つるし柿(干し柿)の作り方!吊るし方や保存方法・おすすめなど紹介
秋になるとつるし柿(干し柿)が食べたくなる人もいるはずです。今回は、セルフで作るつるし柿(干し柿)の作り方をご紹介します。併せて、つるし柿(干し柿)をつくる際に気を付ける点や保存方法、そして市販で手に入るおすすめつるし柿(干し柿)をご紹介します。
目次
つるし柿(干し柿)の作り方やおすすめを紹介!
秋風が吹く季節になると、つるし柿(干し柿)が食べたくなる人もいるはずです。お正月に向けて、地域によってはたくさんのつるし柿(干し柿)つくりが始まります。
今回は、つるし柿(干し柿)をセルフで作る方法や保存方法、そして気を付けるべき点をピックアップしてご紹介します。自分で作ってみたいと思っていた人は必見です。
さらに、全国のおすすめのつるし柿も併せてご紹介するので、購入の参考にしてください。
つるし柿とは?
つるし柿(干し柿)とは、柿の実を乾燥させた食品です。渋柿の皮をむいてつるし、日に当てながら干すとできます。柿と柿をひもや糸でつるして干すので、つるし柿(干し柿)という名前がつています。
つるし柿(干し柿)は、平安時代の中頃から食べられていた食品で、つるし柿(干し柿)の渋みに「タンニン」が多くふくまれています。この「タンニン」は、アンチエイジング効果や高血圧、脳梗塞の予防に効果があるとされている食品です。
干すことによって柿の渋みがなくなり、甘い味に変化するので、つるし柿(干し柿)は、多くの人に好まれる食べ物となっています。
つるし柿(干し柿)の作り方
早速、つるし柿(干し柿)をセルフで作る方法をご紹介します。多くの人が実際にやってみて成功した作り方なので、初めてつるし柿(干し柿)を作る人はまずこの通りにやってみることをおすすめします。
材料
つるし柿(干し柿)を作るための材料は2つです。渋柿とその渋柿を結んでつるすヒモが必要です。ここでは、渋柿30個、ヒモ10mでご紹介します。柿の量や食べたい量にあわせて調整してみてください。
作り方手順
材料が手に入ったら、ゆっくり順番通りに作ってみましょう。ここでご紹介する方法は、一般的なつるし柿の作り方ですが、多くの人が実際に作ってみて成功した方法です。始めての人でも大丈夫です。ひとつひとつ手順をご紹介します。
1:渋柿の皮をむく
渋柿のヘタとその周辺の皮をクルリと一周むきます。次にヘタのついている方から下に向かって皮をむきます。渋柿によっては、表面に凹凸があるので、渋柿の皮が残らないように厚めに向きましょう。
2:つるし用の紐をカットし柿を結ぶ
次にヒモをカットします。60cmから70cmの紐を15本カットします。ヒモの準備ができたら、2個で1組になるように柿の軸をヒモの両側に結びます。しっかりと結ばないと、柿の重さで落ちてしまうことがあるので注意してください。
3:殺菌して干す
結んだ柿をいきなり干す人もいますが、殺菌するとより干し柿が成功しやすくなります。この殺菌は大切なポイントになります。殺菌の方法は鍋に湯を沸かし、沸騰したお湯に柿を5秒間入れて引き上げるだけです。このステップを踏むことで、カビが生えにくくなります。
その後、軒下の日当たり、風通しが良い場所に干しましょう。物干しざおなどを使って干している人もいます。また、雨に当たるとカビが生えるので、天気を見ながら干してください。
さらに、柿同士がくっつかないように、上下に柿が来るように干すのもポイントになります。柿同士がくっついた状態で干すとカビの原因になります。
4:柿を揉む
干した柿は1週間から10日ほどで柿の表面が乾燥してきます。親指と人差し指を使って、柿を軽く揉みます。
2回目として、5日から1週間後にまた干し柿を揉みます。その際には、柿の中心までしっかりと揉んであげます。こうすることで、中が渋くない美味しくて甘い柿に仕上がります。
完成の目安は?
