三州街道(伊那街道)とは?おすすめ宿場町と見どころなども紹介
長野県を走る三州街道は長野県塩尻市と愛知県岡崎市を結ぶ街道です。本道である中山道から分岐した三州街道は庶民向けの道で、当時貴重だった塩や海産物の輸送、お伊勢参りや善光寺参りへ向かう参詣客が通った道でした。この記事では、三州街道の魅力をご紹介します。
目次
三州街道(伊那街道)のおすすめ宿場町と見どころを地図付きで紹介!
三州街道は別名伊那街道とも呼ばれ、中山道から分かれて主に長野県を通る街道です。本道である中山道が公的な道路として参勤交代や幕府の使いなどの通り道であったのに対し、三州街道は庶民のお伊勢参りや塩・海産物などの荷物が通った道でした。
街道沿いには現在も江戸時代の情緒を感じさせる町並みがところどころに残っています。この記事では、三州街道沿いのみどころを詳しくご紹介します。
三州街道(伊那街道)とは?
三州街道は、長野県塩尻市と愛知県岡崎市を結ぶ中山道から分岐した街道です。庶民の道として、物資の輸送やお伊勢参り、善光寺参りなどに向かう人々が利用していました。
馬による通商の道として繁栄し、海側からは海産物や塩、山側からは木炭や木材が輸送された、生活になくてはならない道でした。沿線には足助、伊那部、飯田などの数々の宿場町が栄え、現在でもそれらの繁栄の名残を見ることができます。
現在の国道153号線はほぼ江戸時代の三州街道に一致し、中部地方の大動脈となっている、今でも現役の街道です。
三州街道でおすすめの宿場町と見どころ3選!
三州街道でも特におすすめの、当時の雰囲気が残る宿場町をご紹介します。江戸時代にタイムスリップしに出かけてみましょう!
①足助の街並みは国の重要伝統的建造物群保存地区に選定「足助宿」
三州街道は徳川家康生誕の地として江戸時代を通して重視された愛知県の岡崎と、中山道の重要な宿場町である長野県の塩尻をつなぐ街道です。その岡崎から出発して1つ目の宿場町が足助です。
足助と書いて「あすけ」と読む少し難しい地名の宿場町は、現在では数多くの人が江戸時代の面影を求めて訪れる観光地となっています。漆喰で塗り固めた「塗籠造り」と呼ばれる家が建ち並びます。これらの家々は、火事の際の延焼を防ぐため高価な漆喰が塗られています。
特に美しいのは新町地区の「マンリン小路」という路地で、漆喰塗りの蔵が立ち並んでいてフォトジェニック。おしゃれな古民家カフェにリノベーションされている蔵で一休みするのもおすすめです。
住所 | 愛知県豊田市足助町宮平34-1 (観光協会) |
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アクセス | 東海環状自動車道 豊田勘八ICから車で20分 名鉄三河線 豊田市駅下車、名鉄バス矢並線(足助行)で約45分 |
②古い街並みが残る「宮田宿」
三州街道を進んで長野県に入り、伊那盆地に宮田村という小さな山村があります。近世からの町割がそのまま残り、江戸時代や明治時代の蔵が現存する貴重な場所です。早稲田大学と共同で景観の保全や計画を行っており、町自体が建築史上重要な資料ともなっています。
三州街道の難所の一つである大田切川を目前に控えた宿場町で、三州街道では珍しく飯田藩が参勤交代で利用した本陣・旧新井家住宅も残っています。漆喰塗りの土蔵が並ぶ町並みはどこかノスタルジックです。
次にご紹介する伊那部宿にも近いので、一緒に訪れるのもおすすめです。
住所 | 〒399-4392 長野県上伊那郡宮田村98番地 (観光協会) |
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アクセス | 中央自動車道 駒ヶ根ICから車で10分 JR飯田線 宮田駅すぐ |
③三州街道の中間地点として栄えた「伊那部宿」
伊那盆地の北部にある伊那部宿は、三州街道の別名伊那街道の名前にもなった重要な宿場町です。三州街道の中間地点に位置し、信州内での米の輸送などで大いに栄えた町です。
残念ながら天保年間に2度の大火に見舞われ、古くからの町並みの大部分は失われてしまいました。しかし、旧本陣で代々造り酒屋を営んでいた井澤家の邸宅が残っていて、その偉容から当時の姿をしのぶことができます。
伊澤家は高遠藩内でも屈指の豪農で、酒造道具や取引の手形などが展示され、予約すれば和室を実際にお茶会などに使用することもできます。
住所 | 〒396-8617 長野県伊那市下新田3050 (観光協会) |
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アクセス | 中央自動車道 諏訪ICから車で約1時間 |
三州街道でツーリングをするなら旧道とほぼ同じ国道153号がおすすめ!
