野営とは?野営地の探し方やソロキャンプに必要な装備を紹介
ソロキャンプがブームとなる中、キャンプ場を使わない野営に人気が集まっています。そこで今回はどういったところで野営するのがおすすめか、野営に必要な装備は何かなどを詳しく解説しています。これから野営したい方は参考になさってください。
目次
ソロキャンプで話題の野営・野営地について紹介!
アウトドア人口が増え、キャンプ場でのキャンプにもの足りなさを感じたり、もっとワイルドな形でキャンプを楽しみたい人たちの中で、ソロキャンプがブームになっています。
ソロキャンパーたちはキャンプ場を飛び出し、大自然の中に身を浸す野営を楽しんでいる人が多く、あえて不便さを好み、静寂を友としています。今、静かに話題となっている野営や野営地について詳しく説明していきましょう。
そもそも野営とは?
野営とはそもそもキャンプのこと。日本ではキャンプというとキャンプ場と定められているところにテントを張ることと思っていますが、本来野外に陣を張ること、野外に泊まることそのものを野営、英語ではキャンプというのです。
しかし日本で野営というと、キャンプとは別物ととらえているかたが多いのも事実です。では、キャンプと野営はどう違うのかというと、キャンプ場に宿泊するのがキャンプで、キャンプ場ではないところにテントを張って宿泊するのが野営といえます。
日本に野営を許可している野営地はない
日本には外国のように、法律で野営を許可しているところはありません。にもかかわらず野営をしている人はいます。野営禁止の場所でない限り、別に野営をしてもかまわない、というだけのことなのです。
ルールに従えば野営が許されることも
とはいえどこでも野営をしていいというわけではありません。場所によってはテントを張ってはいけない、キャンプ禁止などと看板が出ているところがあります。野営地として適している場所であってもそういったところで野営はいけません。
キャンプ禁止とは書かれてなくても、火器の使用は禁止とされているところもあります。そういったところでは調理をせずに弁当を食べるなどすれば、野営をしてもかまわないことになります。
あくまでも野営はグレーゾーン
このように、日本における野営地とはあいまいであり、法の解釈次第ともいえるため、かなりグレーゾーンです。現状、ルールを守り、人や周りに迷惑をかけないことを前提に控えめに行うものといえます。
野営・野営地の魅力を紹介!
キャンプの人気が高まり、最近では一人でテントを張って野営するソロキャンプがブームとなっています。キャンプ場ではない場所で野営するソロキャンプの魅力をご紹介します。
自然を感じながら静かに過ごせる
アウトドアレジャーが身近になり、家族や仲間でキャンプをする人が増えてきました。夏休みなど休暇中のキャンプ場は、各地とも人であふれています。必然的に騒がしくなり、利便性も求められるようになりました。
そのため各地のキャンプ場の設備は整い、便利で快適な宿泊施設となってきたことから、本来野営で味わうべき自然本来の姿から遠ざかる結果となったのです。自然は誰にとっても魅力ですが、快適な都会生活とは対極に位置しています。
何をするのにも手間がかかり、面倒で不便です。陽が落ちれば暗くなり、夜は文字通り闇夜となります。しかし、深夜でも懐中電灯の煌々とした灯りのもと、仲間内でいつまでも騒いでいるのでは都会にいるのと変わりません。
キャンプ場で安直な快適さばかり求めるにわかキャンパーが増えてきたため、自然本来の厳しさや不便さをも受け入れたいと思う人たちが、野営を始めるようになりました。多くは1人で野営するソロキャンプです。
風のうなりや鳥の鳴き声、虫の音や川のせせらぎなど静寂の中で奏でられる自然の声に耳を傾け、一人静かに過ごすことこそ野営するソロキャンプの醍醐味です。自然と溶け合う豊かな時間がソロキャンプの財産ともいえます。
サバイバル感が味わえる
ソロキャンプする野営地では、何もかもが用意されたキャンプ場では味わえないようなサバイバル感が楽しめます。食事をしたくてもキャンプ場のような炊事場はないので、どうしたらいいか自分で考え、行動しなければなりません。
食料も自らが持ってきたものと野営地にあるものを活かし、調理も持参した装備で工夫して行います。場所によっては毒蛇など危険な生物に襲われる心配もあるでしょう。どうやって自分の身を守るか考えて行動し、対処法も必要です。
ソロキャンプで野営するには、全て主体的に切り開いていく知恵と勇気と行動力がポイントです。自然の中で過ごすには、こうしたある種の緊張感も要するため、野営には都会生活で味わえないサバイバル感があるのです。
野営する野営地の探し方は?
