ウーパールーパーが成体(大人)に変体する条件は?陸化後の飼育方法も紹介
ウーパールーパーは可愛らしい見た目が人気の両生類ですが、実は成体(大人)にも変化します。成体になったウーパールーパーは陸化して、エラ呼吸から肺呼吸になりますが、どのように飼育するのでしょうか。この記事では、陸化したウーパールーパーについて詳しく説明します。
目次
ウーパールーパーの成体について紹介!
ここからは、ウーパールーパーについて詳しく説明していきます。
見た目が可愛い!ウーパールーパーとは?
ウーパールーパーとは、メキシコサンショウウオ・メキシコサラマンダーの一種です。見た目が可愛いウーパールーパーですが、本当の名前はウーパールーパーではなく「アホロートル」という名前でした。
日本でたまたまアホロートルがウーパールーパーと名付けられ、広まっていったのです。
アホートルにウーパールーパーの名前がついたきっかけは1985年の「日清UFO」のCMでした。このCMにウーパールーパーというキャラクターが登場し、アホートルはウーパールーパーと名付けられたのです。
そして、アホートルはウーパールーパーと名付けられてから人気に火がついていきました。ウーパールーパーは再生力の強い生き物で、手足がちぎれても再生します。
それだけでなく、脳の一部ですら再生するため、再生手術の化学実験動物として研究機関で飼育されています。
ウーパールーパーの幼体には、リューシスティック・アルビノ・マーブル・ゴールデン・ブラックという体の色があり、ウーパールーパーで定番なものはリューシスティックになります。
ウーパールーパーが大人になるとどうなる?気持ち悪い?
ウーパールーパーが大人・成体になると、見た目が大きく変わります。見た目は可愛い感じから、サンショウウオのようになります。
おそらくウーパールーパーの大人・成体を初めて見たときは、ウーパールーパーとは思わず、イモリか何かだと思うことでしょう。
ウーパールーパーの可愛い感じをイメージしている人からすると、ちょっと気持ち悪いと感じてしまうこともあるようです。
大人のウーパールーパーは販売してる?
一般的にペットショップで売られているのは、ウーパールーパーの幼体になるので、大人・成体のウーパールーパーを売られていることを見かけることはまずありません。
ただ、稀に大人・成体のウーパールーパーが専門店で流通しているようで、こちらはマニア向けになるようです。
ウーパールーパーが成体になる条件
ウーパールーパーは大人・成体になるのですが、成体になるには条件があります。ここからは、ウーパールーパーが大人・成体になる条件について詳しくみていきましょう。
水を少ない状況にする
ウーパールーパーが大人・成体になるには、水を少ない状況にする必要があります。成体のウーパールーパーはエラがなくなって、長かった尻尾が短くなります。
ウーパールーパーの成体といっても、すべてのウーパールーパーが変態して成体になるわけではなく、「陸で生活した方が生活しやすい」と認識したウーパールーパーがエラ呼吸から肺呼吸に変化して成体と呼ばれる形になるのです。
そのため、ウーパールーパーを成体と呼ばれる見た目にしたいのであれば、肺呼吸に変化させるために水を少ない状況にしましょう。
ヨウ素やホルモン注射で成長を促す
ウーパールーパーを成体にする方法の1つに、幼体から成体に成長する時期にヨウ素やホルモン注射(サイロキシン注射)をして成長を促すというものがあります。
ウーパールーパーのような両生類は脳下垂体がホルモンを分泌してていて、ホルモンが甲状腺に蓄積されることでサイロキシンという物質を作り出し、サイロキシンの量が一定以上になると変態・大人になって生きます。
しかし、ウーパールーパーはなんと、自分で成長ホルモンをコントロールできてしまうのです。これが、ウーパールーパーが成体にならずに幼体にままでいる理由として言われています。
ウーパールーパーは幼体のままのの方が寿命が長いため、自分で成長ホルモンをコントロールして成長ホルモンを出さないようにしているのです。
