時差ボケの解消法を紹介!帰国後の効果的な直し方や防止対策など
海外旅行は楽しいですが、時差ボケが心配という人も多いでしょう。時差ボケになってしまった場合の有効な解消法はあるのでしょうか。また、そもそも時差ボケにならないように事前に対策をしておくことはできないでしょうか。時差ボケ解消の対策をいろいろまとめてみました。
目次
時差ボケの悩みを解決!解消法と対策を紹介!
海外旅行へ行くのは楽しみなのですが、長い時間飛行機に乗っていて、いざ現地に着いたら急に眠くなってきたという経験を持っている人は多いでしょう。地球上では経度が異なると違った時間帯が存在しています。
飛行機に乗って東西方向に移動すると、どうしても出発点とは異なった時間帯の場所に行き、時差ボケが発生してしまうのです。こういう時差ボケに悩んでいる人のために、その解消法と対策や直し方を紹介しましょう。
時差ボケとは?
時差ボケというのは、数時間以上の時差がある場所へ飛行機などで短時間に移動した場合に起きる、心身の不調状態を指します。本来人間の身体は、光の明暗や社会的な刺激といった外的刺激を受けながら生活リズムを保っているのです。
ところが飛行機に乗り長距離を短時間に移動してしまうと、外因性リズムと身体に刻まれている内因性リズムが同期できなくて、ずれが生じてしまいます。このずれが修正されるまでの間は、身体に不調が発生してしまい、これを時差ボケと言うのです。
このように、人間の身体が覚え込んでいる24時間のリズムは、現在地の時間経過に沿ったリズムとなっています。それが急に数時間以上の時差のある地域に身体が持って行かれると、身体が困惑してしまいリズムを回復までは不調が解消されません。
時差ボケの症状
人間は普段は朝になったら目が覚めて活動を開始し、朝食を食べて仕事や学校へ行きます。そして昼間の間は種々の身体的・精神的活動を盛んに行い、夜になったら食事をしてゆっくりしたら入浴などを済ませて就寝するでしょう。
このような生活リズムが時差ボケで乱されると、次のような心身の不調が起きてきます。
睡眠障害 | 旅行先の昼夜のサイクルに 身体が慣れなくて、夜に なってもなかなか眠くなら なかったり、逆に昼間に 睡魔に襲われるようになり ます。 一般的には2、3日程度で 解消されるはずです。 |
---|---|
胃腸障害 | 食事をしても食べ物の 消化が進まず、下痢を したりあるいは便秘に なってしまったりします。 これが昂じると食欲がな くなってきたりします。 |
昼夜逆転生活 | 旅行先の昼夜のサイクル に身体が馴染むことが できないと、元々の母国 の生活リズムのまま生活 が続きます。するとひど い時は旅行先の昼と夜が 逆転した生活になってし まいます。 |
疲労 | 十分に心身を休ませる ことができないために、 疲労が蓄積してきて、 集中力や判断力の低下 をきたします。 |
吐き気 | 消化器系の不調とも関連 しますが、吐き気がしたり、 実際に嘔吐してしまったり します。 |
頭痛 | 激しい頭痛を覚える ようになることがあ ります。 |
時差ボケになるメカニズム
人間を含めた生物は、もともと体内に生物時計という仕組みをそなえています。つまり体内に時計機構が内在されているのです。そして最も生活に密着しているリズムは日周リズムと呼ばれるもので、1日という単位時間を身体が覚えているものです。
ただし、人間の日周リズムは24時間ピッタリというわけではなく、およそ25時間周期といわれています。それを24時間に合わせるために、光を浴びてリセットしているのです。これをサーカディアンリズム(概日リズム)と呼んでいます。
自然界に生きている生物は、日照の有無による明暗や昼と夜の移り変わりによって生物時計のずれを補正しながらリズムを整えているのです。ところが、時差ボケは今まで慣れ親しんでいたサーカディアンリズムを狂わせられることで発生するのです。
幸い人間の身体は、急激な環境変化にも順応するようにできているので、時差による環境変化にも順応するように身体が変化しようとします。しかしながら、もともと慣れているサーカディアンリズムを変えるには身体に無理を強いることになるのです。
この無理が悪影響となり、心身に不調をきたしてしまうのが「時差ボケ」が発生するメカニズムです。
向かう国によって違う時差ボケの症状
いろいろな場所に海外旅行で行ったことがある人ならば、時差ボケになるのにも程度差があることを体験的に察知しているでしょう。