ソロキャンプで野営したい方におすすめの野営地とは、どういったところかをご紹介しましょう。ソロキャンプや野営が盛んなアメリカやカナダといった国には、人が住まない広大な土地が有り余っています。
しかし、国土が狭く人口が密集している日本には、外国のように野営に適した土地はほとんどないといっていいのが実情です。そんな中で、いったいどういったところで野営をすればいいのでしょうか。
まず、24時間使える場所であること。これが大前提になります。次に、誰もが入れる公共の土地であること。野営に適していそうな場所、例えば山林などでも誰かの私有地である場合があります。
持ち主が許可してくれるなら、もちろん野営して大丈夫です。逆に言えば、誰かの私有地で野営ができるなら、これに越したことはないといえます。知り合いが田舎に広大な土地を有しているなら、野営したいと相談してみるのがおすすめです。
しかし、残念ながらそうした知り合いがいない場合、公共の土地を探すことになります。自然がいっぱいの公共の土地、例えば自治体の自然公園などではテントを張ってはいけない、火器を使用してはいけないなどルールを設けているところがあります。
誰も見ていないからとルール違反をしてはいけません。野営が禁止されていない土地でもルールは必ず守るようにします。それでは、どういった場所で野営するか、具体的な場所を紹介いたしましょう。
火事の危険も少ない「砂浜がある海辺」
海辺はソロキャンプでも仲間とのキャンプでも、野営に最もおすすめです。岩場より足場が良く、テントを張りやすい砂浜のほうをおすすめします。ただし、夏の海水浴シーズンの野営は避けましょう。
昼間は海水浴客でにぎわい、夜でも花火などで遊ぶ人が多いため、静寂とは程遠いからです。海水浴シーズンでない海辺は静かでとても落ち着きます。波の音は眠りにつくための子守歌となってくれるでしょう。
あるいは海水浴場ではない砂浜の海辺もおすすめです。ただし、こうした海辺はキャンプが禁止されていることが多いため、事前に確認しておきましょう。野営地が海辺であれば、海という最大の水があるため焚火ができるのもメリット。
ソロキャンプでもテンションがグッと上がります。また、平らなのでテントが張りやすいのもメリットです。砂浜奥の草が生えているような場所がおすすめです。一方、海辺での野営にはデメリットもあります。
1つは風。遮るものがないので、強風の影響をもろに受けます。台風が近づいている時などは絶対に野営しないようにしましょう。もう1つは潮の満ち引きです。夜になるとかなりのところまで潮が満ち、テントが濡れてしまうこともあります。
それを避けるには、できるだけ波打ち際から離れた平らな場所を野営地として確保すること。浜辺のどこへテントを張るか、場所選びがポイントとなるでしょう。
野営地を見つけやすい「公園」
野営地としては公園もおすすめです。とはいえ住宅街の中の子供の遊具があるような児童公園は止めましょう。子供たちが遊びに来るからです。そんなところにテントを張ったら不審者と思われます。
おすすめは郊外の広大な自然公園のようなところです。自然の中とは言え公園なので、ある程度管理されているのがメリット。四季折々の風情が手軽に楽しめます。一方、デメリットは訪れる人が意外に多いという点。
人気がないと思えても、早朝にジャギングする人や散歩を日課にしているお年寄り、昼間は近所の子供が遊びに来ることがあります。公園はみんなが利用する場所なので、周りへの気配りを忘れないように心がけてください。
ソロキャンプだからと自分勝手な行動は現に慎しみましょう。たとえば便利だからと東屋にテントを張ってしまうと一般の人が入れません。マナーとして控えてください。
また、火器を使用する場合は周りに燃え移らないよう十分注意します。これはマナー以前の問題です。公園を野営地とする場合は、快適な分、周りに迷惑とならないよう注意することが大切です。
みんなが使える「河川敷」
ソロキャンプや仲間との野営地として河川敷もおすすめです。河川敷を野営地とするメリットは、海辺同様、そこに水があるという点です。火が使えるということと、海の水と違い洗い物や自分の体を洗うことができるのもメリットです。
