくのでちょうどよいです。

7時にシーギリアへ行って、ホテルに戻って来たら9時ころになりますので、朝食を食べあるいは軽くシャワーを浴びれば10時には次の観光スポットへ出発できます。

シーギリアは1982年に世界遺産に登録されています。そもそもこの天空の城はどうして作られたのでしょう。それは、5世紀のシンハラ王朝の時代にダートゥセーナ王の息子カッサパ1世がクーデターを起こして父親を殺害して自分が王になりました。

ところでカッサパ1世の母親は平民出身でしたが、弟のモッガラーナは王族出身の母親を持っています。そこで弟に殺されるのではないかと恐れた兄のカッサパ1世は、シーギリアへ遷都して防衛機能を整備して天空の城を作ったのです。

しかし後に弟のモッガラーナが兄に戦争を挑み、兄は自殺しました。こうして495年にシーギリアは陥落し、その後長らくこの天空の城は放置されていました。ところが1875年にイギリス人が再発見して注目を集めるようになったのです。

ここまでは、海外にある天空の城ラピュタのモデルとなったであろうスポットを説明して来ました。日本にはモデルの場所はなさそうに思うかも知れませんが、実は日本国内にも天空の城ラピュタのモデルであろうと言われているところがあります。

ここからは、日本にある天空の城ラピュタのモデル地を見ていくことにします。日本のモデルの場所も本当の天空の城のようです。

日本の第一番目の場所は、兵庫県にある「竹田城」です。ここは「日本のマチュピチュ」とか「天空の城」と言われて絶大な人気を誇っています。実際竹田城跡はとても高いところに築城されています。標高353.7mの古城山山頂にあるのです。

築城当時は土塁だった城が、最後の城主である赤松広秀の時に総石垣造に改修されました。平成18年に「日本100名城」に選定されています。さらに平成24年には「恋人の聖地」としても認定されました。

この地域は日本特有の気候で、秋のよく晴れた朝に濃い霧が発生して、朝霧が竹田城跡を取り囲みます。まるで雲海に浮かぶように見えることから、いつのころからか「日本の天空の城」と呼ばれることになったのです。

「天空の城」のように雲海に浮かぶ姿を見たければ、絶好のスポットがあります。それは「立雲峡(りつうんきょう)」に登るのです。立雲峡は竹田城跡のちょうど向かい側にある朝来山の中腹に位置する展望スポットとなります。

なお、雲海の発生しやすい条件は次の表の通りです。せっかく見に行っても雲海がなければ魅力が半減してしまいますので、雲海の出やすい時に行きたいものです。

瑞牆山(みずがきやま)は奥秩父連峰にある、標高2230mの山で日本百名山のひとつです。この山の形は日本の山にしてはゴツゴツとした岩が天空にそそり立っているようで、日本離れした形状は、まるで天空の城がそこにあるように見えます。

これは全山が黒雲母の花崗岩で形成されており、南西部の側面の場所が風化や浸食作用の影響を受けて、独特の岩峰になったからなのです。

この山まで行くには本格的な登山の装備が必要で、かつかなり大変なコースになりますので、間近で見たい人は体力と相談しながら行ってください。なお、少し離れた下界からも見えるスポットがありますので、体力に自信がなければ下から見ましょう。

滋賀県の山中にあるコンクリートでできた巨大な廃墟が天空の城ラピュタのモデルではないかと言われています。ここは1965年頃に廃業した鉱山跡で、一般の立ち入りが禁止されています。地元では滋賀のラピュタと言われているようです。

しかしながら、この廃墟は神殿のようにも見えます。もしも偶然ここに来てしまったら、天空の城の跡地ではないかと思えるような迫力はあります。コンクリートが崩れてくるかもしれないという危険性がありますが、入れるところまで立ち入っている人もいます。

いずれにしても、この地を目指して大勢の人たちが車やバイクで訪れてインスタ映えする写真を撮っているようです。

「天空の城ラピュタ」は、飛行石という不思議な力を持った石を身につけた主人公の少女シータの冒険物語です。スタジオジブリの第1作ということで、実際のところは映画館への客の入りはあまり良くなかったそうです。

しかし、このアニメ映画の魅力は万人の知るところとなって、その後爆発的に人気が出ました。そしてスタジオジブリの名前も不動のものになっていきます。実際のところ、空に浮いている天空の城という発想は誰しもワクワクするものです。

ところが、この映画を作成するに当たって宮崎駿がロケ地巡りをしたスポットは、本当に天空の城のようなところです。モデルとなった「聖地」を訪ねて、天空の城ラピュタの感激をもう一度味わってみましょう。