例えばパリに行くときは、現地に着いてあまり時差ボケが起こらなかったのに、帰って来るときには調子が悪かったという思い出はないですか。いったいどのようになっているのでしょうか。
西に行く場合
日本よりも西にある国々のほうへ飛行機で飛んでいく場合を考えてみましょう。例えばパリやローマ、ジュネーブなどは日本との時差がサマータイムの時で7時間、サマータイム終了後で8時間あります。
ちなみに、2020年のサマータイム期間は3月29日から10月25日までですが、このシーズンにこれらの地域に旅行に行くと、現地時間は日本よりも7時間遅れた状態にあります。(日本のほうが7時間進んでいます。)
すると西の方へ飛んだ時には、日本よりも遅れた時間帯の地域に到着することになりますので、1日が長くなったように感じるのです。
例えば日本を4月10日の午前8時に出発してパリまでは12時間35分のフライトです。すると、日本時間でいえばパリには午後8時35分に到着します(午前8時プラス12時間35分)。
ところが、現地時間はこれよりも7時間遅れているので、現地ではまだ午後1時35分なのです。このように、あたかも1日が伸びたような状態になる場合には、時差ボケが起こりにくいし、なったとしても解消しやすいといわれています。
その理由としては、人間のサーカディアンリズムは24時間よりも長いので、時間を伸す方向で体内時計を調節するのは比較的容易だからです。
東に行く場合
それでは東へ行く場合はどうなるでしょうか。条件を同じにするために、今度はパリから東にある日本へと移動することを考えてみましょう。先ほど示したように日本はパリよりも7時間進んでいます。
パリから日本へのフライトに要する時間は偏西風の影響があるので、行くときよりもやや短くて、12時間で到着します。では4月20日の午前8時にパリを出発したらどうなるでしょうか。
日本へは、パリの時間で考えると午前8時プラス12時間ですから、午後8時に到着します。ところがこれは日本時間だとこれよりも7時間後になりますから、翌日4月21日の午前3時ということになります。
すると、往路でパリに着いた時には「7時間儲かった」と思ったのに、復路では「7時間損した」という具合になります。つまり東に移動すると1日が短くなってしまうのです。このような状態になると、時差ボケが起きやすいと言われています。
これは時間を短縮する方向で体内時計を調節しようとしているからで、これは苦痛になりやすいからです。
こんな人は注意!時差ボケになりやすい人の特徴
ところで時差ボケには個人差があるのを知っていますか。つまり時差ボケになりやすい人となりにくい人がいるということです。それでは、どのような人が時差ボケになりやすいのでしょうか。
年齢が高い
高年齢になると、身体の抵抗力も落ちてきますし、サーカディアンリズムを修正する力も衰えてきます。普段生活している時にはそれほど気にしていないかも知れませんが、生活のリズムというのは体調を大きく左右するのです。
また高齢になると、睡眠障害も起きやすいようになるので、旅行先での体力の回復に影響が出て来る可能性もあります。高齢者の海外旅行は自分の体調を考えて、無理のないスケジュールを心がけて時差ボケを解消しましょう。
朝方の生活リズム
朝方の生活リズムを持っている人は、一般的には健康的でむしろ推奨されている生活習慣となっています。つまり早寝早起きをして、起床したらすぐに活発に動き回るというタイプの人で、特に午前中に元気が良い人を指すのです。
実はこのような人は、旅行先で時差が生じることによってサーカディアンリズムが乱れて、生活リズムに悪影響が現われやすいといわれています。意外かも知れませんが、このような規則正しい人は時差ボケになりやすく、解消も苦労するのです。
神経質な性格
神経質な人は、時差ボケになった時に過剰に反応してしまいます。そして時差ボケからくる体調の乱れや不調について深刻に考える傾向があります。
このように、心身の不調を大げさに受け止める傾向のある人は、時差ボケになりやすいばかりでなく、時差ボケの解消も遅れます。時差ボケになってもそれほど神経質にならずに構えていれば、すぐに解消されるのに惜しいことです。
時差ボケの解消法・直し方
それではもしも時差ボケになってしまったら、どのようにすれば解消できるのでしょうか。辛い時差ボケから一刻も早く逃れるための解消法や直し方について紹介しましょう。