干し柿の完成は、約3週間後となります。柿の種類や大きさによって2週間ほどで仕上がるつるし柿もあるので、様子を見ながら好みの状態になったら食べるようにしましょう。
干し柿の中を割るとトロトロ状態、そして水分が少し残っている程度が一番おいしい状態です。日数を置きすぎてしまうと、乾燥してカチカチになるので注意してください。
つるし柿(干し柿)を作る際の注意点
上手につるし柿を作るには、注意点もあります。多くの人が実際に作ってみて、失敗したと感じる点や、注意することで避けることができる事柄がたくさんあるので、以下に注意点をご紹介します。
カビに注意!
多くの人がつるし柿を作って失敗する例で一番多いパターンが「カビ」です。つるし柿にカビが生える原因としては先にも述べましたが、「雨に濡れる」ことと、「重ねて干す」ことが主な原因です。
つるし柿を軒下に干しておいて、うっかり雨に当たってしまうと、すぐに干し柿にカビが発生します。カビが発生してしまうと、つるし柿がダメになってしまうので、天気に気を付けておく必要があります。
また、日が当たらない場所、風通しが悪い場所に干すことでも、カビが生えやすくなるので注意しましょう。必ず風通しが良い場所に干してください。
また、カビが発生しないために、干し柿が重ならないようにヒモで縛る必要があります。
一つの紐のそれぞれの端に干し柿を結ぶのが一番いいですが、柿の大きさや柿の量によっては、ひとつの紐にいくつかの柿を結ぶこともできます。
その際には、柿の大きさの1.5倍から2倍の間隔をあけて柿を結ぶことで、柿同士がくっつかずにカビが生える原因を抑えることができます。
鳥や動物から守ろう!
つるし柿が美味しい時期になると、鳥や動物がやってきて、甘くなった吊るし柿を取っていくことがあります。残念な結果にならないように、防鳥ネットをつるし柿の部分に張っておくならば安心できます。
また、動物がとっていかないように高い場所につるしたり、周りに動物がよじ登れるものを置かないことによっても防ぐことができます。
つるし柿(干し柿)の保存方法
つるし柿(干し柿)が美味しくできたなら、保存にも気を使いたいものです。多くの人は、つるし柿(干し柿)を1個ずつラップしてそれをジップブロックに入れて封をし、冷蔵庫で保存している人もいます。
常温でつるし柿(干し柿)の保存は2~3日のところが、冷蔵庫でつるし柿(干し柿)を保存することで、1か月くらいは保存ができるようになります。少しずつ味わって食べたい人におすすめの保存方法です。
長期保存は冷凍がおすすめ!
長期でつるし柿(干し柿)を保存したい人は、やはりつるし柿(干し柿)をひとつずつラップしてジップブロックに入れたものを、冷凍保存することができます。ポイントは、しっかりと空気を抜いておくことです。
この冷凍保存方法で、約半年から1年くらいは保存ができます。長期保存といってもそれ以上長い期間の冷凍での保存ができないと考えていてください。また、冷凍する時には、なるべく薄く平らにしてから保存するようにしましょう。
冷凍したつるし柿(干し柿)は、食べたい時に冷蔵庫で自然解凍をしていただくことができます。一番良いつるし柿(干し柿)の解凍は、食べる分だけを前日に冷蔵庫の中に入れておくことです。
全国のおすすめつるし柿を紹介!