さらに、禁止されていなければ釣りもできます。釣った魚を火であぶって食べるなんて、ソロキャンプの最高の贅沢ともいえます。河川敷の野営は人からとがめられることなくテントが張れておすすめです。
ただし、天候次第で急な鉄砲水や河川の増水などが起きやすいのがデメリット。命の危険にかかわるので、事前に天気予報をチェックするのはもちろん、野営中も常に天気には気を付けていましょう。
ツーリングで利用しやすい「道の駅」
ツーリング愛好者から最近野営地として人気が高まっているのが道の駅です。道の駅によってはキャンプ場が併設されていたりします。許可されているので気兼ねなく野営できる点がおすすめです。
道の駅に食料やトイレがあるのもメリットです。中には温泉など入浴施設が備わっているところもあるので、ありがたいです。ソロキャンプや野営に慣れていない方におすすめの野営地です。
ただし、場所によっては利用が有料であるという点がデメリット。また、人の出入りが激しいので、あまり静かでないという点も。ソロキャンプではなく、ツーリングするのが目的という方にとってはいいでしょう。
野営に必要な装備は?
特にソロキャンプの場合、野営ではひとりで自然と向き合うことになるので、自部の持ち物が全てともいえます。どういう装備をしていけばいいかをお話ししましょう。
野営地にトイレが無い時に「簡易トイレ」
公衆トイレがないようなところで野営をする場合、必ず持って行きたいのが簡易トイレです。大小便どちらにも対応できるものを複数準備しておくのがおすすめです。
ソロキャンプの必需品「調理器具」
ソロキャンプでの楽しみは自然の中でいただく食事という人が多いもの。荷物になる調理器具をあえて持参し、ソロキャンプを楽しむのもおすすめです。普段は料理をしないという人も野営地では挑戦してみるのもおすすめ。
ソロキャンプご飯や野営めしと銘打ち、今ではユーチューブなどで盛んに宣伝されているので、参考にしてもいいですね。
雨風を避けられる「テント・防寒グッズ」
野営地でテントは必需品です。大自然の中での就寝場所となるところなので忘れずに用意しましょう。できればタープもあると雨天時に雨除けとなるため、持参をおすすめします。
中にはタープ機能付きテントもあるので、そういったのを用意するのもいいいでしょう。テントで雨露がしのげるとはいえ、野営地では寒さが敵になります。野営をする季節にもよりますが、都会より寒さがダイレクトにやって来ます。
寝袋は必要でしょう。また、ブランケットなどの防寒寝具や、防寒着も用意しておくことをおすすめします。
野営・野営地を決める際の注意点!
野営や野営地を決める際に注意しておくことをお話しします。
火事や増水に気を付ける
自分の不注意で大変なことになってしまうのが野営地での火事です。食事はソロキャンプや野営で最も楽しいことの1つですが、火器の取り扱いや後始末をきちんと行わないと自らが加害者となってしまいます。
調理や焚火等行う際は、周りに燃え移りやすいものがないかどうか確かめ、いざという時のための火消し用の水などを用意しておきましょう。もう一つ、注意したいのが突然の増水です。
川や海辺では気象条件により命にかかわる増水が発生します。台風が近づいている時やゲリラ豪雨など増水が避けられないときは決してそういった場所を野営地にしないよう気を付けてください。」
あらかじめ天候を調べておく
野営やソロキャンプに出掛ける際は、事前に天気予報を調べておくのは基本中の基本です。悪天候や今後天気が崩れそうなときは、野営をやめる勇気も必要です。また、野営中に天気の急変もあるので、常に情報が得られるようにしておきましょう。
私有地には近寄らない
許可をとって私有地で野営をするのでない限り、勝手に私有地に入らないよう注意してください。特に山林は誰かの持ち物である場合があるので、事前に近所の人などに訊いておくのがおすすめです。
野営地ではマナーを守って野営をしよう!
日本ではまだ法律上野営地の定義があいまいです。そのため節度あるキャンパーの姿勢が求められています。ルールやマナーを守った野営を心がけ、自然と親しみましょう。