三州街道はツーリングにも最適です。現在の国道153号線とほぼ一致していて、木曽山脈と赤石山脈の間を走る山間の道を爽やかに走り抜けることができます。歴史ある三州街道で、宿場町や日本アルプス、天竜川の景色を楽しみながらツーリングしてみましょう!
なお、三州街道は山道が多いので、ガソリンの量やエンジンの状態にはいつもより気をつけて走ることをおすすめします。
三州街道・国道153号線沿いにあるおすすめの道の駅2選!
三州街道とほぼ一致する国道153号線沿いには、道の駅が2つあります。ツーリングやドライブの合間に休憩できる道の駅をぜいひ利用しましょう。食糧補給やお手洗いもお忘れなく!
①温泉施設が人気「道の駅 信州平谷」
長野県下伊那郡平谷村にある「道の駅 信州平谷」は、三州街道の国道154号線と国道418号線の交差する地点にある便利な道の駅です。三州街道の中では岡崎・塩尻間の中間やや岡崎側にあり、愛知県を出て約1時間半の道のりです。
付近にはひまわり畑が広がり、夏は美しい景色が見られます。また、温泉施設が付属しているので、ツーリングやドライブの疲れを存分に癒やすことができます。泉質は重曹泉で、美肌や疲労回復に効果があります。
全10室のひまわりの館は平日8,950円の格安料金で宿泊も可能なので、ドライブ中に夜遅くなってしまった場合も安心です。
住所 | 〒395-0601 長野県下伊那郡平谷村252 |
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電話番号 | 0265482911 |
営業時間・定休日 | [温泉] 10:00 ~ 20:00 無休 [レストラン・売店] 10:00 ~ 20:00 無休 [農産物直売場] 8:30 ~ 17:00 無休 [食事処] 11:00 ~ 19:00 無休 |
駐車場の有無 | 有り |
アクセス | 園原I.C.から車で40分 |
②郷土料理が楽しめるレストランも「道の駅 田切の里」
長野県上伊那郡飯島町にある「道の駅 田切の里」は、三州街道の中でも中央やや塩尻寄りの場所にあります。国道153号線は伊那本郷から大田切まで2つに分岐していますが、そのうち東側の天竜川沿いの道沿いにあります。
道の駅 田切の里では、地場野菜がお手頃価格で手に入る「ふるさと市場」や、信州そばを味わえる「そば処 たぎり」など、この地区ならではのお店が揃っています。ツーリング客向けの休憩所やドライバーにうれしいEVスタンドもある新しい道の駅です。
お手洗いは24時間利用できるので、夜道のドライブでも安心です。
住所 | 〒399-3701 長野県上伊那郡飯島町田切2598−1 |
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電話番号 | 0265-98-5525 |
営業時間・定休日 | [売店] 9:00〜18:00(4月-10月) 9:00〜 17:30(11月-3月) 無休 [レストラン] 11:00〜15:00 木曜定休 |
駐車場の有無 | 有り |
アクセス | 駒ヶ根ICから車で約15分 |
三州街道(伊那街道)の宿場町や道の駅に行ってみよう!
三州街道は愛知県岡崎市と長野県塩尻市を結ぶ庶民の街道です。かつて中部地方の人やものの行き来を支えた街道は、現在でも国道153号線として現役で活躍しています。
沿線の宿場町は情緒あふれる町並みを残していて、江戸時代にタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。最近は古民家をリノベーションしたカフェや雑貨屋も増えていて、観光に最適です。
三州街道はツーリングにもおすすめです。途中にある2つの道の駅を含め、街道沿いの景色や食べ物は信州ならでは。天竜川を横目に、日本アルプスの間を駆け抜けましょう!
三州街道沿いの観光の際には、是非この記事を参考にしてみてください。