底なし沼は日本にも実在する!深さや仕組み・抜け出し方を紹介
底なし沼とは映画やアニメなど架空のものだと思っていませんか?実際に底がない底なし沼という沼は存在しませんが、底なし沼に例えられる実在する沼などは存在します。この記事ではそんな底なし沼と呼ばれる沼の仕組みや深さ、抜け出し方などを紹介します。
目次
日本にも存在する「底なし沼」について紹介!
底なし沼と聞くと、沼の底がないため、どこまでも沈んでいく、というイメージを抱く人も多いことでしょう。しかし、実際には、底がない沼は存在しません。どんなに深い沼や池でも底はあるのです。
この記事では、そんな底なし沼と呼ばれる沼やもがけばもがくほど体が沈むという仕組み、万が一そういった沼にはまってしまった際の抜け出し方について紹介します。底なし沼について興味がある人は是非参考にしてください。
底なし沼の仕組みや深さについて
底なし沼とは流砂を引き起こす沼のことを言います。流砂とは砂に多量の水が含まれている地盤のことで、圧力を加えると、砂の中の水分が抜けだし、泥状になります。非常に不安定な地盤のため、万が一足を踏み込めば泥の中にのみ込まれてしまうのです。
しかし、当然ですが、底はあります。通常流砂の底は1mほどといわれています。また、流砂の比重は非常に重いため、人が足を踏み入れて飲み込まれても通常は胸くらいまでしか沈みません。
日本に実在する底なし沼
ここからは日本に実際に存在する底なし沼と呼ばれる沼を紹介します。日本では流砂を形成する沼というものはほとんどありません。そのため日本における底なし沼とは言い伝えや伝説に基づくものがほとんどです。
また、人ではなく動物がはまっておぼれている、という沼も存在します。日本の底なし沼について興味がある人は是非参考にしてください。
北海道の「やちまなこ」
日本全国の湿原の約3割を占める北海道の釧路湿原にある「やちまなこ」は底なし沼として有名な沼です。一見すると水たまりのような小さい湖沼ですが、深さは約3mほどにもなり、野生の動物がおぼれることもあります。
遊歩道が設けられているため、間近で見ることができますが、一度はまってしまうと、自力で抜け出すことは難しく、助けを求める必要があります。
「やちまなこ」は湿原のいたる場所にあり、湿原を歩くとうっかりはまってしまうこともあるため、決して遊歩道を外れないようにしましょう。
住所 | 北海道釧路湿原 |
電話番号 | 0154-56-2424 |
営業時間・定休日 | 4月~10月/9:00~17:00・火曜日/年末年始 11月~3月/9:00~16:00 |
アクセス | 釧路駅から車で約40分 |
公式USR |
北海道 坂ノ下神社の「龍神沼」
「龍神沼」は北海道の稚内市郊外にある沼であり、江戸時代から底なし沼として様々な伝説が残されています。その伝説の一つに、利尻島の姫沼とつながっている、という伝説も残されています。
また、お経を唱えながら、沼の周りを回り続けたところ、沼の底から龍が現れた、という言い伝えもあります。そんな幾多の伝説が残されている「龍神沼」ですが、深さを確認するためテレビ番組で検証されたことがあります。
その際の、沼の深さは3mほどで底なし沼ではないことが判明しました。沼がある場所も、丘の上に位置していることから、誤ってはまることも少なく、今までに事故などが起きたという、事実もないため、比較的安全な底なし沼といえます。
住所 | 北海道稚内市 |
電話番号 | 0162-23-6468 |
営業時間・定休日 | なし |
アクセス | 南稚内駅から車で約10分 |