全国には、たくさんの美味しいつるし柿(干し柿)があります。その中でも、おすすめとなっている美味しいつるし柿(干し柿)をピックアップしてご紹介します。自分好みのつるし柿を探してみてください。
熟した果肉が絶品「今庄つるし柿」
「今庄つるし柿」は、福井県南越前町の特産とされている、燻製してつくる目ず荒らしいつるし柿(干し柿)です。11月末から1月上旬が旬とされている「今庄つるし柿」は、福井県の南越前町では欠かすことができない冬の名物となっています。
「今庄つるし柿」はならや欅の木を燃やして燻製させることで、殺菌成分が柿に浸透してカビが生えにくくなっています。また水分が抜けるので、熟成した甘味のある美味しい干し柿が完成します。
昔ながらの製法で作られた「今庄つるし柿」は、日本の中でも美味しいつるし柿(干し柿)なので、手に入れて一度は味わってみてください。
もっちり食感が美味しい「あんぽ柿」
持っちり食感の「あんぽ柿」も、日本を代表するつるし柿(干し柿)です。「あんぽ柿」は、中がジューシーでトロミ感があるので、このつるし柿(干し柿)が大好きだという人も多くいます。
この「あんぽ柿」の産地は、福島県の蜂屋柿や平核無柿、山梨県の甲州百目柿などが産地となっています。福島県で圧倒的に作られている「あんぽ柿」は、冬だけの特別な名産となります。温かいお茶と一緒にいただいてください。
甘さ控えめの王道つるし柿「市田柿」
「市田柿」は、南信州、伊那谷の特産品として、信州を代表する冬の特産となっています。表面が糖分の結晶によって白く覆われているので、みたことがある人もいるのではないでしょうか。
ひと口「市田柿」を食べればわかるのですが、上品な甘みと柔らかい食感が楽しめるので、贈り物として喜ばれるひと品となっています。また、冬の時期になると甲州ではなくてはならないお茶のともとなります。
この「市田柿」は、通販などで取り寄せることも可能なので、一度食べてみたいと思う人はホームページや通販サイトなどで探してみてください。
つるし柿を使ったおすすめアレンジレシピ
つるし柿(干し柿)をたくさん作った時に、少しずつ食べる楽しみもありますが、つるし柿(干し柿)を使ったアレンジレシピでいろいろな食べ方もできます。
ここでは、実際に多くの人がつるし柿(干し柿)を使ってアレンジし、美味しかったと思えるアレンジをご紹介します。気になるつるし柿(干し柿)のアレンジレシピをマネして作ってみましょう。
パウンドケーキに混ぜる
つるし柿(干し柿)を入れたパウンドケーキも、つるし柿(干し柿)のアレンジレシピとして人気があります。材料は、A(薄力粉100g、ベーキングパウダー3グラム)、B(卵2個、グラニュー糖50g)、C(バター15グラム、オリーブオイル45g)、バニラエッセンス適量、干し柿2個です。
作り方です。吊るし柿(干し柿)のパウンドケーキをつくる前夜に干し柿を紅茶等に浸しておきます。当日に柔らかくなった干し柿を紅茶から取出し、1センチ位に切り、薄力粉(分量外)をまします。Aをふるっておき、パウンドケーキの型にクッキングシートを張っておきます。
卵をハンドミキサーで白ぽくなるまで混ぜ、グラニュー糖を2~3回に分けて入れ、その中にバターとオリーブオイル、バニラエッセンス、干し柿の順に入れて混ぜ合わせましょう。Aを加えさらに混ぜ型に流し、180度のオーブンで40分焼いて完成です。3~5日保存ができます。
クリームチーズを挟む
干し柿(つるし柿)にクリームチーズを挟むと美味しいスイーツに変身します。材料は、干し柿大きめ1個、クリームチーズ20g、無塩のアーモンド2粒です。
作り方は、アーモンドを細かく刻み、クリームチーズと混ぜ合わせます。干し柿を観音開きにして、干し柿の表面にアーモンド入りのクリームチーズを塗り、巻いて完成です。クリームチーズを巻いた干し柿を、薄くスライスすると食べやすいスイーツになります。
冷蔵庫で2~3日保存がきくので、ゆっくり味わっていただいてください。手作りのお菓子として、来客に出すこともできるほどの美味しさです。
なますに和える
かぶのなますの中に、吊るし柿(干し柿)を入れて、おかずとして美味しくいただきましょう。材料は、かぶ大1個、塩小さじ1、干し柿1個、レモン汁大さじ2、酢大さじ2、オリゴ糖大さじ5~6、塩小さじ3分の1です。
作り方は、かぶの皮をむいて縦半分に切って薄切りにします。かぶに塩小さじ1をかけてしんなりしたら水洗いをし、水分を切ります。干し柿は3mm幅の細切りにします。レモン汁・オリゴ糖・酢・塩を混ぜて、かぶと干し柿とあわせれば完成です。
味がなじむまで置いておきましょう。見た目にもきれいなかぶと干し柿のなますが完成します。
美味しいつるし柿を味わおう!
自宅でも作れるつるし柿の作り方や、全国の中でおすすめのつるし柿をご紹介しました。季節限定の特産となるので、ぜひ自分でも作ってみてください。