身体を動かす
時差ボケの直し方として有力な解消法は、身体を動かすことです。長い飛行機の搭乗によって、身体中の組織は活動が弱くなっています。このような時に適切に運動をすると、身体の中のエネルギーが活性化して体力が回復するという直し方なのです。
また、運動をするとストレス発散にもなり、時差ボケの消極的な気分を吹き飛ばしてくれる効果が期待できます。特に消化器系が弱っている場合などには有酸素運動を取り入れてあげると、弱った胃腸もまた活性化して時差ボケも解消されるでしょう。
太陽の光を浴びる
太陽の光は、サーカディアンリズムを調整するのに役に立ちます。体内時計は目の奥にある神経によって調整するようにできていますので、トリガーとなる強い光を目に入れることで、調整機能が整い時差ボケが解消されるという直し方です。
特に人間は太陽の光のような強い昼間の光には敏感に反応しますので、サーカディアンリズムの正常化のためには太陽の光を浴びるという行動は有力な直し方となります。
したがって、時差ボケで気持ちが優れないからと行って、暗いホテルの部屋にいると逆効果で、なかなか解消されません。
血流を良くする
人間の身体内で栄養素やホルモンなど、体調を調節するための物質を運んでいるのは、血液です。身体の中の老廃物を血流に乗せて回収し、排泄するのも血衛の効用です。従って体調が優れない場合には血流が滞っていることが原因のことが多いです。
時差ぼけの不調を解消する有効な直し方は、血流を良くすることでしょう。では具体的な直し方はどうすればよいでしょうか。運動をするのが最も良い解消法ですが、そのような気分になれない時もあります。
そういう時は風呂にゆっくり浸かるか、熱いシャワーを浴びるだけでも有効な直し方になります。身体の温度が上がって来ると、滞っていた血流も勢いよく流れるようになり、沈んだ気分も解消されます。
事前に時差ボケを防止!おすすめの対策法
もしも事前の準備で時差ボケが回避できたら、こんな嬉しいことはありません。どのようにすれば、苦手な時差ボケから逃れられるようになるのでしょうか。または解消しやすくなるのでしょうか。その対策を紹介します。
旅行前にできる時差ボケ対策
旅行前にやっておいたら時差ボケ対策の効果がある対策は、2つあります。1つめは旅行のスケジュールで、現地に着くのを夕方にしておくことです。そうすれば、ホテルへ移動してしばらくしたら就寝できます。
次の朝起きたら、サーカディアンリズムは現地の朝の太陽でリセットされるので、現地時間にスムーズに移行することが可能になり不安は解消されるでしょう。
2つめの対策は、旅行前1週間くらいで生活リズムを現地時間に近づけていくことです。時差が7時間だとすれば、毎日1時間程度ずつ現地時間へ近づけていけば、出発する際にはちょうど現地時間で生活していることになり、万全の対策になります。
飛行機内での時差ボケ対策
飛行機に搭乗したら、時計を現地時間に合わせてしまい、そこからは現地時間での生活をするようにします。もしも日本の昼に搭乗しても現地時間では夕方ならば、そろそろ寝る準備を始めましょう。
なお、機内でアルコールやカフェインの入ったものを過剰に摂取すると、体内時計を乱す原因になりますので控えたほうが良いです。さらに、体力を温存する一方で血流が滞るのを防ぐために、定期的にストレッチなどをしたほうが良いです。
到着後にできる時差ボケ対策
現地に昼間に到着したら、できるだけ太陽光を浴びるようにします。そうすることでサーカディアンリズムのアジャストが促進され時差ボケは解消します。さらに、現地に午前中に到着した場合は夜になるまでの間に仮眠を取らないようにしましょう。
もしも眠いからといって仮眠を取ってしまうと、夜になった時に眠くならずに昼夜逆転の怖れが生じるからです。この最初の日の夜をうまく乗り越えられるか否かが、翌日から楽しい旅行にできるかの分かれ道です。
時差ボケ解消&予防で快適な旅を!
日本から遠く離れた海外へ旅行するのはとてもワクワクして楽しみです。しかし遠くへ離れるほど心配になるのが「時差ボケ」です。せっかく現地に着いていろいろ活動を始めようと思っても、時差ボケのために活動が制限されたら、もったいないです。
時差ボケをできるだけ回避するために、事前の予防とそれから現地に着いた時にできることを実行してみましょう。そうすれば早期に時差ボケが解消されますし、直し方を知っていれば安心して気持ちよく旅を続けることができます。