公式USR | なし |
和歌山県 浮島の森の「蛇の穴」
和歌山県にある「蛇の穴」は現在でも底なし沼として言い伝えが残る沼です。そんな「蛇の穴」は池の中に浮いている森、浮島の森の中にあります。浮島の森には遊歩道が設けられており、森の中まで歩いていくことができます。
しかし、遊歩道の下は、池なので興味本位で湯歩道を外れてしまうと戻れなくなる可能性があるため、非常に危険です。浮島の森に立ち入る際は決して遊歩道を外れてはいけません。
また、「蛇の穴」には大蛇が済んでおり、かつて付近に暮らしていた美女をとらえ、沼の底へと消えていった、という伝説も残されています。実際にその蛇を見た、という人はいませんが、非常に有名な伝説なので、是非訪れてみてください。
住所 | 和歌山県新宮市浮島3-38 |
電話番号 | 0735-21-0474 |
営業時間・定休日 | 9:00~17:00・年中無休 |
アクセス | JR新宮駅から車で約10分 |
公式USR |
鹿児島県の「底なし御池」
で鹿児島県の中之島という島にある「底なし御池」は直径は約87mもある大きな池で、中心付近の深さは4.5mほどあります。しかし、池の底には泥がたまっており、どこまでも沈んでいく様子から底なし沼とも呼ばれています。
地元民の間では大ウナギなどの池の主がいる、ともいわれています。池の周りは湿原で、様々な動植物の生息地ともされており、バードウォッチングや植物鑑賞、野生動物も生息しているため、非常にのどかな場所となっています。
しかし、うっかりはまってしまうと、おぼれてしまうこともあるため、訪れる際には注意しましょう。
住所 | 鹿児島県鹿児島郡十島村中之島 |
電話番号 | なし |
営業時間・定休日 | なし |
アクセス | 中之島港から車で約20分 |
公式USR | なし |
世界に実在する底なし沼
世界には様々な底なし沼と呼ばれる沼などが存在します。また、日本のように「ここに底なし沼がある」といったように明確に場所が特定されているタイプではない沼もあります。そんな世界に存在する危険な底なし沼を紹介します。
イギリスの「モーカム湾の流砂」
モーカム湾とはイギリス中央部にある広い湾です。潮の干満の入れ替わりが激しく、流砂が起こりやすい湾として世界的にも有名です。基本的に流砂にとらわれて、沈んで溺死する、ということはありませんが、この湾は潮の干満が激しいという条件がそろっています。
要するに流砂にとらわれた人が脱出できずに潮が満ちてきて、溺死してしまう、という危険性があるのです。過去にはこの流砂と潮の干満が原因で多くの人が命を落とした事故も発生しています。
住所 | Lancaster |
アクセス | マンチェスター国際空港から車で約1時間15分 |
アフリカの「砂漠の流砂」
アフリカにある砂漠は非常に水分が少なく乾燥した地域ですが、まれに地下水が湧き出ることがあり、その水が砂と混ざり合って、流砂を形成することがあります。そんな砂漠にできた流砂でも飲み込まれて命を落とすことはありませんが砂漠は非常に高温です。
そのため流砂にのみ込まれて、抜け出そうとしているうちに灼熱の太陽が命を奪います。また、砂漠の流砂は見つけることが難しく、うっかりと足を踏み入れてしまうことがあります。
流砂に飲まれて完全に沈むことはあり得ないため、万が一、流砂に飲まれてもパニックにならないようにしましょう。
住所 | アフリカ サハラ砂漠・リビア砂漠 |
アクセス | エルフードから車で1時間 |
底なし沼は危険!過去には死亡事故も?
