チップとは?チップの意味や海外旅行での渡し方・金額の相場を紹介
海外旅行をする際、日本人には馴染みがない習慣の筆頭がチップです。日本人が旅行先に選ぶことが多い欧米諸国において根づいている習慣であるチップですが、海外旅行が初めての方には難しいです。ここでは、チップの渡し方や相場についてご紹介していきます。
海外旅行でのチップについて紹介!
海外旅行をする際、日本人には馴染みがない文化・習慣がチップです。旅行先の国によってはチップを払うことが必須となる国もあり、ガイドブックなどにも記載があります。
しかしながら、馴染みのない日本人にとっては、いったいいつ、どうゆう場面で、支払えばいいのかわかりません。また、チップの相場がわからなければ支払う金額もわかりませんので、海外旅行で困ることが多いです。
ここでは、チップについて具体的に紹介をしていきます。
チップとは?
チップとは、簡単に言えばサービス料です。ホテルや飲食店、タクシーなどでサービスを受けた際、サービス料として支払うのがこのチップです。日本ではこのサービス料という概念自体があまりなく、そもそもの金額に含まれていると考えると、チップの理解が楽になります。
サービス料といえど、実際はサービスに対して当たり前に支払うチップという考え方と、通常のサービス以上によくしてもらった時に、日本でいう「こころづけ」の意味合いに近い感じで渡すチップという考え方の2つがあります。
チップ文化がある国とない国があるのはなぜ?
チップ文化がある国とない国があるのは、そもそものサービス従事者への給与形態によるものです。チップ文化が当たり前に定着している一部の国では、レストランスタッフやホテルスタッフ、タクシー運転者などのサービス業の人の賃金は日本に比べてかなり低く、チップがサービス従事者の給与を支えている部分があります。
そのため、チップ文化が定着している国では、お客からもらったこのチップも課税対象となり、明確にカウントして申請する義務があります。
かたや、チップ文化がない国、例えば日本の場合、サービス従事者だからといって他の職業の方と比べて給与が圧倒的に少ない、ということがなく、設定されている金額にサービス従事者への給与分も含まれています。
このように、サービス従事者への給与体系によって、チップ文化が定着している国としていない国が発生します。
チップが必要な国と不要な国
さて、ここまでチップについて記載しましたが、ここからは具体的にチップ文化が定着している国と、そうでない国についてご案内します。
これから行こうと考えている海外旅行先が、チップ文化が定着している国か、それともチップ文化がない国をしっかり確認し、必要な国であれば相場の感覚も身に着けておくと便利です。
チップが必要な国
まず、チップ文化が定着している国ですが、まず筆頭となるのが北米です。アメリカとカナダ、そしてメキシコもチップ文化が定着しています。
日本人が最初に選ぶ旅行先として有名なハワイもアメリカですので、ハワイでもチップを支払うことが必須です。特にアメリカは、先進国の中でもサービス従事者の給与が飛びぬけて低く、チップがないと生活が出来ない程と言われています。
アメリカではチップを支払わないと失礼にあたりますので、アメリカに旅行する際は気を付けてください。
北米以外にチップ文化が定着しているのが中東です。カタールやUAE、エジプトがチップ必須となります。特にエジプトに関しては、渡さないともめごとに発展する恐れもあるので、なるべく少額のお金を用意しておくと便利です。
なお、エジプトでは、アメリカドルの紙幣で渡すのも問題ありません。ドルであれば1ドル紙幣がありますので、1ドル紙幣を多く準備しておくと便利です。
また、チップが必須ではないものの、チップ文化が定着していた国としてヨーロッパ諸国が挙げられます。イギリスやフランス、イタリアやドイツなど、日本人の生きたい海外旅行先上位にあるヨーロッパの国々は、もともとはチップ文化の国でした。
ただし、現在は、ホテルやレストラン、タクシーなど、基本的にはサービス料が含まれた金額で設定されているので、アメリカのように常時チップを支払う必要はありません。
しかしながら、通常以上の快いサービスをしてもらった時や、難しいお願いをして引き受けてもらった時などは、心づけのようにチップを渡す習慣が残っていますので、場合によっては渡した方がスマートです。
チップが不要な国
チップが不要の国は、中国や韓国、シンガポールが代表的です。アジア諸国のように、特に日本の文化に近い国であれば、そもそもチップの習慣はないため、チップが不要になります。
その他、多くのサイトではオマーンやイエメン、アルゼンチンなども名前があがっていますが、基本的には必要ないけれど、前述のヨーロッパ諸国のように、良いサービスを受けた場合はチップを渡す習慣もあります。
チップ文化が定着している国は決まっていますが、それ以外の国でも、現在はチップ文化が定着している国からの旅行者からチップをもらうことによって、チップ文化が旅行関連の仕事においては一部習慣として根づき始めている部分もあります。
特にインドなど観光業が盛んで、先進国の分類には入らない国ではチップを求められることもあるようです。
チップの渡し方と金額の相場