そのため、ウーパールーパーに成長ホルモンを注射として成長を促すことができれば、ウーパールーパーは成体に変わっていきます。
成長ホルモンの注射以外の方法だと、水中にヨウ素を入れることです。ウーパールーパーを成体にさせるにはウーパールーパーにサイロキシンの生成を促すことができればいいので、ヨウ素を水中に入れて吸収させると成体になっていきます。
ウーパールーパーの成体(陸化)後の飼育方法
ウーパールーパーを成体にしようと思っていなくても、ウーパールーパーの幼体を育てていたら水槽の水が抜けてしまっていたり、水質が悪化してしまったことが原因でウーパールーパが成体になってしまうこともあります。
ウーパールーパーが成体・陸化した後の飼育方法について説明していきます。
飼育に必要なもの
陸化・成体になったウーパールーパーは、幼体の時よりも飼育が難しくなると言われています。
陸化したウーパールーパーの飼育に必要なものは、幼体の時の基本的に変わらず、水槽・水・餌・水温計です。
水槽の環境
ウーパールーパーが成体・陸化した場合、水槽の環境を幼体の時とは変えなければいけません。
陸化したウーパールーパーにはもうエラがなく肺呼吸なので、水を少なくしましょう。ただし、ウーパールーパーは水辺が好きなので、陸と水辺を作ってあげることが大事になります。基本的にはカエルを飼う時と同じレイアウトです。
また、ウーパールーパーの成体は幼体の時よりも綺麗な水を好むので、幼体の時以上に水を入れ替えてやる必要があります。さらに、ウーパールーパーは成体になったらかなり体長も大きくなって、幼体の時よりも行動範囲が大きくなります。
そのため、幼体の時よりも大きな水槽に入れ替えてあげましょう。陸上で走り回る成体のウーパールーパーを観察できるはずです。
さらに、ウーパールーパーが成体になると、エアコンで年中室内の温度を18〜26度に保ってあげる必要があります。これは、ウーパールーパーの成体がずっと陸地にいるためです。
寒い日は、爬虫類用の飼育で使われるパネル式ヒーターなどを水槽・ケージの側面に貼り付けて、空気中を暖めてあげましょう。ウーパールーパーが幼体だった時よりも成体の方が、電気代がかかることは覚悟してください。
与える餌
ウーパールーパーは幼体から成体になっても、餌は基本的には変わりません。
ただ、成体・陸化したウーパールーパーは陸で生活することがほとんどなので、陸で与えることのできる餌に変更していくと良いでしょう。イモリと同じような餌にすることをおすすめします。
ウーパールーパーは、飼い主さんが餌をあげるとどれだけでも食べてしまうという特徴があります。餌の上げすぎにはくれぐれも注意するようにしてください。
ウーパールーパーを成体にする注意点
ここからは、ウーパールーパーを成体にする注意点について説明していきます。ウーパールーパーを成体にしてしまってからではもう後戻りはできないので、注意点をチェックしてから成体にするようにしてください。
見た目が変わる
ウーパールーパーを成体にする条件のところで説明したように、ウーパールーパーの成体の見た目は幼体とはかなり違っています。エラがなくなってエラ呼吸から肺呼吸になるだけでなく、尻尾も短くなります。
ウーパールーパーが成体になって陸化すると見た目は絶対に変わってしまうので、見た目が変わるなんて知らなかった、ということがないようにしてください。
寿命が短くなる
ウーパールーパーは意外と長生きで、野生のウーパールーパーは平均して10〜15年の寿命と言われています。これは、犬や猫と同じくらいの寿命です。ただ、ペットとして買われているウーパールーパーの寿命は5年〜8年ほどと言われています。
このウーパールーパーの寿命が成体になるとどうなるかというと、短くなってしまうのです。本来ウーパールーパーはエラ呼吸で水中で生きているので、成体になって肺呼吸で生きるようになると寿命は短くなります。
寿命を短くしてでもウーパールーパーを成体にしたいという方のみ、ウーパールーパーを成体にする条件を試すようにしてください。
ウーパールーパーを成体にならないようにするには?