冷静に対処すれば無事に抜け出すこともできる底なし沼ですが、過去には底なし沼にはまっておぼれてしまった、という死亡事故も発生しています。そんな日本を含め、世界中で発生している底なし沼の事故を紹介します。
日本で起きた底なし沼の事件
実は日本でも底なし沼でおぼれて死亡した、という事故が発生しています。2016年宮城県大衡村で発生した事故ですが、この事故では沼にはまった父子計3名が溺死する、という痛ましい事故が発生しています。
この事故が発生した沼は八志沼と呼ばれる沼で、すり鉢状になっている上、岸がコケや泥などで非常に滑りやすいため、一度はまってしまうと、大人でも自力では岸に這い上がるのは難しい、といわれています。
そんな沼で釣りをしていたところ事故が発生してしまいました。対処法を誤ったと思われる人もいるかもしれませんが、事故後自力で這い上がれないかなどの実験が行われましたが、いずれも失敗しています。
世界で起きた底なし沼の事件
世界では日本と比較にならないほど多くの底なし沼に関する事故が発生しています。そんな過去に世界で発生した底なし沼の事故を紹介していきます。
イギリス モーカム湾の流砂
前記でも紹介しましたが、イギリスのモーカム湾では過去に不法労働者である中国人が流砂に足を取られ、脱出できずに潮が満ち、23名もの死者を出した痛ましい事故が発生しています。この事故がきっかけで、不法労働者に関して世間に波紋が広がったともいわれています。
アメリカ ユタ州ザイオン国立公園
アメリカにあるザイオン国立公園は緑や水に包まれた公園で、切り立った崖と、美しい自然を楽しむことができます。そんなザイオン国立公園では2019年に男性が流砂に足を取られてしまい、12時間者間身動きができなくなる、という事故が発生しています。
男性は無事に救出されましたが、当時は激しい吹雪が吹き荒れていた、ということもあり、男性は低体温症に陥っていたため病院へ搬送されました。奇跡的に命には別状はありませんでしたが、流砂の危険を再確認させられる事故となりました。
底なし沼にはまった場合の抜け出し方!
ここからは底なし沼にはまってしまった場合の抜け出し方について紹介します。沼の中には岸が滑りやすくなっているため抜け出すことが難しい沼もあります。また、流砂にはまってしまった場合には正しい抜け出し方を把握していないと、脱出は困難です。
そんな底なし沼にはまった際の脱出方法と、はまってしまった際に決して行ってはいけないことを紹介します。是非参考にしてください。
自力で脱出する場合
まずは、自力で脱出する方法を紹介します。底なし沼にはまった場合、最も重要なことは冷静になることです。池のような場所でも流砂のような場所でも冷静になれば助かる可能性が高くなります。
逆にパニックに陥って脱出しようと必死にもがけばもがくほど助かる可能性は低くなるのです。脱出の方法はまず、身に着けている荷物を流砂の外へ投げます。その後、足を抜くのですが、一気に引き抜こうとしても、泥と足の間に真空ができてしまい、なかなか抜けません。
そのため、足を細かくゆっくり動かし、できるだけ足と泥の間に水を入れるようにします。この時、仰向けになるように体を横にすると、足を泥の表面に出しやすくなります。そのようにして足を表面に出したら泥を這って脱出しましょう。
他人に脱出を協力してもらう場合
他人に救助してもらう場合ですが、底なし沼にはまった場合、はまった人が子供なら少数でも救助できるかもしれませんが、大人の人が沼にはまってしまった場合は少人数での救助は非常に困難です。
そのため、はまった人が自力で脱出できない、周りに1人や2人しかいない、という状況の際には、迷わず救助を要請しましょう。少人数では水や泥が付着した成人を救出することは非常に困難です。
逆に救助しようとした人までもが、はまってしまう最悪の状況となってしまうことがあります。周りに少人数しかいない場合には救助を要請しましょう。
底なし沼にはまった時に絶対してはいけないこと
底なし沼に急にはまってしまった場合、絶対にしてはいけないことはパニックに陥り、脱出しようと必死にもがくことです。いきなりはまってしまったら、パニックに陥ることもありますが、パニックになっている時間が長ければ長いほど、助かりにくくなります。
底なし沼にはまっただけでは命にかかわることは少ないのです。また、助けてもらおうと、そばにいる人の手を取る行為も危険なので絶対にしてはいけません。助けようとした人が逆に底なし沼にはまってしまう危険性もあります。
底なし沼には底があるが非常に危険
底なし沼の正体や仕組み、日本や世界に実在する底なし沼と呼ばれる沼などについて紹介しました。底なし沼はしっかりと底があるため、万が一はまってしまっても頭まで飲み込まれて沈んでしまう、ということはほとんどありません。
しかし、実際に底なし沼と呼ばれる沼や流砂では死亡事故も発生しているため、楽観視することはできません。また、流砂にはまってしまった場合は適切な対処法を把握していないと、脱出は非常に困難です。
日本では、底なし沼でなくとも災害時に液状化現象により飲み込まれてしまう可能性もあります。底なし沼からの脱出方法を把握しておけば、自分や周りの人も救えることもあるため、しっかりと把握しておきましょう。