では、チップ文化が定着している国において、どんな場面で、どの程度の相場の金額を渡すことが最適かをご案内します。
国によって相場はまちまちではありますが、基本となるアメリカでの相場を目安に、場面別にご紹介していきます。チップが必須の国の中でも、アメリカが一番チップの相場が高いので、アメリカの金額をある程度理解していれば、他の国でも応用が可能です。
ホテルの場合
ホテルの場合、レセプションなどでのホテル料金の支払いの際にチップを払うことはありません。ホテルでチップを渡すのは、実際にサービスをしてくれたスタッフに直接渡します。
スーツケースなどの荷物を部屋まで届けてくれたポーターや、ルームサービスを頼んだ時に持ってきてくれたスタッフ、ベッドメイキングをしてくれるスタッフやタクシーの手配を頼んだドアマンなどがチップを渡す対象となります。
この場合、アメリカであれば、ポーターは荷物1つにつき1ドル~2ドル程度、ルームサービススタッフには1ドル程度、ベッドメイキングスタッフには外出前に枕元に1ドル程度、ドアマンにも1ドル程度が相場になります。ただし、通常以上のサービスをしてくれた場合は、もう少し上乗せして渡したらスマートです。
例えばポーターならスーツケースを部屋の中のスーツケース置き場の上まで持ち上げて乗せてくれたり、ドアマンなら、人数が多いので1つのタクシーで乗れるようバンのタクシーを手配してくれたり、等、こちらが要望していないのにワンランク上のホスピタリティでサービスをしてもらった時などが対象です。
飲食店の場合
レストランなどでお食事をした場合、お会計時にチップを渡します。チップの金額の相場は、アメリカであれば総額の15%~20%です。現金で支払うなら、総額から10%~15%上乗せした状態で「お釣りはいりません」と一言いえばスマートな支払いになります。
クレジットカードでの支払いの場合は、レシートにチップの金額を記入できるようになっている場合が多いので、そこに総額の10%~15%の金額を記入しておけば、チップ分を上乗せしてカード決済をしてくれます。ただし、この場合はレシートをしっかり受け取って問題ないか必ず確認することをおすすめします。
カフェなどの場合、コーヒー1杯で15%~20%分となると中途半端になるので、金額通りの支払いをした後、席を立つ際に1ドル紙幣などを置いておくとスマートです。
また、スターバックスコーヒーのように先に支払いをする形態では、レジ横にチップをいれる箱が設置されていることが多いので、そこに1ドル紙幣を入れるのもいいでしょう。
なお、ハワイのようにアメリカのチップ文化の国であるものの、チップの習慣がなくチップを渡すのを忘れがちな日本人旅行者が多い場所では、チップの料金を上乗せした状態でお会計をするレストランもあります。
お会計時は必ず詳細を確認するようにしてください。チップは「service charge」や「gratuity」と書かれている場合もあります。
タクシーの場合
タクシーの場合は、最後の支払い時に運賃の15%ほどをチップとして支払います。タクシーの場合にも、運賃+チップ15%分上乗せして、お釣りをいらないと言ってしまうのが簡単ですしスマートです。
その他、大きなスーツケースなどをトランクに入れて運んでもらったり、その際に上げ下ろしをやってくれたりした場合はチップを上乗せしてもいいでしょう。
チップを渡す時の注意点
ここまで具体的にチップを渡す場面や金額の相場をご紹介してきました。
チップを渡す際ですが、基本的には紙幣で渡すのが礼儀となります。アメリカの場合は1ドル紙幣があるので、両替の際になるべく多く1ドル紙幣を用意しておき、手元にすぐ出せる状態にしておくことをおすすめします。
お会計時にチップを一緒に渡すレストランなどであれば問題ないですが、その他ホテルのポーターなどにチップを支払う時に、財布から出したりすると防犯上不安がありますので、小額紙幣を少しポケットなどの簡単に出せるところに用意しておくと安心です。
ヨーロッパの場合、共通通貨であるユーロの1番小さい紙幣が5ユーロ紙幣となってしまい、チップとしては金額が大きいため、ユーロの場合は硬貨でも問題ありません。ただし、あまりに小額の硬貨をたくさん渡すのも失礼ですので、1ユーロ硬貨もしくは2ユーロ硬貨を使うようにしましょう。
また、日本でこころづけとしてお金を渡す場合、何かに包んだりするのが礼儀ですが、海外でチップを渡す場合は裸のままが基本です。紙や袋に包んで渡さないようにしましょう。
チップの習慣を学んでスマートに海外旅行をしよう
チップ文化について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。アメリカなどのチップが必須の国に行く場合は、是非日本とは違う文化に触れあうという意味で楽しんでチップ文化を実践してみてください。
また、現在ではチップは必須ではないけれど、通常以上のサービスを受けてチップを渡しても問題がない国が多いです。旅の途中で感動するようなサービスに出会えたら、是非チップを渡してみてください。サービスを受けた人も、サービスをした人も、お互いにいい気持ちにさせてくれるチップ文化を楽しんでいただければ幸いです。