ウーパールーパーが成体になると、飼育方法なども変わって色々と大変ということが分かったことでしょう。
ここからは、ウーパールーパーを成体にならないようにするために必要なことを説明していきます。
ウーパールーパーの幼体の育て方
ウーパールーパーの幼体の育て方ですが、ウーパールーパーは基本的に成体にはなりません。飼育されているウーパールーパーだけでなく、野生のウーパールーパーも幼体のままで生きて死んでいく個体がほとんどです。
ウーパールーパーは成体にならずに、幼体のまま成熟していくというとても珍しい生き物なのです。これをネオテニー・幼形成熟と言います。
基本的なウーパールーパーの飼育方法としては、毎日、水槽の水を全部新しい水に入れ替えます。ウーパールーパの体長が1センチであれば水槽には1リットルの水を、5センチなら水槽には5リットルの水が必要になります。
ウーパールーパーは餌を与えてから2〜3時間後に糞をするのですが、水の交換は糞をした後にするようにしましょう。
ウーパールーパーの餌は、ウーパールーパー専用に開発された物がありますので、そちらを食べさせるといいでしょう。ウーパールーパー専用の餌だけで十分育てることができます。
ウーパールーパーは、メダカ・エビ・金魚なども食べます。たまにウーパールーパーにこれらの餌をオヤツとして与えている人もいますが、病気や寄生虫を持っていることもあるので、与えすぎには注意しましょう。
ウーパールーパーの幼体を育てる時の注意点
ウーパールーパーの幼体を育てる時の注意点ですが、とにかく水質には気をつけてください。
水質が悪くなってしまうと、ウーパールーパーも「肺呼吸のほうが適している」と思ってしまって、エラ呼吸から肺呼吸へと変化して成体になってしまうことがあります。
また、水槽の水が何らかの原因で抜けていたということが原因で、ウーパールーパーが幼体から成体になってしまったということもあります。
ウーパールーパーの幼体の飼い方は換水法と濾過法があって、換水法では毎日水槽の水を全て入れ替えて、濾過法では熱帯魚を飼う場合と同じようの濾過器をつけて、バクテリアによって汚れをきれいにするというものです。
濾過法では毎日のように水の入れ替えをする必要はないですが、それでも水槽内は汚れていくので、水が古くなっていくのと同時にバクテリアの動きも悪くなっていきます。
ウーパールーパーを飼うのであれば、水質には気をつけなければいけないということを覚えておいてください。ウーパールーパが餌を食べ残してしまったのであれば、その食べ残しが水質を悪くするので、ピンセットなどで取り除く必要があります。
特に、夏場は気温が上がることでウーパールーパーのいる水温も上がって、水が汚れやすくなります。
ウーパールーパーは夏場に死んでしまうことが多いのですが、水温が上がったことによって水が汚れやすくなったことと酸欠が原因のことがほとんどです。
そのため、夏場は水温を下げてあげること、水質が汚れていないかを冬場以上にチェックしてあげましょう。夏場は冬場の5倍以上水が汚れると思ってウーパールーパーのために水質を管理しましょう。
ウーパールーパーを成体(陸化)するのであれば覚悟を持ってやろう!
ウーパールーパーを成体・陸化させる条件や飼育方法について説明してきましたが、いかがだったでしょうか。
ウーパールーパーが成体・陸化すると、見た目がかなり変わってしまいます。それだけでなく寿命が幼体の時よりも短くなり、飼育する際も幼体の時よりも気をつけることが増えていきます。
ウーパールーパーは、自分でホルモン調整をすることができるのでほとんどの個体は幼体のままで生きて死にます。
成体・陸化したウーパールーパーがペットショップなどで売られているのはほとんど見かけることなく、稀に専門店でマニア向けに販売されているくらいです。
ただ、水が少ない状況を意図的に作り出したり、ウーパールーパーにホルモン注射したりヨウ素を吸収させることで、ウーパールーパーを成体・陸化させることができます。
ウーパールーパを成体・陸化させるのであれば、幼体とはまったく違う生き物になってしまうということを知った上で、覚悟して成体・陸化させるようにしてください。